水質調査、騒音振動測定など環境調査は、関西環境リサーチ株式会社にお任せ下さい

「感」お知らせ&日々の所感
お知らせの他、社員各自や一同が社会人生活で感じていること。
 
 2023/05/02   (18/52週) スケジュール管理の個人差に思う
昨年末、ある顧客からどっさり頂いた手帳を営業からラボで分配すると、「これは助かる」と喜ぶ同僚がいました。数ヶ月経って、同じ者に活用状況を聞くと、「ぼくは手帳を見るのが専門で、書きこみません」とのこと。そんな使い方で、何が助かるのかな? どうやらスケジュール管理というものには、相当に個人差があるようです。

IT機器を使いこなす人でも、残タスク(こなすべき用事の最小単位)は「多重しばりで把握」しておくのが無難でしょう。手帳に書いてあるけれど、事務所のホワイトボードにも書いてある。パソコンの中にも出てくる。そして、済んだものと済んでいないものの識別をハッキリさせておくことです。手帳やホワイトボードなら、消さずに置いてあるものだけが残タスク。メールであれば、別フォルダに移動して「未読」に戻してあるものだけが残タスク。

こまかい手法を論じても、(生活環境・就業環境が人それぞれなので)あまり意味がありません。そんなことより、スケジュール管理にはもっと大きなポイントがあるようです。それは、そもそもスケジュールを「管理できるもの」と思えるか、思えないかという、入口(いりぐち)の問題。スケジュールを管理「できないもの」と感じている人にとっては、管理「手法」を論じても空しいばかりです。

スケジュールを主体的に管理する人は、いわば「義理の断捨離」ができている人。
ここでの義理とは、「口約束した用事」のことです。ゴミ屋敷のように大小さまざまな義理にまみれている人は、なぜそうなったのでしょうか? 自分がやれるか、やれないかもわからない状態で、その場しのぎで「こうする」と口約束するので、原っぱでブーメランを次々に投げたときのように、時間をおいてそのブーメランが自分に次々と戻ってきます。戻ってきたタイミング(つまり、いよいよ問合せが来る、後手に回った状態)で再びその場しのぎでブーメランを投げ返すので、いつまでも対応が追いつきません。かくして義理がゴミ屋敷状態に堆積するというわけです。

これを解消するには、いったん義理を「断捨離」するしかありません。
・できない場合や、できるかどうかわからない場合は、率直にそう言う。
・どこまで対応できるか、検討して答える期日を決め、その期日を宣言する。
・できると言ったことについても、約束の期日に出来そうかどうか、その手前で
 自己チェックするよう設定する。無理となれば、自分から前もって連絡する。(後手に回らない)

こういった義理の断捨離は、短期間では効果が現れないかもしれません。しかし、濁った水が浄化装置のはたらきで徐々に澄んでくるように、「自分のスケジュールを管理できる部分」の比率が徐々に増してくるでしょう。

「あの人は、何をしてくれて何をしてくれない人なのか(/どこまでが実力でどこまでが伸び代なのか)」というのが明確になっている。そこにこそ、幻想ではない目に見えた社会参加というものがある……。スケジュールの「管理」が実現するとはそういうことであり、そんな願い(『使う人が豊かに社会参加できますように……』)をこめて、手帳などの道具たちが存在するのだと思います。


 
 2023/04/26   (17/52週) 来客時のお茶にまつわる工夫や社風
毎日勤務をしていると、社業そのものでないことも色々と体験します。
今回は(戯れに?)お茶について、4例ほど事例紹介いたします。

【飲み物を選ぶスタイル】
不動産業のお客様へ打合せに行った際、席で待っている営業マンの私に飲み物がふるまわれました。社員さんが来てくださり、ペットボトルのお茶や缶コーヒーなど、ばらばらの品目を4つほどお盆に載せています。
「恐れ入りますが、このご時世(コロナ禍)につき、常温の飲み物をここから選んでいただけますか?」
接客のお茶出しを安全・簡略化する代わりに、来訪者にとって「選べる」という楽しさを加えて歓待する趣向。なるほど冷蔵も加熱もしないのであれば、多品種の保管も負担が少ないでしょう。アイデアだなあと思いました。

【会議仕様のペット茶】
コロナ禍も数年越しになってきた折、工場のお客様へ打合せに行きました。
いつも会議室でペットボトルのお茶をふるまわれるのですが、ある時、形の変わったペットボトルになっていました。断面が丸くなく正方形をした、細い小さなペットボトルです。これですと、「水分補給」というほどの量でもなく、話をするのに喉を湿らせる程度。また、持ち帰らせていただく際、細い四角形なのでビジネス鞄などにも収まりが良い。そういう商品が出現したのを、ちゃんと会社として見つけておられるのに感心しました。

【ハプニング(称賛パターン)】
コロナの始まる直前の年末に、工場のお客様の本社へ挨拶に行ったときのこと。
「御社ではこういうジャンルの製品をお作りですか?」
とお聞きした際、担当者の方が「あります。一般名称で言うと、ええっと……」
と思い出そうとしておられた際、ちょうどお茶出しが終わって退室間際のベテラン女子社員さんが、突然口火を切り、「○○です!」とフォローなさいました。
私と担当者様は顔を見合わせて喜び、「あっ、ありがとうございます!」となりました。
老舗企業として人材の層の厚さがものすごく伝わってくる、楽しいハプニングでした。

【ハプニング(困惑パターン)】
先日、工場のお客様で担当者の方が2名、出入りの業者に過ぎない当社へわざわざ担当替えの挨拶に来て下さいました。営業部として私が部屋で応対していると、コーヒーが3つ、運びこまれました。私は運んでくれた人に「社長、ご自分は(コーヒーが)要らないのですか?」と尋ねると、来客のお2人は慌てて立ち上がり、作業服のポケットから名刺入れを取り出して挨拶して下さいました。社長が退室したあと、「ああ、びっくりした。コーヒーの味がしないです」と動揺しておられました。うちの社長は気さくでいつもフレンドリーであり、普段なら「これはこれは、社長じきじきに光栄です!」と喜んでもらえるケースが多いと思います。しかし顧客(それも中堅の製造業)の来訪時という珍しい状況では、経験の蓄積が少ない。なにか今後のヒントになったような気がします。

 
 2023/04/20   (16/52週) 成果品文書の発行前チェック
当社の成果品(成果物)である報告書・計量証明書は、内容が技術部でいったん仕上がってから、多重チェックを経て文書として完成します。(技術部内でダブルチェック →総務部にて体裁チェック)

他部署のチェックとして、たまに営業部も加勢します。(新規顧客の初回の報告や、文書の表現上、判断の要る局排点検や個人ばく露測定など)
技術部員から「ちょっと見ておいて下さい」と紙で仮清書が届くのですが、来たらざっと見て赤ペンや付箋を施し、10分後ぐらいに返します。すると「早いですね!」と驚かれ、喜ばれます。

しかし私からすれば、何でもないことです。文書というのは、ゼロから起票するときが一番、パワーが要るもの。それを後からチェックだけに関わり、もっともそうに手直しする立場なんて、楽なもんです。ゼロから起票する技術部員を心の中で(ご苦労さま)とねぎらう意味でも、待たせないでサッと見て返します。間が空いてしまうと、頼んだ人も案件を再び思い出す必要があり、負担になるからです。

白紙から報告書が立ち上がる時。それは、社業としての付加価値が生まれる瞬間です。常時ではありませんが、営業部もこのプロセスを見守っています。

ちなみに営業の私自身が白紙から立ち上げる文書が、見積書です。(以前は9割方、会長が起票 兼 チェックをしていました。)顧客満足のとっかかりを担う見積書を、一から起票する醍醐味。このような役目に、毎日手応えを覚え感謝しています。

 
 2023/04/13   (15/52週) 採用応募者とのフリートークで感じたこと
先月、当社の採用募集に応募をされた方と、私ども社員がラボに集まってフリートークをする場があり、「こちらに就職して慣れるのに一番苦労したことは?」という質問をいただきました。

その問いに既存の社員が一人ずつ答えていくのですが、私(中途採用で営業6年)は答えに困りました。自分が何に苦労したのか、即答できるほど自己アピール力が無いですし、いまでは仕事に慣れて当初の記憶が薄いからです。同僚から「あのエピソードをご紹介したら?」などとうながされ、どうにか返答を済ませました。

後日、(あの時はどう答えたら適切だったのだろうか?)と考えていると、新規の受注案件で建設現場に行った際、施工管理者様からこんなご挨拶をいただきました。
「僕は『形の無いもの』が苦手で、形を見ながら仕事のできる建設業に就職しました。だから(今回発注する測定分析に際し)化学的にごく初歩のことを聞くかもしれないけれど、よろしく頼みます」。

なるほど。たしかに私は営業職なので、他業種から移ってきても『形の無いもの』に戸惑って支障をきたすことはないですが、もしラボで試験管を振って分析を手伝えと言われたら、「手順を誤って爆発とかしないかな?」と心配になります。つまり先日の応募者の方の質問は、そのあたりのこと(=僕でも慣れていけますか?)を聞きたかったのではないでしょうか。

理化学系の仕事場というのは、一般の人から見れば「意欲」だけではどうにもならない「覚悟」が要る世界なのかもしれません。

募集に際しても、呼びかけるべきは会社員経験者である以前に、理化学系のリテラシーのある人材。そういう意味では、たとえば教職経験のある方(元・理科の先生など)で勤務してみたい方など、意外にマッチするのかもしれません。

また当社が使う採用エージェントも、とにかく有名でスケールメリットのある総合的なエージェントさんで良いのかな? とも感じます。「出会いはあるけど出来上がりは遠い」日々が続くようなら、こちら側も「意欲」だけでなく「覚悟」が要るのかもしれません。

 
 2023/04/07   (14/52週) 第3管理区分、法改正後の対応ニーズ
化学物質管理体系の見直しの一環として、作業環境測定で「第3管理区分」の出たときの対応が具体的にプロセス化され、それが来年(令和6年)4月から施行となるそうです。

そのプロセスとは、改善をいきなりマスク(呼吸用保護具)に頼るのではなく、マスク以外のことで作業場を改善できるかどうか一旦判断せよ、というもの。そして判断には「作業環境管理専門家」に該当する人が携わることになりました。

とにかく一度、マスク以外の策を講じようとすること。今回とくに妙案なしとの「判断」を経た場合は、マスクによる対策へ進む。あるいは何か策を講じられる場合、それを実施する。実施した結果を見て、やはりマスクなしでは有効なレベルまで改善できないとなれば、そこからマスクを「改善の決め手」と位置づける決断をする。

ところでこのときの「判断」とは、どこまでのことを指すのでしょうか?
当社自身は未だ不勉強ながら、次の2つがイメージされます。

【レベル1】
・先の先までアイデアがあるわけではないが、換気・囲い・作業方法などで、何がしか「改善の余地があるはずだ」という判断。

【レベル2】
・アイデアを最後まで描き切った判断。(設備による改善なら、その仕様に至るまで)

上記の「作業環境管理専門家」に該当する人として、当社で身近なところでは【レベル2】については労働衛生コンサルタントの先生、【レベル1】については作業環境測定士で規定の講習を修了した人、が思い浮かびます。

ということで、当社もそのような人的資源の確保を令和5年度中に行なっていくことになると思います。

 
 2023/03/29   (13/52週) 年度末、ご担当者様との別れと出会い
この令和4年度中、当社客先のうち8社様でご担当者が交代されました。
(そのうち3社様がこの年明け〜年度末に交代)

営業の小職とちょくちょくお打合せしていた方とコンタクトが途絶えると、寂しいものです。それでもご本人から「交代するよ」と声をかけていただけると、多少は心の準備ができるのですが、そのケースは2件にとどまりました。他は、次回測定の予約取りの際や測定当日に「もう交代してますので」とお聞きするケース。当社など、数ある出入り業者の1社ですから、お恨みするわけにもいきません。

交代理由の内訳は、人事異動が3件、定年退職やセミリタイヤが3件、長期療養が2件。

療養の場合はまったく気の毒で、体調のリスクと隣り合わせなのは構内の作業者の方ばかりではないなあ、と思い知ります。その意味でも、交代した新しいご担当者様には、まずはご自身がくれぐれも健やかに、お過ごしになられるよう祈る次第です。

 
 2023/03/24   (12/52週) WBC日本優勝、組織活動のビオトープ
今年開催された野球大会「WBC 2023」は、日本の優勝奪還をもって幕を閉じました。
一般庶民の我々は、それぞれの思い・感じ方で興味深く観戦していたわけですが、こと企業の管理部門・管理的職位の方々(当社の普段のお取引先)の中には、ある種の手応えを覚えた方も多かったのではないでしょうか?

企業にとって顧客は「敵」ではないですが、成果を出すべき対外折衝先という意味では対戦相手チームに似ています。すなわち自軍と相手チームの関係は「会社内部」と「顧客やマーケット」の構図に置き換えられなくもない。

その意味で野球の試合観戦というのは、「会社内部」と「顧客やマーケットへの折衝状況」を第三者が同時に観ることのできる形式。いわば組織活動のビオトープのライブ展示場であります。

そのビオトープを、先日のように見守っていますと、味方を鼓舞することが対外折衝の成果にいかに大きく影響するか、がうかがえます。つまり、相手チーム(顧客やマーケット)に集中・専念しているだけでは駄目なのです。

企業においてその真実(=内側がお留守になってはいけない)に日頃から深く携わっておられるのが、他ならぬ管理部門・管理的職位の方々です。収益上の付加価値活動に直接関わっていない「縁の下の力持ち」なので、ビオトープでもない限り活動の成果は公開されませんが、重要な活動をしておられます。ですから、WBCの野球観戦によって、ある種の手応えを覚えた方もおられたのでは? と推察した次第です。

ちなみに「味方を鼓舞」することの担い手は、管理部門にとどまりません。職場リーダーをはじめ、一般従業員の人でも「鼓舞」の実践は可能です。「鼓舞する」の反対語は「水を差す」。遅刻ギリギリで出勤する状況などを、ちょっと改善するだけでも、職場に与える影響は立派な「鼓舞」と言えるでしょう。

 
 2023/03/17   (11/52週) MFTオペレータに求められる2つの能力
当社では溶接ヒューム法改正に伴うマスクフィットテスト(MFT)の代行業務(機器を用いる定量的FTのみ)をお請けできるよう、初期の準備を追い込んでいます。もう4月が目前ですので、なりふり構っておれません。手順をマスターするため、連日のように機器メーカーさんのサポートデスクで問合せをし、また適宜ウェビナーや動画教材なども活用。来週からいよいよ社内リハーサルが始まります。

客先で被験者の方にテストを実施する担当者をオペレータと呼びますが、準備を進めるなかで、そのオペレータには2つの能力の要ることがわかってきました(漫画家に似ている/作画とストーリー作りの2つの能力)。

1.テストそのものをしっかり進める能力
2.試験データを扱う能力

1.については、被験者がマスクをしっかりつけているのに「テスト不合格」となってはいけませんし、たとえ初回が不合格でも、やり直して合格できるようご指導する経験値も必要です。(→社内リハ―サルで、少しでもその経験を積む)

2.については、データベース(被験者の属性・マスクの属性・判定方法の3要素がリレーショナル・データベースのように関連して構成されている)をデバイス間で往復させる(コンバートする)能力が必要です。
  パソコン←→(USB)←→機器本体

2.については簡略化する形も可能ですが、それをすると「レポート」と呼ばれる帳票出しにたどり着けなくなってきます。
被験者ごとにA4版1枚の紙で扱う試験結果レポートは、ワープロで打って正式文書にしても格調高いですが、むしろ専用機器から生データを出力したもの(文字だけのあっさりした体裁)を主役に残したほうが、端的に「実施した証し」となるでしょう。その意味で、データ・コンバートをあきらめるべきではないので、業務の立ち上げ当初から充実した手順を定型化し、取り組んでいきたいと思います。

 
 2023/02/25   (08/52週) めまい体験のおすそわけ
私ごとですが、先日、「めまい」を体験しました。たんなるフラツキではなく、(比喩ではなく、本当に)ぐるぐる回転するやつです。初めての体験だったのに冷静に対処できたのは、以前、当時の身近な人から体験談(嘔吐しても1、2日で治ったこと)を聞かせてもらっていたからです。そんなご縁に感謝しており、このたび私からも(未来の発症者? のかたへ)体験をおすそわけしたいと思います。

※ひと口に「めまい」と言っても多種多様のようなので、私の体験したものはあくまで一例として参考にして下さい(私の診断名は『眩暈(げんうん)症、両低音障害型感音難聴』)。

さる2月5日の朝7:30頃。私はトイレに起き、日曜日なので2度寝を決め込んでいました。フトンで左向きに横臥し、目を閉じていましたが、ちょっとプライベートで心配事があり、そのことを考えていました。すると突然、頭の中で回転が始まりました。目を閉じていても、開けていても世界が回転しています。そのスピードは、たとえて飛行機がきりもみ状態になったような、あるいは往年のアニメ「マッハgogogo」の車がスピンしているような、かなりのスピードです。

ほんとうに耐え難い回転性のめまいなのですが、心拍数はとくに上がっていません(強いていえば、胃が気持ち悪い)。したがって、深呼吸をしたり念仏を唱えたりしても、回転は弱まりません。とっさにフトンから上体を起こしてみたところ、それで回転が遅くなり、やがて停止しました。どうやら頭の角度を工夫することで、急場をしのげそうなことがわかってきました。
その日は日曜日でもあるし通院は急がず、家でゆっくりするだけにしました。昼前には(枕を高くすれば)まっすぐ仰臥することができ、夕方には枕無しでも仰臥できるまでになりました。しかし横臥すると、まだ回転が始まってしまう状態。夜になり、どうにか普通に睡眠を摂ることができました。

翌日の月曜日、ネットで調べておいた近所の病院の耳鼻科にかかりました。(耳鼻科なのに大人の外来患者の相当数が、めまいで来院しておられる様子。)優しい感じのドクターが入念な問診(とくに発症時の状況の確認)をして下さり、目まいのジャンルを絞り込んで下さったようです。内服薬が3種類処方され、お昼前に調剤薬局で順番を待っているときに、空腹感が戻ってきました。火曜日から勤務を始めましたが、木曜日には自覚症状が完全に消えていました(つまり発症から4日かけて自覚症状が減衰し、きついのは初めの2日間という闘病日数)。

乗り物の運転については、発症から2日間は自動車を控えました。自転車は発症日だけ控えました(翌日は自転車で通院しましたが、酒酔いに似てバランス感覚があやしいので、ひんぱんに押して歩きました)。

低音に関して一時的に難聴になっていたことは、聴力検査でわかりました(このことが、めまいの因果関係あるいは証左に)。つまり私のめまいが虚言ではないことも、通院によって証明されたわけです。

 
 2023/02/16   (07/52週) 連絡協議会の資料より(JAWE大阪支部)
さる2月13日、当社の加盟する日本作業環境測定協会(JAWE)大阪支部が定例で開催する、大阪労働局との連絡協議会があり、当社からは社長が参加してきました。

私ども測定機関は測定を通じて事業所様の労働衛生に携わっており、関連法規の最新の動向を踏まえた諸対応ができていなければなりません。また監督官庁も、法規制を現場に即した形に整えていくために、実際面の意見を募集したりしなければなりません。そういった双方向の背景から「連絡協議会」というチャンネルが設けられています。

社長が会合で持ち帰った資料は、社内で回覧されます。今回、恒例の「質疑事項」以外で営業部の目にとまった内容は次の3点です。

1.事業所の組織面
すべての業種・規模の事業所に義務づけられた「化学物質管理者」を選任し、労働衛生委員会の付議事項として、化学物質の自律的な管理の実施状況の調査審議を行なうということ。(その他の選任義務:「保護具着用管理責任者」)

2.リスク評価をすべき物質
『物質ごとの濃度基準値の案及び測定方法』(117物質)というリストがあるので、これに作業環境測定で既に管理濃度のある物質を加えれば、リスク評価をすべき物質の母集団にできそう。(SDSに挙がっている成分のうち、評価すべき物質を絞り込める)

3.化学物質管理専門家の要件を満たすための講習
作業環境測定士が化学物質管理専門家の要件を満たすための講習が、大阪労働局から発令されている。(測定機関として修了者を最低1名保有していないと、第3管理区分の出たときにワンストップで対応しづらい)

 
 2023/01/27   (04/52週) フィットテスターの付属品が入荷
マスクフィットテスト(溶接ヒューム法改正関連)を代行する業務の準備をしています。

さる1月13日に発注したフィットテスターの付属品および追加部材が、ちょうど 2週間後に入荷しました。(1ヶ月かかると聞いていたので、メーカー殿・販社殿に感謝。)

当社のオーダーしたのは付属品が4点と、追加部材が1点です。
・使い捨てマスクの表面に吸気口を設ける、金属製の口:「プローブ」
(ホッチキスの針に相当するもの。100個)
・プローブ装着治具(ホッチキスに相当するもの 1個)
・粒子発生器
(マスク外側の清浄な空気中に粒子を発生させるもの)
・ハードケース
・当社で使用する半面形マスクの面体につけるアダプター:「FTフィルタ」

このうちアダプターは、基本的にテストの発注側企業様でご調達いただくものですが、請負う側の当社が経験を積めるよう、取り寄せました。

このあと、入荷物の本格的な検品をし、取説の保管方法を定め、ハードケースへの機材の収納方法を申し合せたいと思います。(作業台のリサーチは継続)

 
 2023/01/20   (03/52週) フィットテスターの運用準備状況
マスクフィットテスト(溶接ヒューム法改正関連)を代行する業務の準備を始めています。

初出の日から社員全員で機器を開梱し、まず必要な付属品の確認から始めました。(昨年の補助金申請の際、まず本体だけを発注しており、全体の必要アイテムの確認はこれからでした)。付属品(当社の使い勝手で要るもの)を見極めて発注。見極めの判断の際、メーカーのサポートデスクに電話して教えを乞いました。入荷には納期がかかるので、その間に機器本体に慣れる練習を進めます。

それと、技術的なことではないですが、「専用台が欲しいな」ということになりました。
客先で炊飯器大の機器を設営する際、事務所の机の上など、設置場所のコンディションが場当たり的になるようでは落ち着きません。できれば床から独立して設置できる台を持参したいものです。純正の台は無いようなので、いずれ適当なものをホームセンター等で調達することにしました。

また機材のセッティング(使用当日における)について、大きな手順上の発見が。着用したマスクの外側と内側に浮遊する粒子を、光学的にカウントしてフィット度合いを判定するのですが、その粒子径をカウントしやすいように、イソプロピルアルコール(IPA)を噴霧して粒子をコーティングするプロセスがあります。この準備作業(機器本体にIPAのカートリッジを装着する)のが、なかなかにデリケートです。このプロセスの存在を知り、「これだと工場様に『機器だけ貸し出す』というサービスジャンルは成立しないな」という印象を社員一同で覚えました。

ちなみに、テストを実施したデータ保持の仕方についても、『貸出し』の構想にとっては多少ハードルとなりそうです(他社さんのデータごと、貸し出すわけにはいかないので。 →混在を防ぐノウハウと作業徹底を要する)。

2月10日に1名が講習を受講するので、その段階では「インストラクション以外のことは全て把握している」ぐらいの状態にもっていきたいと思います。

 
 2023/01/13   (02/52週) 予算見積の作成に応じる意欲、その分かれ目
例年、年末にかけて自治体さんからの予算見積の協力依頼が集中します。
これは「(市役所の担当部署が)次年度の予算取りを行なうために、(実際の見積合わせで使わない)参考見積を提供して下さい」というものです。

当社などの業者が協力する際、その作成作業は無償となります。そのため「これを辞退することによって貴社に生じる不利益はありません」とご配慮コメントをいただくことも。

さて、オファーを受けた当社側の意欲はどうでしょうか?
それは案件における当社のポジション(立ち位置)によって変わってきます。

イ.例年ご指名にあずかり、落札することが多い
ロ.例年ご指名にあずかり、過去に落札実績がある
ハ.同じ自治体で他の案件について、落札実績がある
ニ.ご指名にあずかるものの、落札実績は無い
ホ.ご指名の実績すら無い

上記のバリエーションのうち、依頼をかける側(自治体)が「頼み易い」のはイで、「頼むべき」なのはロ〜ホだと思われます。イ.は厳密に見れば実勢価格を反映しているかが懸念されかねません(例:ダンピング傾向の業者が万一応札しなかったら、その予算額では案件を執行できなくなる)。つまり常連格の落札業者から(形式的に)予算見積を取っておれば済む自治体は、内部統制のきつくない自治体さんとも言えます。

逆に依頼を受ける側(当社)としては、イ.が最も快諾できるパターンです。しょっちゅう落札実績があり、無償の手間はそちらのほうで吸収しやすいからです。ロ.もそれに準じて快諾できる範囲でしょう。ニ.ホ.については、基本的には意欲が湧きません。意外と快諾できそうなのが、ハ.ではないでしょうか?(あまり経験しませんが)

ところが、まったく別の尺度からニ.ホ.でもそこそこ快諾できるケースがあります。それは、「仕様設計から参画するケース」です。

入札の本番では、「あとは応札額の差のみで業者を選定する」ことができるレベルまで、案件の仕様を完璧に(※)作り上げていかねばなりません。(※ 仕様書で説明不足なら「金抜き設計書」や「契約書ひな形」を添付して、とにかく条件面で見解の相違・ばらつきが出ないように)
担当部署や契約課など、自治体さんの総力をもってしても仕様設計のプロセスに不安があるような案件では、虚心坦懐に専門業者の当社へ尋ねてくださるケースがあります。この場合は「無償だから意欲が湧かない」といった次元のことではなく、業者として大変名誉なことですので、極力ご対応するようにしています。

当社が参考見積を提供するなかで、仕様も固まり、その仕様にもとづき入札本番となり、他業者殿が落札していく……。これはこれで、清々しいものがあります。

 
 2022/12/24   (52/52週) 2022年、当社のレビュー
当社のこの1年について振り返ってみたいと思います。(新規顧客・案件を中心に)

【官庁】
近隣自治体で、施設単位でのご新規(初受託)は2件。し尿処理施設の臭気測定が1件と、教育系の公民館の排ガス測定です。(それぞれ別の自治体)
案件としての新規は、中央官庁系の機関のラボにおける、作業環境測定に準じた測定を1件受託しました。


【民間】
民間系では、まず既存顧客がメインのお客様であることは言うまでもありません。報告書の読み合わせに訪問した際、ときには逆に知見を授けてくださり、当社側も育てて頂いております。
新規顧客に目を向けると、計16社様とのご縁がありました(製造業9、建築・不動産系5、流通・サービス系1、医療機関1)。

当社と別業種との連携に関して。
今年の新規の製造業様(上場企業)のご縁で、改修工事業の業者さん1社と知り合いました。この先、当社で手がける工場換気の改善などでタイアップできる可能性を感じたので、連携したい旨打診したところ、快諾していただけました。今後の展開が楽しみです。

受注ジャンルで新規性のあったものは1件。
安衛法事務所則の改正にともなう、照度測定を受託しました。改正はあくまで事務所部分につき、工場など現場を含む事業所全体を対象にする場合、基準の設定には(建築系の法規を横断的に取り込んだ)判断を要します。したがって受託ジャンルとしては「定番もの」ではなく「アレンジもの」に類する形となり、準備段階・実施段階ともに貴重な経験をさせていただきました。

年を越せば、新規だったお客様も既存顧客の仲間入り。2023年も当社なりに貢献してまいりたいと思います。


 
 2022/12/16   (51/52週) 寡兵な度合いの数値化モデル
寡兵(かへい)とは、応戦すべき量的ニーズに対して兵隊の数が少ないことを指す軍隊用語。企業の操業においても、ときに条件が重なれば寡兵傾向の局面が発生します。そんな時期、顧客満足リスクはもとより労働安全衛生上のリスクも生まれ易くなるので、手を打っていく。まさに管理部門(ひいては経営陣)の腕の見せどころです。

さて今週の当社自身、かなり寡兵だったと思います。どの程度の寡兵だったのか、ひとつ数値化してみましょう。

技術部5名について、マンパワーの基本単位を次のようにします。
・入社数年の社員  90単位×1名
・役職者(プレイイング・マネジャー) 120単位×1名
・中堅社員  150単位×3名
これにより、会社としてのマンパワーの総力は、
1日間 = 90 + 120 + (150×3) = 660単位
1週間 = 660単位 × 5日 = 3,300単位

これが当社の、基本的なマンパワーでした。ところで先々月より中堅社員で1名、欠員が出ましたので、このところ次の稼働率がベースになってています。
1日間 = 90 + 120 + (150×2) = 510単位
(1日のマンパワーが 510 / 660 = 77%)
1週間 = 510単位 × 5日 = 2,550単位
(1週のマンパワーが、同じく 77%)

ひいき目に見て「8掛け」で回している昨今です。この上に、今週については中堅社員1名で4日、役職者1名で1日の休業が発生しました。これも反映させて1週間の稼働率を見ますと、
月)90 + 120 + (150×1) = 360
火)360
水)360
木)90 + (150×1) = 240
金)90 + 120 + (150×2) = 510
  →1週間トータル 1,830単位(稼働率 55%)

今週だけを見れば、従来比で55%という稼働率が出ております。
年末、年度末というのはご新規の案件も多いのですが、この稼働率でそのまま新規案件を受付けるのは、もはや無責任の領域と言わざるを得ません。
当社のマンパワー上の態勢を整える。このことが、最優先の社会的責任でしょう。

 
 2022/12/03   (49/52週) 産業保健スタッフの老親介護アプローチ
私事ですが、先月から自宅マンションに老親1名を引き取っています(『要支援1』の実母)。会社で介護経験・同居経験のある先輩方に教わりながら、妻と2人で生活パターンの立ち上げをしています。

自分がこのことに取り組む際、「産業保健スタッフとしてどう取り組むか」という裏テーマを設けました。私ども測定機関は衛生管理者の僕(しもべ)ともいえるポジションですので、いわば産業保健スタッフの端くれ。もしそれを私生活に生かせる部分があるなら、職種の意義も深まる気がしました。

計数化、記録と検証、多面的把握といったところが、産業保健スタッフの持ち味でしょう。それに倣い、とりあえず管理表のフォーマットを1枚作りました。A4版横で1週間分とし、横軸が曜日、縦軸が項目です。

項目は上段を「バイタルチェック」、下段を「QOL(生活の質)」で2大別。バイタルは毎日測るのが酸素濃度・体温・血圧、そして週1回図るのが体重。QOLは、自覚症状・他覚所見、トイレ・食事(量)、外出・交流、テレビ、晩酌・ナイトキャップ、歯磨き・入浴。(QOLのほうは、気づいた点のある時のみ記入するスタイル)
バイタルチェックは本来、時刻を決めて行うべきものですが、私生活なので構えてやると長続きしません。「あ、測ろうか」と気づいたタイミングで行い、時刻を適宜併記するようにしています。
管理表の1週間分が満欄になると、1枚ずつPDF化して自宅パソコンに落としています。医療従事者ほどの緻密さは無いものの、データが蓄積されればおおまかな傾向が見てとれるはずです。

急激に衰えるのではなく、ゆっくりと安定的に衰える(ソフト・ランディング)が、QOLの目指すところと思われます。環境の変化もできるだけ急激にならないよう、好みのTV番組なども尊重。この数週間で、早くも痩せすぎだった体重が回復基調でよい傾向です。コンディションには波があるものでしょうから今後、一喜一憂するでしょうが、産業保健スタッフならではのアプローチをしていきたいものです。

 
 2022/11/24   (48/52週) ヒュームの再測定実施、半年後で1割未満
〜営業部より〜
溶接ヒューム法改正に伴う個人ばく露測定は、昨年度(令和3年度)中に「初回の測定」を義務づけられ、当社でも 38社・71エリア(均等ばく露作業)・143人に実施させていただきました。
その後、今年の令和4年4月〜11月という約半年間で、当社でお請けした「換気等の改善後の再測定」は、2社・3エリアでした。
すなわち、率で見ると会社数で約5%、エリア数(均等ばく露作業数)で約4%の比率で再測定が実施されています。(もともと課題のない作業場も含めた単純割りで、1割に満たない比率)。

再測定の結果は、防護係数の比較ではいずれも改善。ただしこれは「たまたまの改善」かも知れません(※)。いくら換気等を変更しているとはいえ、場の操業状況(・人の作業状況)を全く同じに再現して測定することは困難だからです。(※集じん機のないところに集じん機を導入したのであれば、効果はかなり明確)

報告書へのコメント記載方法(まとめ方)も、初回の測定と再測定とでは若干の使い分けを要するようです。再測定で依然として防護係数が1を超えていても、さらなる再測定が義務づけられているわけではありません。事業場の総合的・主体的・継続的な判断にゆだねる形で、コメントをまとめさせていただきます。

 
 2022/11/01   (45/52週) 全国産業安全衛生大会(福岡)に社長が来場
年に一度、開催地を移動しながら行われる『全国産業安全衛生大会』(主催:中央労働災害防止協会)が本年10月、福岡で行われました。

社長が「こんな近くでやっているのに……」と京都会場に来場できなかったのが2019年。
むしろ遠方である今年の福岡は、意外や来場が叶いました。ちょうど商工会の活動があり、その旅程とうまく絡めることができたのです。

社長が受講したのは、最終日21日の「化学物質管理活動分科会」の4コマです。
●【特別報告】
レーザー・IHによる塗膜剥離工法導入のための作業者リスク(ばく露実態調査)評価
(中災防大阪 東久保一朗氏)

●【1】
化学物質リスク診断で安衛法対応と塗装・洗浄職場の作業環境改善
(ナブデスコ株式会社 棚橋伸二氏)

●【2】
溶接作業における作業環境管理と改善調査〜溶接ヒュームにかかる法改正の考察〜
(カヤバ株式会社 神山嘉千氏)

●【特別報告】
新たな化学物質規制への移行に向けて
(厚生労働省 安井省侍郎氏)

社長の受講の所感は、内容がとても良かったとのこと。また年末にかけて社内でも内容を共有していきたいと思います。

 
 2022/10/29   (44/52週) ラボの分析資材に値上げの余波
当社に分析用の機器や資材を提供していただいている販社さんが2社ありますが、そのうちの1社さんが先週、来社されました。

ご用向きは、値上げの挨拶。紙ウエスを5%アップ、ガラス容器類は20%アップになるとのことです。「ステルス値上げ」ではない対応に感謝いたしました。

当社の扱う測定・計量はお客様にとっては固定費(付加価値のある商品の原価を直接構成するものではないランニングコスト)ですので、国際情勢が厳しければ、むしろ固定費を小さくしていきたいはずです。よって当社は価格転嫁の要請がし易い立場ではありません。

とりあえずできることは何でしょう?
品質(分析精度)を落とさない程度に、紙ウエスの無駄遣いの見直し・ガラス容器を割らないように注意するなど、心がけること。そして物品の仕様・調達ルートについては、現状が妥当かどうかを再点検してみることも有意義でしょう。

また、コストアップの影響度合いを試算する習慣をつけることも大切だと思われます。「こんなにロスがあるのか!」と情報が入れば、われわれ社員の行動も変わり、前述の心がけの動機付けになるでしょう。

 
 2022/10/14   (42/52週) 法律の条文の難解さに親しむ
先日、営業マンの自己研さんとして公害防止管理者の試験にチャレンジしてきました。「大気の2種」という分類のものを受験し、初年度ですので5科目(公害総論、大気概論、大気特論、ばいじん・粉じん特論、大気有害物質特論)を全て受験しました。結果発表が12月にあるとのことで、初年度に何科目の部分合格を稼げるかが楽しみです(あまり少なかったら、初年度でギブアップします……)。

受験準備として、4月から9月の半年間、試験の運営団体「(一社)産業環境管理協会」の主催する通信教育で勉強しました。期間中は課題の添削から質疑応答と、大変親切にサポートしていただけ、幸せな学習生活でした。

教材の理解吸収にあたり、いろいろな経験をしましたが、当初の思い出をひとつ。環境基本法などの法律の条文に親しむ必要があるのですが、その文章が難解なこと。添付の例は環境基本法第22条の2項です(既製品でなく、私が自分用に作ったアンチョコ)。これをパッと読んで、何のことかわかりますか?

画像のように色をつけ、どうにか修飾句の親子関係を整理するのを試みましたが、基本的に悪文のため根本治療になりません。どこが悪文なのか。作家の故・井上ひさし先生のいう「短期記憶」を度外視している点です。

遠い記憶で不正確かもしれませんが、『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(新潮文庫)によりますと、作文においては書き手が読み手に対し、一度に憶えられる量の情報を小出しに渡していき、全体として一定量の情報(要するに、何が言いたいのか)を理解してもらう……、というのが無理のない手順だそうです。その「小出しに渡す」最小単位が、読み手の脳の短期記憶で預かれる分量の情報ということです。

ところが前述の条文の文章ですと、そういった短期記憶として脳に一旦落ち着く前に、次々と情報が押し寄せてきます。これでは情報同士の親子関係が支離滅裂な状況に陥り、読み手が混乱します。

公害防止管理者の受験勉強では、化学反応の式や計算問題など、専門的な内容について行くだけでも受験生の負荷は高いです。そのうえに条文という、たんなる日本語の文章にさえ手間を要していては、ハードルが余計に高くなってしまうのではないでしょうか? 実務上、本当に資格の要る受験者の皆さんのご健闘を祈るばかりです。

 
 2022/09/24   (39/52週) 化学物質にまつわる官製チェックシートを入手
化学物質について、事業所側の自律的な管理を求める規制が順次立ち上がりつつあります。この動きについては、まだ多くの事業所様で「けっきょくウチの工場では何をするの?」「何から始めるの?」「そもそもウチは関係あるの?」という認知度でしょう。

そんな中、北大阪管内では9月20日(火)に全国労働衛生週間実施要綱等説明会(基準協会支部主催、従来でいう衛生大会)が開催され、当社からは社長が情報収集のため受講参席してきました。

当日は労働衛生の諸テーマが扱われる中、化学物質については厚労省の令和4年8月付発行のパンフレットも配布され、解説されました。そこに、事業所の自己点検用のチェックシートのページがあります。チェックシートがもらえると、事業所様は安全衛生委員会などで自社のやるべきことを議論でき、重宝かと思われます。

当社もこれからチェックシートの内容を確認し、作業環境測定の受託先企業様からの問合せ(設問の意味の確認等)に応じられるよう、準備して参ります。また、当社自身の対応力にも限度があるので、然るべき関係先(JAWEや中災防、労働衛生コンサルタントなど)とタイアップして対応させていただくケースも出てくるのではないかと思われます。

とはいえ、「貴社の場合はこの方向性が妥当」などと、業者のほうから答えのようなものを提供していては、「自律的な管理」になりません。したがいまして当社などがアシストできるのは、判断材料を整理することのお手伝いまで。あくまで主役となるのは、選任された化学物質管理者様を軸とした事業所側の活動であると心得ます。

 
 2022/09/17   (38/52週) 同じ化学物質にも善玉的・悪玉的側面が
この10月からの法改正で、酸を扱う作業場を対象に、特殊健康診断の一環で歯科検診(内科医による歯のチェックではなく、歯科医による検診)を行うことが求められ、それにはフッ酸も含まれます。こういう話を聞くと、「フッ素って、歯に悪かったっけ?」と意外な感じがしますね。

練り歯磨きの宣伝では「フッ素入り」が付加価値になっていますが、それは歯の表面の状態維持に関する、プラスの作用。かたや経気的な形(※)で血液にフッ素が入ると、健康障害リスクとなり、そのダメージの度合いが歯科検診でチェックできるということです。(※工業系の作業現場の空気を吸うなどして)

大気汚染という経路でも、フッ素には有り難くない側面が。フッ素に汚染された桑の葉を食べたカイコが、まゆを作らなくなったり、牛など草をよく噛んで消化する反芻動物にも健康影響が出るそうです。つまり今風に言えば、影響を受ける側の都合で「黒フッ素」にも「白フッ素」にもなる、ということです。

同じような感じのものに、オゾン(酸素原子が3つつながった気体の分子)があります。同じオゾンなのに、地表からはるか上空の成層圏に堆積すれば、オゾン層を形成して紫外線を遮ってくれる「白オゾン」。いっぽう我々が生活する大気圏で濃度が高まれば、光化学スモッグを発生させる「黒オゾン(光化学オキシダントの主成分)」となります。

 
 2022/09/10   (37/52週) いまだ黎明期の「香害」測定
今年の前半に2件、法人様より香害(洗剤などの香料をきっかけに化学物質過敏症を発症したケース)に関するお問合せをいただきました。しかしこのジャンルに対する環境系の測定については、決まった型が存在せず、何がしかの提案をするにもアレンジに苦慮していました。

環境系の測定(第三者機関として客観的な証明を行う)には、次の要素が必要です。
・関連する監督官庁がある
・ターゲットになる物質と、規制基準(濃度の数値)がある
・測定方法のガイドラインがある

現状では、せいぜいシックハウス測定と敷地境界臭気の測定を組み合わせたような測定をアレンジしてご提案するぐらいのことしかできず、それでは判定の基準があいまいで、そもそも分析対象物質が妥当かどうかもわかりません。

このような香害について、先週末に新聞に特集記事が出ていたので内容を確認しました。被害のケースが相当あり、支援団体も発足しているとのこと。肝心の原因物質がいまだ特定されていないため、香害の発散源の主に明確な規制をかけにくい、というのが現状のようです。そのため、香料を濫用しないよう、心がけのレベルで啓蒙するポスターを、自治体で発行しているケースも紹介されていました。

当社の業界がお役に立てるのは、残念ながらまだまだ先のようですが、動向を見守っていきたいと思います。

 
 2022/08/19   (34/52週) 化学物質RAを支える部材の相場・流通性は?
事業活動の場において、化学物質に関する「自律的な管理」が求められるようになったことを受け、当社でも従来の作業環境測定の枠組みにはまらないリスクアセスメントの案件が舞い込むようになりました。

その際に問題となってくるのが、検知管や標準物質の価格帯と流通性です。
お馴染みの有害物質であれば、分析に用いる部材のパッケージ単価などが安くなっていますが、現行法規で管理を義務付けられていない物質については、少々勝手がちがいます。金額面だけなら大きな問題ではないですが、その上に分析対象物質が包括的だったり、流通度合い(オーダーしてどの位で入荷するか)が不明だったり……。
不確定要素が重なれば、目的に見合った判定情報が得られるかどうかも不確定となり、測定の実施そのものが見送りになったりします。

そんなわけで、お引き合いを頂くときは喜びとともに、見積回答に苦慮しているのが現状です。それでも「自律的な管理」は今日的な課題。事業所様といっしょに、あれこれ検討させていただき、当社なりの経験値を積んで参りたいと思います。

 
 2022/08/10   (33/52週) 作業映像に期待するテロップ
先日テレビを観ていると、銭湯専門の絵師のかたが紹介されていました。
限られた画材・技法・作業時間で、ニーズに合った作品を深い仕上がりで量産してこられたとのこと。職種や人の希少価値を紹介する、素晴らしい番組でした。

ただ、「脚立を使って塗装作業」を行なう映像が出てきたら、作業者が「ヘルメットと防毒マスク」をつけているものと期待して観るのが、現代の労働安全衛生のスタンダード。それと異なるものを放映する際は、画面の隅に但書きのテロップをつけておけば良いと思います。

※(古い映像であれば)○○年当時の作業映像です。
※窓を開け、換気が充分になされています。
※水溶性シンナーを使用しています。
※脚立の使用時にはヘルメットをつけ、補助者が足場をおさえます。

大胆な作業の仕方を見慣れてしまうと、大胆が大胆でなくなり、危険予知能力が下がってしまいます。テロップは映像作品の「わかり易さ」以外の役割も担っており、視聴者の危険予知能力の維持にも貢献しています。

 
 2022/07/29   (31/52週) 個人面談で得た気づき(社員の感想)
先日、社内の定例的な面談(社員1名ずつで社長夫妻と30分〜60分程度実施されるもの)を受けさせて頂きました。

そのなかで、人間の持つ「常識」は人によって違う(自分以外の人が間違っていると決めつけたものではない)ということを教わりました。これをきっかけに、私も自分の常識について、点検してみることにしました。

我がコモン・センス(共通の感覚→常識)は、世間の何割ぐらいの人と共通する感覚なのか。それを考える上で、この要素は大きいのではないか? というものを発見。それは、労働組合を介した労使関係の経験です。

以前の勤め先3軒のうち、2軒には労働組合があり、活発かどうかは別にして基本的な活動が行われていました(賃上げ交渉・一時金交渉・年間休日の獲得などと、その準備としての組合大会・職場会議)。その中で、私は3つの立場を経験しました(一般組合員・組合側の職場委員・会社側の一般社員)。

ここでの経験で、「労使で信頼関係を結ぶための基本姿勢」というものが身に付いたようです。
・脈絡のあることを言う(基礎情報とその経緯を踏まえていること)
・色々な立場・観点からの意見に対する理解を示した上で、落とし所を主張する
・双方が、支え合う運命共同体であることを常に念頭に置く

この姿勢を労使関係以外のいろいろな関係(社内の日常生活や社外との関係、あるいは仕事以外の関係)にも応用するなかで、自分の習慣化した思考パターン・行動パターンを「社会人同士の信頼関係のためのプロトコル(共通言語)」だと思うようになっていったのではないでしょうか。

ところが、世の中の会社は労働組合のある所ばかりではない。近年の組織率は2割を切っていると言われています。さらに形式的な組合(組織内に居ても実感の伴わない組合)を除けば、1割前後とみることができ、その会社の中でも私のように世話役までを経験する人ばかりではありません。

このように比率を追っていくと、私の「常識」は世間の5〜10%ぐらいの人と共通する感覚、ということになってきます。とてもじゃないがコモン・センスにはほど遠く、マイノリティーのほうが近い表現なのかもしれません。

今回、個人面談で自分の常識を数値化してみることができ、大きな気づきとなりました。自分のプロトコルに価値が無いとは思いませんが、「たまたまお役に立てば、これ、幸い!」ぐらいのスタンスが妥当なのでしょう。

 
 2022/07/23   (30/52週) 点滴スタンドの未来形
当社では定期健康診断後、結果のフォローとして大腸内視鏡検査に進む人が、1年おきに1名程度の頻度でみられます。今年については私(営業員)を含めて2名あり、いずれも1泊入院コースでフォロー完了となりました。

私個人としては、病棟(入院患者の生活する一角)で過ごす経験は約20年ぶりで、運営の仕組み・医療スタッフ・機材、いずれの面でも新鮮味がありました。

人から新鮮味を覚えたのは、若い医療スタッフの皆さんが、頼もしくお世話して下さることです。世の中を質・量ともに回している青年期・壮年期の世代を「若い」と感じるのは、自分がそれだけ齢をとってきたということ。折に触れてそういう実感を持つのは(順調に、安定的に加齢する上で)大切なので、良き機会をいただきました。

機材の面で隔世の感があったのは、点滴スタンドです。足の数の変化と、動力の追加がみられました。
約20年前にお世話になった病院では、4本足か5本足の点滴スタンドを見かけました(※現在でもネット検索すれば、3本足〜5本足が主流)。それが先日入院した病院では、6本足になっていました。
そして、動力(100V電源/携帯時はバッテリー)もついていました。

動力ユニットの仕事は、次のことを病室で行うことです。
・患者の状態に合った点滴スピードを維持する。
・輸液バッグが空になった時に、アラームが鳴る。
・異常時(スピード調整不能時など)にアラームが鳴る。

アラームが鳴り続けると、同室の患者仲間に迷惑なので、ナースコールを押して看護士さんを呼びます。昔はナースコールを押すのは(なんだか弱虫男のようで)気恥ずかしかったのですが、押さずに済ませられないので、ためらいなく押せます。コロナ禍で病棟に家族が入れないので、「ナースの詰め所に言ってきて」と頼める身内も居ません。病院側も巡回頻度を節約できる分、呼ばれたときの対応に専念でき、機材のメリットがあると思われます。

今後、さらに点滴スタンドが進化するような気がします。こんな未来形のものが出現しないでしょうか?
・アラームは病室で鳴るのではなく、有線で発報してナースの詰め所で鳴る。
・病棟の外にいる家族と、点滴スタンドを介して話ができる。
・その他、いろいろとスタンドがロボット化していく。

 
 2022/07/16   (29/52週) 出張で持ちこむ電工ドラムの仕様
先月の終礼で、作業環境測定に伺った官庁系のラボで、「その電工ドラムには漏電ブレーカが付いていませんね。次回から付いたもので作業願います」とのご指導があったと報告されました。もともと技術部の心がけとして、官庁系の現場には漏電ブレーカ付のドラムを使用しており、今後もそう徹底するよう確認し合いました。

当社の保有する6台の電工ドラム(延長コードが巻き取れるもの)のうち、漏電ブレーカが付いたものは2台。また、内蔵ではなく外付けの漏電ブレーカ(※)を2台ほど持っています。(※製造現場のコンセント孔と合わない場合あり)
当社の場合、1日に3チームが同時に動くことはほぼないため、装備はこれで充足していると判断できます。

あとは、漏電ブレーカの付いていない電工ドラムを保有し続ける意味はあるのか? という点を考えてみたいと思います。そもそもこの「漏電ブレーカ付きのものを」というのは、何のリスクに対する備えなのでしょうか?

◆労働安全衛生規則 第333条第1項(漏電による感電の防止)
事業者は、電動機を有する機械又は器具(以下「電動機械器具」という。)で、対地電圧が百五十ボルトをこえる移動式若しくは可搬式のもの又は水等導電性の高い液体によつて湿潤している場所その他鉄板上、鉄骨上、定盤上等導電性の高い場所において使用する移動式若しくは可搬式のものについては、漏電による感電の危険を防止するため、当該電動機械器具が接続される電路に、当該電路の定格に適合し、感度が良好であり、かつ、確実に作動する感電防止用漏電しや断装置を接続しなければならない。

すなわち、作業場に思わぬ形で電気がまわり、洋画『ノイズ』のように人命に関わる事態になることを想定しての規制だと思われます。であれば、条文に記載の条件が揃わない場面では、漏電ブレーカ付きでない電工ドラムにも出番があると解釈できます。
出張先のローカル・ルールに従うことは入構業者として大前提ですが、ひとまず処分せずに資産として持ち続けても良さそうです。

 
 2022/06/24   (26/52週) 営業部の単独下見案件がそこそこ集中
この6月は、営業見積のための下見で客先へお邪魔することが6件ありました(繁忙月ということもあり、すべて技術部員の帯同なし)。

・照度測定(事務所部分および工場内)
・管理濃度のない成分の洗浄剤に対する、化学物質リスクアセスメント
・定期の作業環境測定に追加する作業場の確認(粉じん)
・定期の作業環境測定に追加する作業場の確認(騒音)
・2液性の混錬作業で、特化物ばく露が発生していないか確認する臨時測定
・ISO14000を維持するための、臨時の環境振動測定

それぞれのお会社から引合いをいただいた営業部は、現場にお邪魔し、見積に必要な情報をスケッチさせていただきます。
(その際、正式受注後に社内指図書の内容が行き届くよう、できるだけ野帳に近い詳細さを心がけます)

スケッチをする際、一発で清書レベルのものを作れる人と、とりあえず殴り書きして帰社後に清書を要する人がいます。私は後者なので、下見を2軒はしごした日などは「清書待ちの殴り書きスケッチ」が滞留してきます。

「清書待ち」の滞留は、2軒が限度です(3軒もためると、記憶が薄れてきて再現できない)。清書していく際のコツは、古いほうでなく新しい案件から処置すること。臨場感の余韻が強いものから片付けたほうが、落ち着いて消化できるからです。

 
 2022/06/18   (25/52週) テレビ報道の表記、濫用なのか乱用なのか
先週末、久しぶりにテレビ報道で「乱用」表記をみかけました。
「優位的地位のらんよう」。この固い表現は、私にとっては下請法(下請代金支払遅延等防止法)で馴染みが深く、そこでは優位的地位の「濫用」と表記されていました。川のはんらん(氾濫)の、濫ですね。

乱用と濫用のニュアンスのちがい/(例)ウスターソース

●焼きそばを作る際、ソースを入れ過ぎる場合
  →ソースの濫用(用途は合っているが、度が過ぎている)

●色々な料理に、無差別にソースをかける場合
  →ソースの乱用(用途が合っていない。かつ度が過ぎる場合も)

前者が行為の「量」のみについて問うているのに対し、後者は「質」まで問うています。当社の業務で言えば、定量分析と定性分析の関係に似ています。

 
 2022/06/04   (23/52週) 環境基本法とSDGsの環境項目、どちらが本家?
環境基本法の第10条で、6月5日を「環境の日」と定めています。
当社では、11月1日の計量記念日はポスターを社内掲示しますが、「環境の日」のほうは特段何もせず、行事としては意識が薄いです。

当社の業(なりわい)は、法に基づく量の番人、といったところですが、関わる法体系としては、次のものが該当するでしょう。
・環境基本法と計量法の交わるところ(公害関係)
・労働安全衛生法(事業所内の安全配慮関係)

日本の環境基本法は、その前身である公害対策基本法(1967年制定)をもとに、1992年にブラジルで開催された地球サミットの趣旨を反映し、1993年に制定されたものです。その内容には、「環境負荷」・「地球環境保全」・「持続的発展」等、現在のSDGsで問うている環境意識の要素がすでに含まれていました。

誰が環境に取り組むのか。国、地方公共団体、事業者、国民と、主役となる各チャンネルが規定されています。現在のグローバルな環境意識が、2015年採択のSDGsから突然始まったものではない……ということは、にわか仕込みでない方々であれば当然にご存知のことでしょう。

 
 2022/05/28   (22/52週) 船を水中でえい航する際の流体力学的な負荷
さる4月23日に起きた、遊覧船が乗客・船員を乗せたまま知床半島で沈没するという痛ましい事故にともない、発見された船を海底から運びあげる作業が連日報道されてきました。
そのなかで、サルベージ船の傍らまで引き上げた船を、えい航中に再び海底に落としてしまう、というハプニングが発生。水深の浅い海に移動してサルベージ船上に引き揚げよう、というリスク回避の行動が、新たに別のリスクを生んでしまった形です。

あらためて考えると、海すなわち水という流体は、気体よりもはるかに粘性のあるものです。全身が流線形でもない「船」という物体を、水中に全部沈めた状態でえい航すれば、吊り具(や支持材)に大きな張力がかかるのは容易に想像できます。また海流も伴って吊り具が翻弄されれば、強度面での疲労も生じることでしょう。

再トライ時には、引き上げた船をサルベージ船に「横抱き」にし、すなわち船底の流線形の部分のみを海につけてえい航。吊り具も揺れず、これで理にかなった形になっていますね。

さまざまな専門分野のチームが関係者となって、取り組んでおられたと思います。慎重を期した配慮から立案されたオペレーションの中に、「船を丸ごと水中でえい航する」という工程に対しては、カバーすべき専門分野に空白地帯が生じてしまったようです。

「誰にとっても専門外」という要素が、オペレーションの中に潜在していないか。そのことを洞察するために、2つの素地が大切かと思われます。
・(専門性の低い)管理部門や責任者も、当事者意識をもって携わること。
・専門業種・専門職種の人は、自分の対応力の限度を見極めていること。

そして3つめの素地として、両者がオープンに打合せの出来ることが勿論大切。「のり代」の「代(しろ)」というように、互いの受け持ち範囲に「重なり代(しろ)」があるのが良いです。

 
 2022/05/06   (19/52週) 「許容濃度等の勧告」とオイルミストの扱い
(公社)日本作業環境測定協会(JAWE)の機関誌『作業環境』の1月号に、日本産業衛生学会が約1年前(2021年5月18日)に更新した『許容濃度等の勧告(2021)』が掲載されました。
これは物質ごとに許容濃度がズラリと並んだ表です。作業環境測定の管理濃度を設定する際にも参考にされている基礎データなので、安衛法の動向を先読みするべき読者のためにも、掲載されているようです。

この資料を見て、まず当社が目で追って確認したのは「鉱油ミスト」の項。結果は、許容濃度が依然として3mg/立米で、1977年の提案年度から変更がなされていませんでした。

現代(〜2022年)の製造現場では、切削加工などで発生するオイルミストの対策ニーズが取り上げられており、当社にもご相談をいただくケースがあります。ミストコレクターなど対策上の機材や、現状把握用の簡易計測機なども充実してきているようです。

現状、「オイルミスト」という性状をとらまえて、安衛法上の管理濃度というのは設定されていません。かたや溶接ヒュームはマンガンの含不含を問わず、性状をもって特化物扱いとなりました。健康障害の統計値(因果関係)が無い場合と、有る場合とで扱いに差が出るということなのでしょうが、両者がフェアな判定であることを祈ります。

 
 2022/04/29   (18/52週) 「社食ロス」から得られるもの
社員食堂における食材ロスの話題ではなく、「社員食堂から縁遠くなることによる損失や喪失感」、にちなんだ話題を少し。

昨年、溶接ヒュームの個人サンプラー装着者を対象に、メンバー表のご提出をお願いすると、昼休憩が職場ごとに異なるお会社がけっこうありました。コロナ禍に社員食堂で密にならないよう、分散喫食を実施されていたようです。このこと自体は立派な対応なのですが、目に見えないコミュニケーションの抜けが派生していることも懸念されました。
(以下はまったくの推察ですが)たまたま食堂で他部署の人の顔を見たときに、「明日のあれ、よろしくね」といった、念押しの声掛けができない。いっぽう当社の受託業務でいえば、排ガス測定の当日ドタキャンの事例が、(異なるお会社で)5件ほども発生している。
両者を関連づけるなら、社食でのコミュニケーション機会の減少がもたらす損失=「社食ロス」とでも呼びたくなる現象です。

またいっぽう、春は別れの季節。定年退職で、昼になったら社食に通う生活が途切れる人もいるでしょうし、シニア世代でなくても転籍や再就職となり、社食のない環境に移ってこられた人もいるでしょう。その際、(心情的にも金銭負担的にも)自分は今までどれだけ社食に支えられていたか……を痛感するケースも多いと思います。こちらも、社食にまつわる喪失感として、「社食ロス」と呼びたくなる現象です。

しかし、そもそも社食から縁遠くなることはデメリットばかりでしょうか?(給食事業をなさっている企業にとってはデメリットしかないとしても、)食堂を利用する側の受け止め方としては、どうなのでしょう。

縁遠くなってから5年半経った私の経験で言うと、むしろ得るものがありました。
食堂がなければ飲食店に通うも良し。コロナ禍でコンサートにはなかなか行けないご時世ですが、小さいお店で老夫婦が目の前で調理や接客に奮闘しているライブ・パフォーマンスを観ながら食事をするのも、すごく励まされます。お店の人と会話をすれば、地元の情報も入ってきます。私は今のところ料理をしませんが、当社には弁当男子もいます。食育の観点からみても、こういった環境が必ずしも社食に劣るとは言えないのではないでしょうか?

社食のあるお会社では、もちろん社食が以前のように復活することを願いますが、人というのは色々と適応していけるもののようです。あとは確実に抜けてしまった要素(コミュニケーション等)を補っていくために、知恵を絞っていく。それも得難い経験なのかもしれません。

※添付の美松軒(みまつけん)は、当社従業員がたまに訪れ、私も週1回のペースで通う近所のお店。若い頃にホテルで洋食の修行をしたマスターが、(厨房機器の初期投資額を勘案して)中華に転じて開業なさったのが52年前。今もご夫婦で元気に営業しておられます。日替定食が私のお気に入り。

 
 2022/04/15   (16/52週) 安衛活動の1丁目1番地は「協力」
労働安全衛生法では冒頭の第三条・第四条で、「会社は国の施策に協力せねばならない」・「労働者は会社や関係者の措置に協力するよう努めねばならない」とあります。では、労働者が「協力」するとは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか?

当社なりに解釈すると、次のようなことと思われます。
「労働者は作業主任者に協力し、作業主任者は衛生管理者(安全衛生推進者)に協力する」。

私ども測定機関は、事業所の作業主任者様と並んで、自分たちを「衛生管理者様の僕(しもべ)」と心得ています。

ところが、組織のうえでこのような関係性の意識(マインド)のない状態ですと、何が起こるでしょうか? それは、管理部門様が疲弊するということです。
職場リーダー様から「うちの管理部門は、俺たちの仕事がやりにくくなるような邪魔ばかりする」といった受け止め方で応対されると、管理部門としては「では納得できるよう、専門性を深めて説得せねば」という発想になります。その延長で、より理論武装するために測定機関から(想定問答の)レクチャーを乞う、という展開になったりするのです。

私ども自身は、知見を頼りにしていただけること自体は本当に嬉しいですし、場数を踏む意味で勉強の機会になります。しかし管理部門様が残念な形で疲弊することは本意ではありません。

職場リーダーの方々にはぜひ、「協力」というキーワードを心にとどめていただき、結局は自分たちの健康障害防止に動いてくれているのだな、という感謝の姿勢をベースに持っていただけたら良いなと思われます。そのリーダーの姿勢が労働者の協力姿勢にも波及すれば、生産実務そのものも実を結ぶようになる。それこそが目指すべきところではないでしょうか。

 
 2022/04/09   (15/52週) 学びの春、他流試合の春
溶接ヒュームで創意工夫の連続だった生活がひと段落し、春を迎えました。心機一転、社内の各人に学びのムードが見られます。

当社の規模で教育・訓練といえば、外部講習会による技能講習を修了するというパッケージが典型です。そのほかに資格を取ることを念頭においた独習・準備講習会の受講・通信教育の利用などがあるでしょう。

また勉強の扱いとしては、社命により取り組むケース・会社が奨励するケース・社員からの自発的な申し出を会社が追認するケース等があり、ほかにもプライベートで取り組む「自己研さん」というものもあります。

技術部員からは今年、資格にチャレンジする話を3、4件ほど耳にします。営業部の私も、自己研さんで通信教育を利用することにしました。教材は公害防止管理者(大気第2種)の受験を目指すもので、資格認定の主宰団体である(一社)産業環境管理協会が運営しているものです。

ふだんの職務範囲・これまでの職務範囲と少しちがうジャンルで、他流試合に臨み、そのことで本業の専門性に磨きがかかれば幸いです。
ただ社会情勢が不安定で、勉強どころではないご時世ともいえます。したがって状況をみて学びを中断する勇気も要るでしょう。(と同時に、このご時世だからこそ、学びが貴重な気分転換になるかもしれません。)

 
 2022/03/26   (13/52週) やりとりのテンポ感のエチケット
電話・メールの往復で測定日程を擦り合わせる際、その案件が直接取引なのか、元請け様を介した間接取引なのかによって「やりとりのテンポ感」を変えるべきです。
将棋の対局のイメージでたとえるなら、間接取引の持ち時間は4分の1、すなわち直接取引が一両日(足かけ2日間)で良いのなら、元請け有りの場合は半日。少なくとも営業部としては、そのように弁(わきま)えています。

「テンポ感・4分の1エチケット」には、次の背景があります。

◆やりとりの回数の差
直接取引と間接取引とでは、(やりとりにロスが無かったとしても)数の差が2倍あり、しかもそこに「相手方不在」「逆提案・再確認」などのロスがついて回ります。局所排気装置でいう圧力損失のようなものが加味されるため、差は2倍では収まりません。

◆仕事の意味合いの差
元請け様は、事業所様とのやりとりを「早く(間延びせず)」・「正確に」行なうべき立場です。なぜなら元請け様にとって、測定は受注して提供する「事業」だからです。いっぽう事業所様にとっての測定(作業環境測定や環境計量測定)は、関連法規に基づいて行うものの、やらなくても即事業が止まることがない「自主活動」。測定を受託する当社からみて、それらは(どちらがシビアかという意味ではなく)シビアさの種類が異なる世界なのです。

世界が異なる以上、案件ごとに頭を切り替えて対処する必要があります。現地到着時刻のシビアさについても、同様です。

 
 2022/03/12   (11/52週) 産業保健スタッフに求める「分類」リテラシー
専任・兼任によらず、企業における労働者の健康保持に従事する人の総称が、産業保健スタッフ。もっとも軸となるのは(社外側では)産業医、(社内側では)衛生管理者になるでしょうが、そこから関わりを拡げていけば、安全衛生委員会の委員や検診結果を集計する事務方の人、そして(産業医と連携する)検診業者もそこに連なるといえます。

近年、当社の測定受託先様からこんな問合せをいただくことが増えました。作業環境測定の結果報告書を見て、「この結果をどう受け止めたら良いのでしょうか?」「このあと、何をすれば良いのですか?」
私は前職で衛生管理者の実務を20余年やってきましたが、(基準協会や中災防に相談することはあっても)測定機関に対してそのような質問をした憶えがありません。測定機関とは、あくまで判断材料の1つ(実例サンプル)を提供する立場であって、意思決定に関して問い合わせる先ではない、と思っていたからです。
(ただ近年においては、法改正が重なる中、測定機関も助言を担うべしとの業界認識になりつつあり、それ自体はお役に立てる機会として喜ばしいことです。)

産業保健スタッフの中心的な位置におられる方々には、主体的な活動のために「リテラシー(知識や情報を有効活用できる能力)」のようなものが備わってほしいと願います。それは何かというと、分類に関するリテラシーです。

世の中には厳格な(単純明快な)分類と、目安の1つとしての分類とが存在します。「どの程度の判断材料をもとに、なぜ分類するのか」というところをすっ飛ばして、全てを厳格な分類と受け止めてしまえば、「指針値から外れた。すわ一大事!」「どうしたら良い? 判定の主である専門業者に判断のたたき台まで提供してもらおう」という思考回路になるのかもしれません。

最近発刊された図書『発達障害「グレーゾーン」』(岡田尊司著/SB新書)を読むと、専門的なこと以前にとにかく「分類」することに対するこだわりから解放されるような読後感があります。

本書は、「自分の心にハンディキャップがあるかもしれない」と思って受診しても(健常レベルだとして)診断名がつかず、それでも続く生きづらさの根拠がわからない人を、メイン読者に想定した内容です。本のタイトルを見れば、グレーゾーンという表現を提示することで「分類の精度を上げる」ことを提唱するのだと予想しましたが、その読後感はまったく違います。

最終章の見出しに「診断名よりも特性が大事」とあるように、著者の真意は「分類の表ヅラは、あくまで表ヅラ」ということです。そして特性とは特別な性質を指すのではなく、「性質上の特徴(傾向)」のこと。これは私のたとえですが、マンセル記号でいえば、1つの色を構成する3要素のパラメータの状態が「特性」にあたります(すなわち、色見として分類する主観的な評価から独立したもの)。

(220頁より引用)近年、発達の特性は、障害ではなくニューロダイバーシティ(神経多様性)として理解されるようになってきている。

これは本書に対する私の理解ですが、特性を自他ともに認識すること(『病識/びょうしき』ならぬ『性識/しょうしき』とでも言いましょうか)、それが実現すれば、効果的な療育の機会が増え、生きづらさに陥るケースも激減するでしょう。また本人の生きづらさのみならず、本人が引き起こす周囲の人の生きづらさ(カサンドラ症候群など)も起きず、パワハラに代表されるようなハラスメントの発生も激減するのではないでしょうか。

分類方法というものは、科学の進歩にともなって移り変わるでしょうが、その背景にある特性に軸足を置いて理解を深めておけば、思ったほどあわてることもない。産業保健スタッフの仕事においても、「分類」との距離感をそのようにすることで、腰が据わってくるではと期待いたします。


 
 2022/02/26   (09/52週) 官庁顧客で打合せメールに進捗表示を賜る
D市役所のご担当職員のSさんは、委託案件の実施期間中に業者と交わす電子メールのやりとりに、最近ある工夫をされています。それは、メール本文の末尾に進捗表示を添えることです。

委託案件(期間限定のプロジェクト業務)の、工程(直線的な把握で済む程度のもの)の全体像を列記し、「このメールのやりとりは、そのなかの『ここ』の工程の話ですよ」という風に、現在地のナビを添えてくださるのです。

この手法、受託側企業の営業員である私が初めて拝見したとき、なにか膝を打つような感動を覚えました。とても簡単な心がけなのですが、業務の進行上の行き違い・思い違いの発生を防ぐのに、さりげない支えとなる気がしたのです。

こんなナビ表示に今回限りでお別れするのもったいない。「当社の他の業務でも、真似して活用させていただいて良いですか?」とお聞きしたところ、(おそらくご発案者であろう)Sさんは快諾して下さいました。

オリジナルは、記号に○と◎を使ったシンプルなものです。私としては、後追い的に書類等を補充することも想定し、(○●◎を駆使して)消し込み要素を盛り込むとか、載せる位置もメールの末尾でなく、冒頭はどうだろう……と使いこなす夢を膨らませています。

ただ、あまりマニアックな表記をメール本文に載せると、取引先の方々も面くらうでしょう。けっきょくオリジナル・バージョンが、品よく妥当なところかもしれませんね。

 
 2022/02/19   (08/52週) 徒労感のないスケジューリング
ここ2週間の当社の出張活動は、「ついでが充実」していました。場当たり的な「ついで」ではなく、事前に計画した「ついで」です。

先々週の例。
当社から高速道路で行く府内湾岸部の工場様で、溶接ヒュームの個人ばく露測定を行いました。ご新規様からの受託でしたが、その所在地が作業環境測定を受託している既存顧客の1社様から、歩いて行ける位置にあります。これらを同じ日に組ませていただくことにより、測定チームの拘束時間ならびに高速道路の料金をスリム化させていただけました。

先週の例。
近隣他市の工場様へ、営業員が個人ばく露測定の下見に伺いました。あらかじめ所在地を確認すると、官庁から落札し実施中である環境騒音測定の測定地点(道路に面しない公園)の1つから、歩いていける距離のところです。早めに現場に向かうことで、同じ営業員が機材の動作チェックも代行することができました。

当社が依頼者様に提供する成果物は、報告書(測定結果報告書や計量証明書)です。現場での測定・採取の作業(通称・『そと』)のあと、ラボに持ち帰っての分析・集計作業(通称・『なか』)を経て、報告書が完成します。それらを各人が兼務しつつ、労働集約的に消化しています。
したがって、限られた人数が「そと」にあまり手間取っていると、「なか」が手薄になり、日程納期がドミノ倒し的に破綻してきます。

段取りに工夫が足りず、「今日は、こんなことをしている場合じゃないのにな……」と思いながら仕事をしていると、もともとタイトな日程に加えてミスを誘発しやすい状況になってきます。

労働安全衛生(労災や健康障害の防止)、というと専門的な印象がありますが、それ以前にまず「徒労感のないスケジューリング」に想いを巡らせるだけでも、労働安全衛生の活動になっていると思われます。そしてその質は、管理職・管理部門も一緒になって想いをめぐらせているか(当事者意識の共有)にかかっているのではないでしょうか? 管理職・管理部門にとっての「そと」と「なか」にも偏りがないよう、工夫の余地があるでしょう。

 
 2022/01/29   (05/52週) 凪のような木曜日を授かる
先週の私(営業部員)は、難しい見積作業を抱えて社内勤務に終始しました。
これをやり遂げるため、同僚が外出を何度か代わってくれたり、職場にも協力してもらえました。そして木曜日が作業の大詰め。ただ木曜日というのは、電話応対などで他の曜日に比べて3倍ぐらいバタバタし、とても頭脳労働のコンディションは望めません。

ところが、先週についてはどういうわけか、いつもと打ってかわって静かな木曜日だったのです。会長夫妻も事務所で協力して下さり、お蔭様で週末までに作業完了のめどが立ちました。

スケジュールがなし崩しにならずに済んだ手応えを感じつつ、会社の最寄りの食堂「ようき」へ昼食をとりに行きました。新調されたのれんが、小春日和の陽を浴びてものすごく語りかけてきます。マスターに了解を得て、ちょっと撮影させていただきました。聞けば、お店のご親族に裁縫に慣れた人や、手芸の達人がおられ、おかみさんの前掛けやのれんに至るまで、ご親族の手作りだそうです。このお店も私と同じように、身近な人や見えない諸々のことに支えられて運営されているのだな……と感じました。

 
 2022/01/22   (04/52週) トンガ津波被害をKY(危険予知)の題材に
トンガで起きた噴火の影響で、日本沿岸にも1メートル前後の小さな津波が押し寄せ、20数隻の小型漁船が転覆・沈没したと報道されました。このことは先週、当社の朝礼でも話題になりました。

解説記事によると、潮位が上がったタイミングで浸水の始まったケースでは、船尾と錨(いかり)を結ぶロープの長さの不足により、船尾から浸水がはじまったと推察されるとのこと。労働災害を検証する際、作業者の身体を直接傷つけた物体のことを「起因物」と呼びますが、この災害の起因物は錨だったということです。

私どもは船舶について素人ですが、錨とは「舟が(水平方向に)流される」ことを防ぐ、危機管理グッズのはずです。そのグッズが上下方向においては、このたび災害の原因を作ってしまった。この事実には船舶関係者でなくても学ぶところがあります。「舫い(ロープ)の遊びを何メートルまで持たせておけば、何メートルまでの潮位の変動に対応できる」など、数値的な目安にもとづいて運用すべきでしょうが、はたして私ども自身の現場でも同じことが出来ているでしょうか?

製造現場でも、安全のための機器や保護具が、逆に災害の起因物になってしまわないよう注意したいものです。それは使い慣れない最新型のものだけでなく、錨のような古典的グッズであっても例外ではありません。

 
 2022/01/15   (03/52週) ヒュームコレクター先端の「取っ手」
昨年は4月を皮切りに、溶接作業現場をたくさん見学させていただきました(溶接ヒュームの個人ばく露測定のため)。その終盤となった年末、あるお会社で1人の溶接工さんの作業姿勢を拝見し、同行した測定員とともに深い感銘を受けました。

スポット吸引を行うタイプの集じん機(ヒュームコレクター)の前で、定盤の上にワークを置いて板金溶接を行うのですが、その溶接工さんは、溶接位置(アークを発生させる位置)にダクトの終端をしっかり近づけて作業をなさいます。まずこれだけでも、心がけが良い感じです(外付け式フードの局所排気装置に準じて考えると、開口面からダクトの直径ほども離れた時点で『局所排気』の限度付近となるため)。

さらに心がけが良かったのは、ダクト終端の取っ手を「ひんぱんに手で触って位置を補正しながら」加工する点です。

その加工物は長いビードを肉盛りするものではないのですが、同じワーク上に3か所ほど溶接位置が点在します。1つめの溶接位置が終わると、体を移動し2つめの溶接位置で構えます。そしてアークを発する直前に、(加工物を見たまま)片手で取っ手をたぐり寄せ、この位置でもうんと近接させるのです。その素早さたるや、ロックミュージシャンが舞台でマイクスタンドをたぐり寄せるような、素早く正確な動作でした。

会社で支給された労働衛生の設備を「本当に使いこなすには、自分はどのような作業をすれば良いのか?」というご本人の探求心が、見事に作業動作となって結実していたのです。採取し終わった個人サンプラーのろ紙が、真っ白だったのは言うまでもありません。

ジャバラのダクトは、蛇腹ゆえに「自由な位置取りに変えられる」のですが、1日や半日に1回程度の調整頻度なら、わざわざ取っ手までつけておく必要もありません。
集じん機メーカーとしては、ダクト終端には耐熱性の部材をつけたい。であればその形状は(必要排風量を節約できる)フランジ形状を兼ねたものにしておきたい。さらには形状が取っ手も兼ねておれば、理想的な使用方法が可能だ……というふうに、設計が仕上がっていったのだと推察されます。

いずれにせよ「頻繁にさわってこその取っ手」ですね。

 
 2022/01/02   (01/52週) 『場内受入れポリシー確認票』を草案中
〜草案の文面より〜


◆ご挨拶
私どもは、3つの品質精度に取り組んでいます。
(1) サンプリング精度(的確な検体採取)
(2) 分析精度(含有率などの的確な割り出し)
(3) それ以外の精度(現場入場方法や報告書ご提供などの的確さ)

このたび、(3)のうち現場への入場方法について、既存顧客の皆さまへ確認をさせていただきます。

◆確認の目的
次のようなミスマッチを防ぐためです。測定のための現場入場に際し、
イ. ご担当者様からみて、「申し合わせた時刻(※後で詳述)に測定業者が来てくれない」。
ロ. 現場の作業長様からみて、「ある日突然(※後で詳述)、測定業者が入場してきて操業に影響を及ぼす」。
ハ. 測定業者からみて、「ご担当者が交代されたタイミングで、今までOKだった入場方法がNGとなる」。

◆確認の結果、把握できること
【概要把握】
【詳細の把握および提案】

◆概要把握
【ポリシーの把握】
工場(事業所)内に、業者なりを受け入れる際、そこでは「何に重きを置いておられるのか」をまず概要的に把握させていただきます。(段階:とくに意識せず/いちおう重視/強く重視)
イ. セキュリティー
  どのように入場者を受け入れるかによって、不審者の侵入・情報漏えい・病気の感染などのリスクを回避している。

ロ. 操業ロスへの影響
  どのように入場者を受け入れるかによって、生産活動に手待ちやロスが発生しないようにしている。

ハ. 場内での安全
  どのように入場者を受け入れるかによって、入場者ならびに事業所従業員の怪我や健康障害が起きないようにしている。(その一環で、場内での行動範囲や着用保護具なども具体的に規定。)

ニ. 周知徹底(社内コミュニケーション)
  従業員が、「あの業者は何のために入場しているのか?」と感じて混乱しないよう、場内での行動予定をあらかじめ通知するようにしている。

【操業スタイルの傾向把握】
受入れる工場側の業態によって、「あらかじめ測定業者の入場時刻がはっきり決まっているほうが都合良い」場合や、「ロット物の加工の終了時刻が読めないので、だいたいの時刻に入場してもらい、ロットの切れ目から測定してもらえば良い」場合などがあります。おおよそ、どういう傾向なのかを確認し、ご担当者様・現場の作業長様・測定業者、これら3者間の共通認識としておきます。

◆詳細の把握および提案
【詳細の把握】
時刻の定義・段階編。「○○時からやりましょう」という際、それはどの段階での時刻を言っているのか。(次の例:(1)と(5)とではミスマッチが生じる)

(1) 事業所に入門(守衛)
(2)  〜構内を移動中〜
(3) 測定する作業場に到着
(4)  〜測定の支度〜
(5) 測定を開始

時刻の定義・公差編。「○○時から」と申し合わせた時刻は、その公差がプラス目なのか、マイナス目なのか。
イ. プラス目(○○時ジャストか、少し後)
   例:昼食後にミーティングがあるので、早めに来られると煩わしい。
ロ. マイナス目(○○時の少し前からジャストにかけて)
   例:現場は測定のために、実作業をとめてスタンバイしている。

【提案】
日時の(打診ならびに)最終確認について、どのような形態を採用するか。(/前任者様はどのような形で通達なさっていたか)
イ. 測定業者と担当者様との間で行う。(電話やメールなどで)
ロ. 測定業者が、FAXの様式で日時を回答し、担当者はその紙を現場の作業長に回すスタイルをとる。(ワン・ライティングで行き違いを防ぐ)


―以上のような内容を念頭に、「場内受入れポリシー確認票」を検討しております。(ちなみに測定の受託に元請企業様がおられる場合、「ご担当者様」は、元請の営業担当者様になります。)
冒頭に挙げた3つの精度は、どれが欠けても当社の総合評価をおびやかすことにつながるので、このような「何を今さら」的な確認にも、新鮮な気持ちで取り組んで行きたいなと思います。

 
 2021/12/26   (52/52週) 2021年・当社のレビュー
当社がこの1年、どんな操業環境(土俵)で、どんな事業案件に対応したか(相撲内容)を振り返ってみたいと思います。

◆土俵(操業環境)
【ハード面(機材運用の制約など)】
分析室の床ならびにスクラバ施設の設置床に対し、リニューアル工事を行いました(3月〜7月)。GC-MS(ガスクロマトグラフ)を更新しました(4月〜6月)。粉じんの個人サンプラーセットが7台体制になるまでのつなぎに、レンタルを利用しました(5月)。

【ソフト面(工数負荷・創意工夫)】
溶接ヒューム法改正・初年度への対応。25社・計45エリアに対する個人ばく露測定を実施しました。4月〜12月の9ヶ月間で、月平均5エリア(のべ10名の溶接作業者へのサンプラー装着)をこなす消化ペースでした。
大阪労働局の定期立入り(9月)。新社長が就任してからの初回でした。これを機に、営業部では作業環境測定で定期取引のある顧客の、業種分類と分布状況の把握を立ち上げました。
建築現場におけるシックハウス測定の案件集中(1月・2月・8月・10月・12月)。全6社中、2社が新規。合計の現場数が23室ありました(うち1室がアクティブ法)。

【ハプニング(臨時対応など)】
一昨年購入のH-V(ハイボリウム・エアサンプラー)が、同じ客先で2台たて続きにクラッシュ。無償による修理完了まで、代替機でしのぎました(5月〜7月)。
想定外の再検(再測定)。民間で4件・官庁で1件(排ガス・設備臭気・シックハウス・処理水)。うち2件は無償扱いとなりました(客先都合と当社営業部のミスがともに1件ずつ)。
借主が退去したあとの工場の土壌分析で、打合せの手違いがあり、当社の測定員がチッパー(電動式の削岩機)を急きょ調達し、自力でコンクリ土間を割って採取することがありました(3月)。
排ガス測定当日における、設備側のハプニング。故障による延期が2件(製造業1、リサイクル業1)、設備運用上の手違いが2件ありました(いずれも製造業。うち1件が延期)。現場部門が生産状況をみて炉を停めており、そのことを管理部門に連絡していなかったケースです。


◆相撲内容(従来リピート以外の事業案件)
【官庁】
初受注もしくは準・初受注の自治体や公共団体は3件。うち2件は建材アスベスト含有分析の類いで、事前調査のみが1件と、実測判定までの一気通貫が1件。残1件は、リサイクル分別作業場での作業環境測定でした。

【民間】
民間系では、まず既存顧客がメインのお客様であることは言うまでもありません。報告書の読み合わせに訪問した際、ときには逆に知見を授けてくださり、当社側も育てて頂いております。
新規顧客・復活顧客に目を向けると、計16社様とのご縁がありました(製造業10、建築・不動産系4、、運輸系1、医療機関1)。うち、測定を始めるきっかけとして、官庁の指摘によるものが4件に対し、「ISOの定期審査で審査員が話題にしたから」というのが2件ありました。他にもカウントしていない引合案件を含めると、今後は「ISOのきっかけ」が官庁指摘よりも台頭してくる兆しがみられます。

当社と別業種との連携に関して。直接的なコラボレーションでは、局所排気装置の設置が1件(有機溶剤作業場のプッシュプル型換気装置)、そして排ガス測定における測定口(フランジ)の設置工事が1件ありました。また塗料屋さんを通じてBP業界(自動車板金塗装業)の作業環境測定を受注しているルートで、元請け様である塗料屋さんとの連携を深めていただけるケースがあり、社会勉強になりました。
間接的なコラボレーションでは、工場様が常用の工事業者を使って局排を設置する際、その届出申請を当社でアシストするというのが1件ありました。

受注機会のバリエーション。既存顧客からの紹介で、新規顧客の立ち上がる例が3件ありました。そのうち、「既存顧客」といっても現在は取引の無いケースや、新規顧客の求める測定ジャンルを既存顧客自身が採用していないケースも含まれます。つまり、当社が自身の扱えるジャンルをPRしておくことが「どこで、どなたに」評価されるかわからない、という手応えが見られました。

受注ジャンルで新規性のあったものは8件。
業種が新規のものは、製造関係では木工加工(有機)・鋳物業(粉じん)・香料製造(有機)、製造以外では運輸業(有機)がありました。
測定のジャンルとして新規のものは、ボイラー冷却水の溶存酸素の測定(※河川等では過去に扱っています。ただし連続計は保有せず)。そのほか、関連法規があいまいなアレンジものの測定として、試験燃焼炉の臭気測定と、根拠となる届出施設のない浮遊粉じん測定(手製のトラップなどを運用)がありました。また溶接ヒュームの個人ばく露測定も新規ジャンルだったことは言うまでもありません。

年を越せば、新規だったお客様も既存顧客の仲間入り。2022年も当社なりに貢献してまいりたいと思います。

 
 2021/12/26   (51/52週) ダイバーシティの1丁目1番地
今年の当社のことは年末最後のトピックスで振り返ると思いますが、営業部としては、取引先企業様の「ダイバーシティ」としての側面を肌で感じることが出来たことがあります。

溶接ヒュームの測定で現場にお邪魔した際、溶接作業をしておられる方が外国人だったり、若い女性だったり、少しハンデキャップをお持ちの人だったりしました。そんな方々が溶接ロボットに送りをかけながら、ご自身も手溶接をスピーディにこなしておられるのを拝見し、測定員たちと「僕らも(業種は違えど)しっかり働かないといけないね」と顔を見合わせ、背筋の伸びる思いをいたしました。

そんな典型的なダイバーシティの具体例に触れさせていただけた反面、ちょっと心配になってくる経験もさせていただきました。
測定を、「突然、測るニーズが出た」あるは逆に「突然、実施できないことがわかった」というケースが、(受託消化の全体像の中で)そこそこの頻度で発生したのです。とりわけ後者のようなことが起きるのは、中堅企業以上の規模のお会社様です。

その背景として、部門や組織がうまく機能していなかったり、キャリアや処遇の異なる人同士のコミュニケーション不足があるようにお見受けしました。

国籍や性差、ハンデキャップの有無などを融合できておれば、それは素晴らしいダイバーシティなのですが、まずは(集団レベルでの)部門・(個人レベルでの)キャリアの属性が持つばらつきを融合させ、事業所としての運営を盤石に進める。これがダイバーシティの1丁目1番地ではないでしょうか? 各企業様の管理部門の皆様は、その1丁目1番地を担っておられるはずです。私ども測定機関・環境計量の業者も、その出来映えを一緒に拝見し、ともに一喜一憂できたら良いなと思います。

 
 2021/12/11   (49/52週) 社員家族の「高齢者ドライバー卒業」事例
社長に相談して、わたしのマイカー通勤の車を変更したのが昨年の暮れ。その車種は、環境やSDGs関連の当社に似つかわしくない、燃費がハイオクガソリンで7.0km/Lを切るようなスポーツ系の国産車です。そして、もとの持ち主はわたしの義父(妻の実父。以下、父)でした。

父は77歳の折、生涯最後の乗り換えになるかも……と思いつつ、その車を新調しました。もと技術者として、メカや電子制御に魅力を感じての選択だったようです。

それから6年後の昨年、父は珍しく大病を患い、1ヶ月間入院しました。入院中、担当医から「もうご高齢でもあるし、体調も含めて運転のほうは終わりにしましょうね」と告げられましたが、いっぽうで手元に運転免許証は有る。父は依然として、「ごく近所の買い物ぐらいは(車ででかけても)良いのでは?」という感覚のようです。そのときわたしは、娘婿という間接的な身分ながら、一計を案じました。

退院直前の病室で、見舞いに来た私は父に申し出ました。いまの車をもらい受けたい。お家の駐車場スペースを空けておけば、いざという時に子供たちが車で駆け付け易い。これからは、娘婿が運転手になるだけのことで、車自体は娘の家からいつでも参上する。実質は父の選んだ持ち物であり続けるし、行動範囲も同じ。助手席に乗って一緒にドライブする形にしていきませんか?

大手企業で役員まで勤め、引退後は一般の場で講師役や講演なども時々受けていた父です。普段ですと、わたしなどとは話も盛り上がらない感じの関係でしたが、この時は珍しく、申し出に素直に耳を傾けてくれました。即答は求めず、また義弟(長男)の了解も要ることですので、関係者のコンセンサスに少し日数を取りました。

OKが出てからは、慌ただしい年末の中、わたしは短期間で諸手続きを済ませました。父は退院時だからこそ、決心できたのでしょう。退院して1ヶ月以上も経ってしまうと、また元気になって翻意するかもしれません。
まずわたしのマイカーを手放すことから始め(自宅マンションの駐車場を空けないと、車庫証明がとれず、名義変更ができない)、中古車センターと行政書士さんを交えた手続きを進めます。この手順自体がなかなか煩雑なので、建築工事の工程表みたいなものを作って、父に協力してもらいました。このこと自体がひとつのプロジェクト活動のようで、お互いに盛り上がりました。そして年末、わたしがいよいよ父の車を引取りに行った際は、父母は車の前で記念写真を撮り、わたしが運転して去っていく際は、バックミラーの向こうで二人とも感慨深げに見送っていました。

もともと父の車の利用頻度は少なめで、中距離ドライブとしては初詣ならびに本家筋の墓参、そして近隣ドライブとしてレストラン巡りをする程度でした。年が明け、わたしは「さあ約束どおり運転手をするぞ」と意気込んでいましたが、コロナ禍ということもあり、父のほうが長時間の車中同席を伴うイベントそのものを敬遠する展開に。結果、1年経った現在のドライブ実績は2件。本家筋の墓参が1回と、レストランが1回です。

先日は、いつも行っていたという宇治市植物公園のレストラン「蝶々」へランチを食べに行きました。車内の座り方は、運転手のわたしの真後ろに妻、そして助手席の父の真後ろに母、です。(外気導入の気流が、前の席から後部座席に抜けるので、それぞれ同居人同士で空気をシェアする形がコロナ禍の備えになるつもりで。)現地に着いたら、父は墓参のとき同様、以前の生活に戻れたことを喜んでいました。腹ごなしに園内を散策すると、冬の十月桜が4人を出迎えてくれました。

ドライブの帰路では、母が後部座席で居眠りをしています。父が運転していたころは、運転がいよいよ頼りなくなっていたので眠気は起きず、母は(運転を知らない身なりに)道路状況を常時見守っていたそうです。

1年経った父には、(強がりも含まれるかもしれませんが)心境の変化があった模様です。近所で新しい交友関係もでき、なにより洗車の手間から解放されたことは大きな変化だとのこと。今では洗車に労を割く娘婿をからかっているような口ぶりまで出る始末。どうぞ、いくらでもからかってください。父が高齢者ドライバーを本当にうまく卒業できたこと、わたしども家族はただただ喜んでおります。

 
 2021/12/04   (48/52週) IT機器の警告音に欲しい「限度見本」
先週水曜日、新規の工場様で溶接ヒュームの個人ばく露測定をしていると、壁にかかった『限度見本』に目がとまりました。溶接の仕上がりに関するものです。

限度見本とは、加工上の品質のばらつきをおさえるため、言葉で伝え切れない内容を現物のサンプルで見本にしたもの(=最低限度の仕上がりを示す見本)。
その工場様では「標準的な肉盛りの状態」を1種類、「不完全なパターン」を3種類、計4種類をコンパクトに掲示しておられました。とてもわかりやすいなあ……と感心しました。

その翌日、当社内でハプニングが起きました。
昼過ぎになってから突如、パソコンのLANの心臓部であるサーバーラックから、アラーム音が鳴り始めたのです。

サーバーラックから異常発報のアラーム音が出るのは、この年初めにも一度ありました。そのときは、フロアの模様替え直後で石油ファンヒーターの熱風がサーバーラックの正面に直撃しており、ラック内の温度上昇を示す発報。そして今回は、バッテリー残量がいよいよ減ってきたことを示す発報でした。

問題なのは、ユーザーである当社の従業員が、それへ対応に戸惑うことです。音だけでは、当初に何が起こったのかが判らない。
今回もコールセンターでは埒があかず、技術員さんが臨時出張点検で来社して初めて、「何が原因の発報だったのか」が判明しました。その間、念のためLAN配下のPC端末の運用をローカルに限定しておくなど、派生的な対応で仕事が中断してしまいます。社内にシステム管理者を置かないための保守契約なのに、今回も社長夫人が手配で奔走することになってしまいました。

この「何が原因の発報なのか」を識別するのに、冒頭の限度見本のような備えが有効ではないでしょうか? 意味は違うのですが「言葉で伝え切れない内容」を、サンプルで持っておくわけです。すなわち、こうです。当社なら当社のサーバーラックの中身から発報しうる、すべてのアラームの音をMP3ファイルで現地に保管しておき、それぞれのファイル名に「何がどうした時の音」と命名しておく。たったそれだけのことです。

本来は、アラームが出る前に予防保全の提案があるべき……など、そもそもの態勢から論じることも可能ですが、とりあえず小さく始められることもある。泥棒をとりおさえてから縄をさがす「どろなわ(泥縄)式」の要素が、保守契約という取引関係のなかから少しでも排除されることに期待します。なぜなら、突発事項で不意打ちをくらわずに本業に集中できるための「保守料」なのですから。

 
 2021/11/20   (46/52週) スプレーガンとトーチ、換気対策上のちがい
塗装作業で使うスプレーガンと、溶接作業で使うトーチ。
これらは作業者にとっての有害物が発散される発散源としては、同じアイテムなのですが、こと換気のコントロールを検討する際には、それらの「違い」を念頭に置いたほうが良いかもしれません。

トーチは、「手元が近く、風を起こさず、もらい風はNG」。
スプレーガンは、「手元がやや遠く、風を起こし、もらい風はややNG」。

溶接作業は両手で行うため、つねに体の正面、かつ顔のすぐ下のほうに発散源があります。トーチは自分で風を作らない(※被覆のガスも吹き抜けるような気流ではない)ので、煙は下から上に立ち昇ってきます。これを激しく排除するような気流を作ると、溶接の肉盛りに巣がわいてしまうなど、品質不良を招きます。

塗装の場合はスプレーガン自体が気流を作っています。また、吹付けの気流を作業者自身の方向に向けることはないので、少なくとも(拡散に至る前の)発散の段階では、有害物質の気流は作業者の位置から離れるように、離れるようにと進んでいきます。
このスプレーガンの気流、排風をしている局所排気装置のフードに向けて放たれると、換気(排気)にとってプラスに作用し、逆の向きではマイナスに作用します(妨害気流の一種になってしまい、局排の本来の性能が出なくなります)。

総じて言えば、換気の設備を溶接作業場に「しつらえる」のは難しく、「運用する」のは易しい。いっぽう塗装作業場では「しつらえる」のは易しく、「運用する」のは難しい……、といったところでしょうか。

 
 2021/11/06   (44/52週) 溶接ヒュームの問合せ、第3波
先月下旬あたりから、個人ばく露測定に関する問い合わせが再び増えてきています(週に3件程度)。昨年の後半を問合せラッシュの第1波とすると、今年の法改正の施行時期(4月)である第2波を経て、今回が第3波という感じです。

応対する側として感じる特徴は、問合せの半分が「測定機関をすでにお使いの事業所」であること。なぜ、そちらを専任で利用されないのでしょう? この背景には次のことが考えられます。

・出入りの測定機関から、早めのアナウンスが的確になされていない。
(法改正への対応が、自分たちの社会的使命だと思っていない)
・測定機関からアナウンスがなされているが、事業所内の安全衛生スタッフで情報が止まっており、予備知識のない設備管理スタッフから当社に問合せが来ている。

私ども測定機関にとって、溶接ヒュームの個人ばく露測定は「鍋料理屋さんにとっての『仕上げの雑炊』」のようなものです。普段、事業所様を安全衛生の観点から見守らせていただいている一環で行う、そういうケースがメインです。それを、別の測定機関殿が出入りしているのに『雑炊だけ作れますか?』と問われても、できはしますが出汁を一から取らねばならず(ご社業や現場の把握から始めねばならず)、コスト面が合ったとしても不条理感が残るのです。そしてこのお仕事、基本的に採算は合いません(定期でなく臨時案件のため。/作業環境測定と日程をからめられたら、若干の合理化が可能)。

当社の第3波への対応が、既存顧客に対するサンプラーでの測定経験を生かす姿勢に乏しい「塩対応」に受けとめられないよう、祈るばかりです。

 
 2021/10/30   (43/52週) 「大なわとび」の精度は、何番目?
私ども測定機関の品質においては、3つの精度があると思います。
1.分析精度(持ち帰った検体の扱いにおいて)
2.サンプリング精度(採取作業において)
3.サンプリング負荷に対する精度(作業場へ入場時、お客様側のご負担において)

1番目・2番目については、論じるまでもなく心がけている精度でありますが、3番目の精度については、日常でミスマッチが散見されているわりに、体系的に扱われていない気がします。

私ども測定員が作業場にお邪魔して測定を行うということは、たとえていえば「大なわとびのロープをまたがせていただく」要素を含んだ行為です。
(複数人が順々に「おっ、はいんな、さーい」といいながら加わっていく縄跳びを、大縄跳び(おおなわとび)又は長縄跳び(ながなわとび)と呼ぶ)

測定員が作業場に到着した際、現場の状況はいろいろで、ときに時刻の面(申し合わせた予定時刻の面)でミスマッチ(※)が含まれます。(※測定員がしばらく待機することは該当しません。また、たんに測定員が遅刻しているケースも含まれます)

イ.到着すると、大縄跳びが実施されており、タイミングを見て測定員もまたがせていただいた。(通常かつ本来の状況)
ロ.到着すると、大縄の両端を2名で持ち、静かにスタンバイしておられた。
ハ.到着すると、測定を念頭に大縄を回しておられた。(人を入れずに)
ニ.到着すると、本日の大縄跳びは「さきほど終了」したとのこと。
ホ.到着すると、そこからずいぶん手間取って大縄跳びの準備が始まった。

こういったことに関し、お客様のご負担を最小限にとどめるために、「3番目の精度」も整備していきたいと思います……、と結んでしまいそうになりますが、これは果たして3番目? お客様にとっては1番目なのではないでしょうか?(当社にとって測定は『事業』ですが、お客様にとっては『自主活動』。分析精度うんぬんより、事業であるご操業がスムーズであることのほうが、よほど優先されます。)

ここからそもそものミスマッチが起こりうると、心得たいものです。

 
 2021/10/22   (42/52週) 手作り雑巾をSDGsで見ると
社員たちが自社作業場の清掃をする用に、社長夫人から手作りの雑巾が供与されました。

これをSDGsの観点で見ると、何番になるでしょう?
(12番、そして11番あたりでしょうか?)

 
 2021/10/16   (41/52週) 品格を感じた官庁の見積仕様書
この秋、とある自治体さんの来年度予算用の見積を当社でご用意させていただきましたが、その仕様書のなかに素晴らしい点を発見。

ある処理施設の放流水の水質検査なのですが、見積仕様には年間12回(毎月1回)の水質検査のほか、同じ測定項目の水質検査が年間1回(不定期)、付加されていました。不定期1回の趣旨は「ちょっと臨時でも水質をみたいときに活用する(=必ず消化する)」という形ですが、実質的には再検への備えのようです。

水質検査とは、処理施設の設備が原水の水質を適切に処理し、放流するのに相応しい水にして出しているかを監視(モニタリング)するもの。モニタリングである以上、検査結果は基準値に収まっている場合ばかりでなく、ときには基準オーバーしている場合もあります。基準オーバーした場合の原因には次のものがあるでしょう。

イ.施設のメンテナンス上の不備(消耗品の交換や老朽対策)
ロ.施設の運転上のチューニングやパラメータ設定の不備
ハ.原水の状態の特異事情
ニ.検査を請け負った計量証明事業所の検査ミス

いずれにせよ、基準オーバーの発生した際は、原因を特定して施設を本来あるべき状態に復旧する必要があります。そして適切に復旧した証しとして、再度の検査を行うこと(再検)が付随し、実施コストが発生します。

再検のニーズが、年間に「1回」で済むかどうかはわかりません。その意味では不完全な備えにしかならないのですが、想定が「不完全」というのと想定を「していない」というのとでは、話の次元が全く違います。

施設さんからみて、「実質不要な1回分の検査を年間の請求額に盛り込むのは、無駄な出費ではないか?」という意見も出るでしょう。しかし、いざ再検のニーズが発生すれば、それは特急対応となる。その特急対応に備えて、1年間スタンバイしてくれる計量証明事業所には、妥当な対価だろうと考えて下さっているのでしょう。専門業者には専門分野に専念して、腕をふるってもらう。そのようにしつらえるのが、施設側(の担当者)にとっての「手柄」である……。そんな志が伝わってくる気がして、仕様書に品格を感じたのです。

ちなみに、仕様以前に取引関係の構造そのものにも、品格を感じます。
検査の依頼者が施設のメンテナンス業者ではなく、施設そのものであること。そのほうが計量証明事業所にとって、第三者機関として本来のジャッジがし易いからです。

 
 2021/10/09   (40/52週) 学校案件、営業部にも欲しい「タテ串」履歴情報
当社の受託先で学校法人のお客様は少ないのですが、学校ごとに環境計量または作業環境測定、どちらか一方を受託しています。

測定のオファーをいただくタイミングは、どちらかというと不定期。ポンとお話が来たときに、営業部としてはこれまでの履歴を思い出すのに、ちょっと時間がかかります。

「何年度に、この場所(建屋 or 部屋)でこんな測定をした」という、イベント単位の履歴(横に串刺しにした情報)については、見積回答や作業指図書の形で残っています。しかし、「この建屋 or 部屋について、何年度にどんな測定をしたのか」という、アイテム単位の履歴(縦に串刺しにした情報)は持っていません。

学校側の担当者様は、オファーの際にできるだけ分かり易い形で情報を下さっているのですが、それを受ける側の当社(営業部)の態勢が、少々不十分のようです。実際には技術部員と下見に行きさえすれば、技術員は新旧の報告書が頭に入っているので、履歴を「タテ串」でも理解しており、担当者様とスムーズな打合せが出来ています。

ですので、あとは営業部の情報把握だけ、改善すれば良いことになります。社内用にタテ串の一覧表を作るなり、パソコン内のフォルダの階層構造(ディレクトリ)を活用するなり、工夫していきたいと思います。

 
 2021/09/23   (38/52週) 個人ばく露測定、検診との連携に戸惑いの声
この夏は、溶接ヒューム法改正に伴い始まった個人ばく露測定の測定結果がポツポツ出始め、工場様ごとに特殊健康診断へのフィードバックを初めて経験される時期となりました。
その中で、当社が工場様に呼ばれ、産業医の先生や社内の医療スタッフの方々と直接、打合せをさせていただく機会もありました。

もともと労働衛生の世界では「生物学的モニタリング(健康診断)と作業場の把握(測定)は連携するのが望ましい」と言われており、意欲的な工場様では特殊検診個人票の様式や検診での問診内容に関し、測定結果が検診にフィードバックされるよう、工夫して取り組んでおられる所もあります。

そのなかで今回、(『場』の測定である)作業環境測定とは異なる『個人』ばく露測定が導入され、従来のフィードバックを踏襲しようとしても勝手が違うため、戸惑いが出ているようです。

私ども測定機関が、測定受託先の産業医療スタッフと直接面会しても、それほど有効な情報提供ができるとは思えませんが、先方様はかなり頭の整理ができたとのことで、喜んでいただけました。
今回の個人ばく露測定については「相当に勝手が違って当たり前」という感じを、微力ながら解説しお伝えできたことが、当社のささやかな役どころだったようです。

 
 2021/09/18   (37/52週) 衛生大会とフィットテスト
先週9/17に当地・北大阪管内では「全国労働衛生週間実施要綱等説明会」が実施され、当社からは社長が参席してきました。(参加企業・約20社。コロナ以前では通称『衛生大会』の形で60〜100社)。代表で参席してくる人のミッションは次の3点。

・当社自身(測定機関)が把握すべき、最新情報を収集する。
・(上記の一環で、)本年度版の『労働衛生のしおり』を持ち帰る。
・受託先企業で抱えているような課題の動向をつかむ。

今年の説明会資料の中に、当社自身のテーマであるフィットテスト関連のものがありました。

【講習案内】マスクフィットテスト実施者養成研修
(受講対象:事業所内もしくは外部機関等のフィットテスト実施予定者)

【関連図書】金属アーク溶接等作業者のためのマスクフィットテスト

溶接ヒューム法改正に伴う諸対応のうち、当社の受託ジャンルに決まっていたのは「個人ばく露測定」(すでに15社余りを消化)、そして機会があればお手伝いするのが「換気の改善」です。しかし「フィットテスト」については、まだ方針が決まっておりません。(※問合せをいただき始めています)

法改正の趣旨からして、マスクの適切な運用に力点が置かれたことはよくわかります。しかし測定機関がそのお手伝いにまで関わっていると、「まずは環境を正しく測定し、評価する」という本業がおろそかになりはしないか……と懸念されます。

法の施行時期が訪れるまでに、はたしてどのような義務内容になってくるのか? とりあえず関連図書を入手し、社内検討しておきます。

 
 2021/09/11   (36/52週) 出来て、律すればこそ、許される事業許可
先週は当社に、予定されていた労働局の立入り(ISOでいう定期審査のようなもの)がありました。
この審査は3年に1回を目安に予定され、抜き打ちでなく予告のもとに実施されるようです。
(私は中途入社の営業員で、前回は入社前の実施、また今回は出張で不在だったため、立入り当日の様子は直接知りません。)

出張から帰社後、私も立入りの様子を教えてもらいました。通常の流れどおり、「指導書」が後日発行されるようです。様子を聞いた印象をひと言でいうと「出来て、律すればこそ、許される事業許可」という感じ。有資格者が居て、設備があれば事業許可が出るものと思っていたので、この自律性(とくに測定機関という業種に求められる自律性)という観点を、再認識させていただく機会となりました。

次回の立入りには私も(予定を空けて)参加させていただき、自社の社業への理解を深めて参りたいと思います。そのためには、今から準備を始めておくことが有効でしょう。

 
 2021/09/03   (35/52週) WBGT値、建設現場の掲示方法を拝見
今年の夏休みシーズンは、学校関係の改築工事にともなうシックハウス測定の案件を、建設業者3社様よりお請けしました。(のべ13室。幼稚園3室・小学校7室・中学校3室)

その中の1社様の建設現場にお邪魔すると、作業員の屋外休憩コーナーやヘルメットラック脇などで、熱中症対策のWBGT値(暑さ指数)を掲示しておられました。当社も勉強のために、許可を得てその様子を撮影させていただきました。

WBGT値の計測計の値をディスプレイで見て、すぐ下に早見表(だから、このように注意しなさい、の判定)があります。「とても見やすいですね」と施工管理者様に感想を述べると、自社ではもはや普通に活用しているグッズであるとのこと。

そのほか、朝夕「本日○時○分現在」の気温・湿度・WBGT値を、手書きでも記入して掲示しておられました。

当社はどちらかというと、(工場様を主たる受託先とする)工業系の業者なので、こうしてたまに建設現場にお邪魔すると、異文化交流のような刺激をいただけます。

 
 2021/08/13   (32/52週) 局排の設置工事を支える「多能工」マインド
作業環境測定を受託している事業所様で先週末、局所排気装置の据付工事を行いました。

【工事概要】3階建ての建屋の2階と3階に1台ずつ、小さなプッシュプル・ブースを据え付ける。ダクト系は、合流せず独立で屋外へ。ファンは全て室内。

【業者構成】設備系:設備屋さんを軸として、その孫請け(ダクト屋さん、足場屋さん)。計10名程度。電気系:事業所様が直接委託する業者殿。2名。

【工期】2日間の予定だったところ、1日しかかからず終了。

私は元請けとして、社員食堂をお借りしてパソコン持ち込みで陣取り、1時間おきに作業現場を巡回しました。複数の専門業者が混成部隊となり、和気あいあいで作業を進めるのを拝見していると、「多能工」という観点から気づくことがあります。

設備屋さん(局所排気装置の専門メーカー)は、いつも同じダクト屋さんと足場屋さんを起用しているとのこと。この孫請けさん達の本業は、それぞれ「作ってきたダクトを現場でつなぎ合わせること」・「当日に必要な足場を確保すること(タワーを組むか、高所作業車を運転する)」です。

ところが1日、稼働日が立って工賃が支払われても、タイムスケジュール的には手待ちが発生します。だったら手待ちの時間に、本業ではない作業の加勢ができればどうでしょう? まず発注側である設備屋さんにはメリットがあります(支払う工賃が生かされ、自社の正規部隊の人数を抑えらえる)。いっぽう加勢する側にも、本業の出番が増えるというメリットがあると思われます。同じ設備屋さんからまた声がかかるという側面と、他社からの受注の下地づくりとなる側面と、両方あるでしょう。

そのようなことから、先日の現場でも、足場屋さんが屋内作業に加勢してダクトを組付けていたり、ダクト屋さんが局所排気装置の本体の組付けに加勢をしたり……という光景が見られました。その際、加勢によってサポートされる設備屋さんの側では、孫請けの職人さん個々人の(あくまで本業ではない)スキルレベルをよく把握し、無理なく活用することが重要。その結果、混成部隊は個々人に主体性が宿り、総体として最適な優先順位を踏まえた作業進行が実現していきます。どうやら今回の工期が短縮された背景に、そのあたりの導き方のうまさが実を結んだようにお見受けします。

ひるがえって私ども測定屋も、「測ることだけが本業」と居直っているのではなく、その本業に出番のあることが大事であればなおさら、周辺の案件に関わっていけるよう、多能工化する姿勢が大切かもしれません。

なお、自分たちで多能工化のテーマをゼロから考える必要はなく、普段お付き合いいただいているお客様のお言葉の断片から(こんなことも、助けてくれたらいいなあ)という形で拾っていけると思われます。つまり、多能工化「しよう!」ときばる必要はなく、導かれるままに汗を流しておれば、そのことを少し体系化するだけで経験値が充実するのではないでしょうか。

 
 2021/08/08   (31/52週) 夏場の測定作業、学校と雑居ビルで異なるリスク
夏といえば熱中症対策ですが、私ども測定員の作業でもリスクが伴います。

学校では夏休みを利用して、工期の終盤にシックハウス測定を伴う修繕工事が計画されます。当社からシックハウス測定(パッシブ法)に伺う際、捕集管の「設置時刻」や「回収時刻」がよほど涼しい時間帯でない限り、密閉した部屋に入室してまわることで汗だくになります。ただし任意のタイミングで、風通しの良い場所に移り一息つくことができるので、大きな負担はありません。

それが雑居ビル(使っていない、解体持ちの建物)となると、事情がちがってきます。当社の業界で関わるケースは、石綿のスクリーニング(事前調査)で現場入りする作業。

ビルは空調が一元的で、とにかく窓という窓が(開閉のできない)密閉窓である比率が高いです。解体待ちの物件でもセキュリティーが伴い、学校のようにおいそれと換気を補えません。測定員が限られた時間内で、無心に調査を続けておれば、気がつくと脱水症状が始まっているようなことも起こりうるでしょう。

それを防ぐには、工夫して備えることが重要になってきます。
単純な工夫としては、休憩(場所を替えた休憩)をこまめにはさむこと。
その他には、調査する順番の工夫。物件を見て回る際、「まず屋上に上がり、そこから順々に降りてみていく」というのが定石です。ここでもし、屋上に日陰が多いのであれば、部材のジャンルに区切って何度も屋上に訪れる段取りにすれば有効です。(同じ発想で、屋上が外壁などに代わっても良し)。

いずれの工夫も、(あらかじめ計画できれば理想的ですが、)当日その場で思いついても結構。案外とそんなことが、難を逃れる決め手になるかもしれませんね。

 
 2021/07/17   (28/52週) 個人ばく露測定が「臨時」である認知度は?
溶接ヒュームの法改正にまつわる個人ばく露測定の実施について、当社でも既存顧客を中心に対応を進めており、ようやく累計10件となりました。

実施を検討されるお客様から問合せ・質問をいただく際、当社のご説明が断片的な解説から始まってしまうことも少なくありません。

その中で、お客様がこの測定のことを「作業環境測定の一環として、定期的な実施が求められる新ジャンル」ととらえ、事業所として「固定費の増える案件」と思っておられるケースが潜在しているようです。

実際はそうではありません。同じ作業内容でご操業が続くなら、(多くても2回の実施で済む)臨時の案件である、というのが大前提。これが理解されていないと、話がかみ合ってきません。
この「臨時の案件である」という点は、私どもも当初はわかりにくかったです。(商売柄、連日のように関わっているうちに、当初の違和感を忘れてしまっていました。)

きっと事業所様でも、むしろ衛生管理者の資格をお持ちのような(既存の法体系に充分親しんでおられる)ご担当者のほうが、違和感が強く、わかりにくいのだと拝察します。

もともと溶接がらみの重金属系(特化物)の作業環境測定を実施なさっている当社のお客様で、このたびの個人ばく露測定を実施することで、測定にまつわるトータルコストが下がった事業所も一部出てまいりました。

個人ばく露測定が、イコール「重荷が増える一方」の案件ではない、という認識からスタートすれば、ご準備(当社のような測定機関との事前協議)も順調に進む……と思われます。

 
 2021/07/10   (27/52週) 当社の安全週間を振り返る
今年の全国安全週間(7/1〜7/7、準備月間6月)は、コロナ禍で何となく過ぎていきました。

製造系の安全イベント(6月下旬に短時間開催されたとのこと)には、当社は参加できませんでした。代わりに7月末に行われる建設系の安全イベントに、当社社長が参加する予定です。持ち帰り資料で勉強させていただきます。

社内の活動としては、フルハーネス型墜落制止用器具の一部更新を行いました。共用で保有する中の2つが、性能的に年内いっぱいの使用期限だったので、期日管理をしている技術部主導で更新。社員の体型にもマッチしました。

社内で今後整備していきたい課題としては、社用車のドラレコのチェック体制と、入場手続きの要求度合いを顧客別に掌握することです。

ドライブレコーダーは、検証が必要となる事故が発生したときに「初めて使う」のではなく、普段からスムーズにパソコンに取り込めるようにしておき、ヒヤリハット事例に活用するなど「普段から扱い慣れる」体制がベターかと思われます。機器ごとに閲覧ソフト(SDカードに内蔵)も異なるので、「何号車はいつもこのフォルダでデータを取り込む」といった環境も作っておきたいものです。

顧客ごとに入場手続きの要求度合いは異なります。サンプリング予定日が決まったら、下記のランクごとに対応する責任が当社にあります。
・Sランク:「あり、事前・事前」入場届出書類を事前に用意→事前に(期日までに)提出
・Aランク:「あり、事前・当日」入場届出書類を事前に用意→当日に提出
・Bランク:「あり、当日」入場届出書類はあるが、事前準備は不要
・Cランク:「なし」入場届出書類が一切ない
このことは、作業指図書の原紙に記載しておき、リピート案件になってからは技術部が主体的に管理するのが妥当でしょう。

最後に社外の出来事として、地元でお付き合いを賜っている安全安心(株)の中川先生が、日本労働安全衛生コンサルタント会の総会(6月23日)で『会長功績賞』を受賞されたそうです(同社メルマガの報)。おめでとうございます。

中川先生は(受賞理由と直接関係ないと思われますが)、巡視のときの観察力が素晴らしい、というのが素顔の先生を存じあげている地元の私どもの印象です。観察して気づいたことをすべて指摘すると、私ども(巡視をお願いした事業所側)もヘコんでしまうので、まずは重点的にこれとこれだけ言ってあげよう……と絞り込んで下さる。そんな優しさが、とにかく先生のお人柄であり、プロの指導者のスキルでもあるのかもしれませんね。

 
 2021/06/19   (24/52週) 溶接ヒューム対応、当社の整備状況
溶接ヒューム法改正への本格対応について、本年4月の施行から3か月が経とうとしています。当社ではその後、2つの進展がありました。


◆「2日目セルフ・スタート」の実績
均等ばく露作業の対象者が1名だけおられる作業場の場合、2日にわたって個人ばく露測定を実施する必要があります。その際、条件が整っているケースにおいては、1日目に個人サンプラーセットをそのままお預けしておき、2日目の朝は作業者様によるセルフサービスで装着〜起動をしていただく。このパターンを先週、初めてお願いし、お蔭様で成功しました。

これが実現した背景には、事業所の担当者様のご協力(現場へのコンセンサスの橋渡し役)と、当社技術部が手作りで用意した操作マニュアルの存在があります。

ちなみに当社で採用しているポンプは、いわゆる「個人サンプラーセット」の構成機材ではなく、他の測定ジャンルでも汎用性のある機材です。そのため、装着体験をしていただく段階で「ちょっと重いな」という声が四割弱ほど出ている反面、機材にも汎用的な剛性があり、当社側も託しやすい面があります。このポンプを採用した判断・決断も、当社技術部によるものです(直接のきっかけは、調達確保のスピード面により)。

「2日目セルフ・スタート」を初めて終えたところ、除外時間(ポンプは回っていたけれど溶接とは関係のない時間)の申告の精度のことが、若干の課題としてありました。当社側で今後、記入表の工夫などをしてまいります。


◆補助金申請にフィットした見積書体裁の対応
さる6月4日付文書で、厚労省から『有害物ばく露防止対策補助金』の補助事業者として選任された(公社)全国労働衛生団体連合会(略称:全衛連)から、測定機関への「お願い」文書を受け取りました。

有害物ばく露防止対策補助金
http://www.zeneiren.or.jp/hazardous/index.html

溶接ヒューム法改正にまつわる補助金制度について、当社では既存顧客様より情報をいただいており、地元の労働基準監督署を通じて詳細の把握に努めておりました。このたび補助事業者が確定したことを受け、いよいよ当社もこの方面へのスタンスを固めました。「補助金申請の事務代行は行わない」ものの、「申請で使っていただける見積書の体裁で見積回答をする」という形です。

そこで、全衛連に当社の見積書の例をサンプルで送付し、「この体裁で申請に使えますか?」と問合せました。ご返答として、とくに変更なく使用できるとのことでした。

ただし、当社が顧客への見積書を「出し直す」ニーズがないか? というと、先週さっそく1件が発生し、対処させていただきました(自社の複数工場に対して分割した申請トライをする場合)。この程度でしたら、微力ながらお手伝いする次第です。

 
 2021/05/29   (21/52週) 事業場記入欄の運用方法について
作業環境測定結果報告書(報告書)の標準的なフォーマットには、1ページ目の下段に【事業場記入欄】があります。この部分の運用方法について、測定を長年受託しているお客様から問合せをいただきました。
当社の知りうる所、ならびに見解をご紹介しておきます。

◆受託先企業様各位の、運用状況(どう使っているのか)
・とくに話題になったこともなく、当社では存じ上げません。
・おそらく空欄のまま保管されている事業場様が大半と思われます。

◆当社の見解(新規のお客様への説明)
・この欄は、安全衛生委員会を実施して議事録をとっておられない場合(50人未満の事業場はその確率が高い)、手書きで追記する形で、記録としてご活用下さい。
・記録の意味合い:安全配慮義務をどう実践なさったか(配慮したという実行責任をはたす具体的アクション)の記録として。
・とりわけ、管理区分が2や3の状態が繰り返し続く作業場の場合、安全衛生委員会の議事録でも触れておらず、この欄も空欄であれば、「なんら配慮していない状態が続いている」とみなされる可能性があります。
・形式面ではそういう意味合いです。要するに、この報告書を作業者様の健康障害防止に役立ててください。

◆当社の見解(空欄で済ませる際の、前提条件)
・安全衛生委員会(事業場の委員ならびに産業医が参画)が運営され、定期会合の議事録が作成されている。
・委員会の議題には、直近に実施された作業環境測定の結果を共有することが含まれる。
・その前提として、安全衛生活動の年間計画書が作成され、活動項目の中に作業環境測定の予定も明記されている。
・管理区分が2か3の作業場については、「どう解釈するのか」→「どうフォローするのか(経過観察するなら期限も決めて)」→「フォローが完結したのかどうか」まで追跡して議題に挙げ、「こうなった」と述語まで記録する。

なお、合同巡視の機会があるようでしたら、その作業場を委員会でも重点的に巡視して、主体的なコメントも議事録に残したいものです。そして議事録は、要フォローの作業場にも確実に配布されるよう、臨時で配布先を増やすことも立派なアクションだと思われます。

要するに、ISO9001などのPDCAと同じです。数値化された監視項目(空気の汚れ具合を測った管理区分が、1なのか、2なのか、3なのか)をもとに定期的に監視しておき、1より大きくなった場合に是正アクションを起こす。いきなり設備改善をしなくても、検討(協議)しただけでも、その事実は「アクション」の部類です。それをどこかに記録しておき、後日、事実関係をトレースする際の手がかりに使うわけです。

当社の仕事の成果物である「作業環境測定測定結果報告書」。その運用方法を受託先様から尋ねていただけるのは、とても業者冥利に尽きます。

 
 2021/05/22   (20/52週) 測定先の朝の始め方に学ぶ
溶接ヒュームの個人ばく露測定のため、朝一番に工場様へ向かうケースが増えてまいりました。

始業直後からサンプラーの装着をお世話するため、朝礼のある工場様では朝礼が始まる時点で、測定員は目の届く邪魔にならない位置でスタンバイさせていただきます。
ラジオ体操が始まると、これは参加させていただきます。当社ではラジオ体操をしないので、大変気持ち良く、有難い機会です。

客先によって朝の始まり方はさまざまで、週初めでなくても、ラジオ体操→全体朝礼(業務連絡)→唱和、と一通りをコンパクトに実施される所もあります。

当社がお邪魔をするミッションは、測定をちゃんと実施することですが、普段は目にしない「朝の客先」から学ばせていただくのも、貴重な機会かと思われます。

 
 2021/04/17   (15/52週) 滅菌器「開けちゃった」予防対策
当社では医療系の測定受託先が数軒あります。そのうち、特化物のエチレンオキサイドの作業環境測定を行う作業場(手術の準備室など)で、その物質の発散源である滅菌器を、医療スタッフの方が誤って開けてしまう場合があります。

測定の段取りとして、前夜から数時間かけて庫内の排気をしておき、翌朝に庫内の品物を取り出すタイミングで、測定員が検知管を持って待ち構え、作業場空気を採取します。ですので測定員が「おはようございます」と入室した時点で、すでに開けてしまっていては、発散のタイミングを逃した形となります。このことを社内では通称「エチレンオキサイド・開けちゃった事件」と呼んでいます。

昨年はとくに「開けちゃった事件」が2つの医療機関で重なりました。そこでこのたび、当社より添付のような注意喚起のシートを用意し、事前にご提供することにしました。紙絆(かみばん、サージカルテープ)でとめていただいたら、衛生的かと思います。

朝というのはシフトの引継ぎ直後であるため、伝達事項の実施が不完全になりやすいかもしれません。またコロナ禍の昨今、一般診療の仕事場でもなにかと立て混んでおられるでしょう。

なかなか私どもが医療従事者の皆さんのご負担軽減に貢献できることは少ないですが、このような掲示物でも、多少お役に立たないかな……と願っています。

 
 2021/04/10   (14/52週) 同一労働を「計量」するならば
先日TVニュースを観ていると、この4月から「就業形態にかかわらず、同一労働・同一賃金が中小企業にも適用される」、「問合せがあれば、労働者が納得するまで説明しなければならない」といったことが報じられていました。
本件は、単一の就業形態である当社にとって無関係ですが、ちょっと余計な考察をしてみたくなりました。

同一労働における「同一さ」を具体的に計量しようとする場合、それはかなり難しいのではないか? という考察です。

結論として、次の3点が大前提になると思われます。
1.緻密な人事考課制度がある。
2.就業形態に関わらず、同じ人事考課制度の土俵に乗って評価される。
3.この会社では、何が「手柄」となるのか、価値尺度を共有している。


のちに豊臣秀吉となる藤吉郎が、はじめ織田信長の「草履取り」から出世していったエピソードは有名です。
藤吉郎は尾張の織田家、すなわち軍隊を持つ民営(同族系)の地方自治体に、仮採用職員として就職しました。はじめの担当業務は、「親方がトイレに行く時に、土間へ草履を出す係」です。この仕事への取組み姿勢が評価され、足軽のチームリーダーに抜擢されます。

この時代に、もし「同一労働・同一賃金(処遇)」という概念が職員の側にあったなら、次のような問合せが出たかもしれません。
「私は藤吉郎の前任の草履取りです。私も『草履を出す』という作業マニュアルと導入教育を提供され、その通りに実施していました。なのになぜ、私は足軽のチームリーダーにはならず、処遇にばらつきが出ているのですか?」

この問いに対して、採用時に次のようなアナウンスが必要だったかもしれません。
「うちの組織には『こういうことを手柄だと考える』という価値観があります。ですので、決まった手順をこなす評価項目に加え、プラスアルファの有効な工夫等があると、そこも評価されますので、予めお伝えします。」

ただしこれで万全かといえば、次の質問が待っていることも容易に想像できます。「それでは、そのケース・バイ・ケースの手柄とやらは、どのように数値化され、大小を比較する手順になっているのですか?」

「同一ではない処遇」の経緯を説明するためには、相当の規模で準備が必要になってくると思われます。労使どちらの側に立っているわけでもありませんが、とにかく「計量的に難しそうだな」という印象を覚えた次第です。

 
 2021/03/27   (12/52週) 資源ごみの作業所にて測定
先月、近隣自治体様からのご用命で、作業環境測定を行ってまいりました。
資源ごみをいったん整え、リサイクルの流れにのせるための作業所(ストックヤード/ごみの焼却場とは別のロケーションに建てられた拠点)に訪問いたしました。

そこには4ジャンルの作業場がありました。今回、当社が測定したのは下記のイとロの作業場です。(粉じん測定や空気環境測定を実施)

【イ】あき缶を複数まとめてつぶし、四角い形状(段ボール箱大)にして、パレットで搬送しやすくする。(プレス機械設備を用い、その前後にて手作業)

【ロ】空き瓶を色ごとに分別し(透明・茶色・グリン)、積み上げておいて破砕する。(前半は手作業、最後に重機を用いる)

【ハ】食品用の発泡プラスチック製の容器(スーパーのお惣菜品のトレーなど)を分別し、袋づめする。

【ニ】古紙を分別する。

イとロの作業場では、シニア世代の皆さんが作業者として機敏に働いておられました。そしてハの作業場では、養護施設の職員さんに引率されて、ハンデキャップのある若い人たちが作業に取り組んでおられました。

とりわけハの作業場については、SDGsの観点からも意義深いのではないかと感じました。


SDGs
3.すべての人に健康と福祉を
8.働きがいも経済成長も
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を(プラスチックの焼却 →酸性雨 →森林破壊)
17.パートナーシップで目標を達成しよう

 
 2021/03/13   (10/52週) 散気装置のウォッチャーことはじめ
排水・下水の水質を浄化するため、好気性菌に空気を提供する装置が「散気装置」で、その散気装置を備え、水を空気にさらす役目をもつプールが「ばっ気(曝気)槽」。つまり言葉としては、曝気が目的(結果)を指し、散気は手段(行為)を指しています。
(ちなみに熱帯魚の水槽の底で、ブクブクと泡を発生させているものも「散気装置」ですが、この場合の空気の提供先は魚です。)

そういった曝気槽を適宜含めた単独もしくは複数の処理工程を備え、工場排水などを河川や下水道に放流できる水質に改善するユニットのことを、私どもの業界では「除害施設」といいます。ちなみに水ではなく排ガスなどの空気を「除害」するユニットのことは、「空気清浄機」と呼んでいます。

さて先週、サンプリング日程の重なってしまった日に、私(営業員)も食品工場の除害施設へ排水分析の採取に行ってきました。そのお客様の除害施設は、コンクリート製の建屋の屋上部分が露天の状態で運転しているタイプのもの。曝気槽も採水ポイントの1つにあり、ご担当者様の立会いのもと、プールサイドに屈んでポリ瓶を構えて採るような作業となりました。

あくまでヘルプ要員として採取に行った私は、そのお客様の曝気槽に近寄るのも初体験。そして興味深く目が行ったのは、槽の水面で泡立っている様子です。

熱帯魚の水槽のような、控えめで可愛いらしいブクブクではありません。水面に隆起・凹凸の伴うような、ボリュームの激しい散気のブクブク。しかし私の関心が向いたのは、その迫力ではなく、水面に散気の上がってくる「場所の偏り」です。散気が、槽の水面の一部、かつ外周寄りに偏っていたのです。

これを見たとき、私は株式会社アイエンス社の「アクアブラスター」を想い出しました。(ああ、この曝気槽の散気装置は、アクアブラスターではないな。)と、にわか評論家のように思考が働いたのです。

当社が測定・計量の受託先様から除害施設・空気清浄機などの設備改善の相談を受けた場合に備え、(当社も設備は専門外なので)ワンストップで相談できるプラットホームの1つに、長瀬産業株式会社の環境事業推進チームさんとのご縁を頂戴しています。ちょうどこの年明け、Web会議で簡易レクチャーをして下さった商材の一つに、この「アクアブラスター」もありました。

この散気装置は、2005年度近畿経済産業局NBK大賞の「環境・アメニティ部門賞」を受賞したそうで、散気の方式に特徴があります。「けっきょくは嫌気性菌とヘドロの勢いに負け、老朽化して浄化能力が減衰する」という散気装置がたどる定番の末路とは、ケタ違いに異なる維持能力があるとのこと(しかも化学的ではなく構造面の特徴により)。

今から15年以上前に更新した曝気槽でしたら、この方式は選択肢になかったと思います。しかし今後(次回更新時、もしくは既存設備に散気管をプラスして併用する際)、本当に安定的な曝気槽の維持をご検討の場合は、少なくとも選択肢に入れるべきのようです。

なにぶん当社も勉強を始めたところ。まずは私も「にわかウォッチャー」として、ようやく現場の様子に関心が及んでいる段階です。

 
 2021/02/27   (08/52週) PCB、とくに駆け込みラッシュなく「高濃度」期限
受電設備の絶縁油などのPCB含有分析の案件、当社で受託したのは、ここ半年で2件ぐらいでしょうか。

【PCBの処分期間リミット】
◆高濃度(5,000mg/kg超) →2021年 3月末まで
◆低濃度(0.5mg/kg超、5,000mg/kg以下) →2027年 3月末まで

高濃度は、いよいよ期限が来てしまいました。

このあと、PCB含有分析の案件自体の発生が、「ない」という建前になるのでしょうか?
なぜなら、もし受託して分析結果が「高濃度」と出た場合、なす術が無いからです。

 
 2021/02/20   (07/52週) 「コールセンター経由」の前提に、思うところあり!
当社のパソコン機器の保守をお願いしているIT業者殿は、コールセンターを持っておられます。

何かトラブル・不具合があったときは、馴染みになった営業マンさんやエンジニアさんに直接連絡するのではなく、端末ごとにシールで貼ったフリーダイヤルに電話して、そこに状況を伝える仕組みです。
この手順を踏むことにより、電話サポートのみで済むケースが増え、また現地出張工事事案であっても情報を共有することで、担当者だけに頼らず最適・最短のサポートができるという、うたい文句です。

ところがその一方で、このIT業者殿は、出張サポート要員に協力会社も活用しておられます。そして当社に駆けつけた協力会社の人は、「何のご用で呼ばれましたか?」と、うたい文句だったはずの情報共有が機能していないケースが見られます。

これでは、わざわざコールセンター経由で連絡し、その都度一から説明していることが、もはや何の対価も生んでいないようにも見えてきます。

ユーザーに「コールセンター経由」を強いるIT業者殿は、いっそのこと協力会社さんも含めてフラットな形で「直接担当制」にしたほうが良いな……、そのように思うのは、私だけでしょうか?

 
 2021/02/06   (05/52週) 卒研発表会をリモート見学
2月3日、昨年の新入社員1名の母校である日本分析化学専門学校の「卒業研究発表会」があり、当社では午前中に在社していた4人(卒業生を含む)がZOOMで視聴させて頂きました。私(営業部員)もフルアテンドではないですが、お茶休憩にからめて断片的に拝見しました。

会場は学校近くの講演会場を使い、今年から企業関係者は参席せず、リモート配信を通じて見学するスタイルになったとのこと。7人〜10人程度がグループとなり、プロジェクターを用いてそれぞれの研究を発表。学生や先生からの質疑を発表グループが受け、ときには担当教員が補足説明を行っておられる様子がパソコン画面で中継されていました。

私自身は商工業の畑なので、このような理化学系の学びの場・発表の場を目にするのは初めて。印象としては、タイムキーパーが「チーン!」と制限時間を知らせたりする様子がQC大会に似た雰囲気でした。発表者の服装がリクルートスーツであることは少々意外でした。企業に観てもらう場だからということのようですが、「普段の白衣姿などで拝見したかった」と思う私などは、少数派なのでしょうか?

細かい収穫としては、pHのことをもはや現場でのように「ペーハー」とドイツ語読みせず、「ピーエイチ」と英語読みしていること。

大きな収穫としては、学校側の「どのような人材を輩出して行きたいか」というポリシーを感じとれたことです。分析という切り口で、卒業生が産業に関わっていく。そこに「研究」という要素がある場合、仮説を立て、その仮説を立証するための最適な分析処理手順をアレンジせねばなりません。そして、やったことを検証し、「今回の実施で何がつかめたのか」を自らわかり易く言葉や資料にして発表(表現)する。こういう一連のことができる(できるようになっていく)ために、学校は少なくともトライする場を与えて来ましたよ、というポリシーです。

ひるがえって、当社のような公害系の環境分析の会社では、そのポリシーを念頭に人材育成のバトンを引き継いでいるでしょうか? 公害なので関連法規があるため、分析の手順はJISで決まっているし、検証は基準値との比較で終わりです(環境アセスメントの領域になると、アレンジする能力が問われてきますが)。つまり、理化学系の人材を採用してのち、その潜在能力を学生時代よりも退化させている懸念があると思われます。

業種的に限界があるとしても、その「退化」を別の形でカバーすることはできないでしょうか? たとえば環境分析の会社にとって、成果物は(依頼者に提出する)報告書です。その成果物をたんに郵送するだけでなく、電話、あるいは客先に出向いて「読み合わせ」を行うケースがあります。そんな読み合わせの場こそが、「分析を通じて世の中と関わっている」醍醐味の部分といえますが、現状の当社では、これを技術部員に担当させることに消極的です。こういった姿勢は、短期的にはハプニングを回避できそうで社員自身も会社も楽なのですが、キャリア・パス(仕事の経験を通じて成長し、総合力が身についてくる道筋)の形成をせばめる点で、長期的にはマイナスと思えてしまいます。

先に社会人になった我々のほうこそ、退化している場合ではありません。学校の卒業研究発表会を拝見して、当社こそハッパをかけていただいた気分です。

 
 2021/01/23   (03/52週) 職場に二酸化炭素濃度計を設置
社長が先週の水曜日、社内の5ヶ所に二酸化炭素濃度計を設置しました。
(電源供給はUSBコネクタ。パソコン等が傍に無い設置場所では、コンセントのタップにUSBソケット付きのものを調達)コロナ対策として換気の状況をみていくのが目的です。

人は酸素があれば、とりあえず苦しくないのでしょうが、呼気として二酸化炭素を出し続けています。室内でその濃度が上がってくるということは、「同じ空気がそこに居る」(=換気不足)を示す手がかりとして活用できます。

当社では換気を行う時間帯を決めていますが、冬場はとにかく寒い。窓を開ける時間が10分も要るのか、5分でいいのか、1分でいいのか……は死活問題(?)で、室内の暖気の奪われ過ぎによる社員のコンディション不調も避けたいものです。

室内の二酸化炭素(炭酸ガス)濃度は、1500ppm以下であることが従来の測定上の目安。しかしそれをコロナ対策として「換気の適切さ」の目安にするとなれば、もっと低くしたほうが良さそうです。

外気は 400ppm台で、会議室にこもって打合せを1時間もしていると、呼気で1000ppm台の半ばになってきます。コロナ対策の換気として、600〜800ppm台を維持するのを当社の目安としています。

設置した濃度計の数値を眺めていると、発見があり、換気の実施や工夫のモチベーションが上がりました。
「まだ暖気の残る程度の換気なのに、二酸化炭素がこんなに減った!」・「あんなに寒くしたのに、二酸化炭素の減りが少なくて損した!」、などなど。

会社に「換気警察」(冬場にやたらと室内を寒くする人)が居るのは怖いですが、「換気奉行」(うまく換気してくれるマニア)が居るのは、喜ばしいことではないでしょうか? このような計器があれば、誰かが奉行に目覚めるかもしれませんね。

 
 2021/01/16   (02/52週) SDGsの自社フィッティング手法
先週、当社が入会する商工会の1つである大東商工会議所のメールマガジンに、アンケートがありました。社長監修のもと、営業部からこれに回答しておきました。

アンケートのテーマはSDGsです。
(会社としての取組み状況や、あまり取り組めていない場合はその理由、商工会に提供して欲しいことはないか? といった内容。)

当社では、まださほど取り組みが立ち上がっていない状況です。
(昨年は会長所有の入門冊子を社内サーバーにデータ設置し、参考教材としてミーティングで通達。今年から玄関にパウチで掲示。……実務とは関係のない雰囲気で推移。)

とりわけ、当社顧客で掲示なさっているような、「私たちは17項目のうち、この項目とこの項目で関わっています」といったフィッティングの段階に至っておりません。

SDGsの取り組みを「新しく始める」と思えば、負担を感じて敬遠するかもしれません。そこで、まずは社業での旧来の心掛けが「すでにSDGsと合致している」という部分がないか、点検していく所から始めるのなら当社でも取り組めそうです。

その意味では、当社には創業者の櫻井益雄会長の社是・社訓があります。ここからJAWE(日測協)の倫理綱領・5か条に通ずる項目を拾い出し、月・火・水・木・金の5つのグループに分け、毎曜日の朝礼にあわせて部分唱和しています。この5つのグループに該当するSDGsの項目をピックアップすれば、こちらも同様にフィッティングが可能となってくるでしょう。

当社にも、フィッティングの足掛かりがありそうです。会社を始めた当時の創業者の思い(社会貢献意識)と、国際的なSDGsが未来に目指す事とには、必ず接点があるはずです。

 
 2021/01/10   (01/52週) 伸縮はしごを調達
昨年末、当社でも伸縮タイプの梯子を調達してみました。

従来普及している梯子と比べ、伸縮する要素が加わるので、リスク対策の表示がものものしいですね。
また重量的に、重い。地面に近いほうの太い脚から、マトリョーシカ状態でより細い脚が上へ上へと伸びていき、強度の確保がなされています。
この「強度が確保されている」ことの恩恵として、GLから初めの段までの高さに、余裕がつくれそうです。(ゲタにたとえると、高ゲタ状態)

当社では、排ガス測定でボイラー付近の配管の測定口(フランジ)に測定員が寄っていく際、梯子を据える足場の状態が千差万別です。車に積み込む際の収まりの良さや、展開した時の高さに融通が利くなど、ケース・バイ・ケースでこの梯子も選択していけたら良いなと思います。

ミーティングでも「どの車で行くの?」という確認に加え、「どの梯子を持っていくの?」という申し合わせもする。そんな心掛けをしながら今年も1年間、安全作業にて測定して参ります。

 
 2020/12/28   (52/52週) 2020年・当社のレビュー
当社がこの1年で扱った仕事の内容を、振り返ってみたいと思います。
官庁・民間の分類で言えば、官庁比率は昨年同様に減少傾向でした。そんな中、1昨年に受注し昨年失注した案件が、復活しています(作業環境測定1件、排ガス1件)。一時的な参入業者がダンピングしても、採算が合わず、翌年は適正価格で応札したようです。
また官庁系のお仕事では、報告書や速報のお届け後に、仕様書からは想定できないアフターサービスを求められるケースがあり、労力を要しました。私どもの環境計量における第三者機関としての中立性を、もっと認知していただく必要を感じます。

民間系では、まず既存顧客がメインのお客様であることは言うまでもありません。とりわけ来年は、溶接ヒューム法改正への対応が本格化する年度ですので、関連する工場様へ事前のご案内・打合せといった接触活動を盛んに行ないました。また当社が逆に知見を授けていただくこともあり、来年はしっかりご期待にそわねばと思っています。

新規顧客に目を向けると、計15社様とのご縁がありました(製造業9、建築・不動産系4、ビル管・設備系0、産廃・リサイクル系0、医療機関1、学校法人1)。

新規タイアップ先は、準備中のものが2社(労働安全衛生コンサルタント1、集じん機メーカー1)。ただし客先から見た商流についてはよく確認し、当社の本業である測定・分析の出番が豊かになることを主眼として取り組みます。

受託ジャンルで新規性だったものは6件。
段ボール工場におけるコルゲータ・ラインの騒音測定を初めて受注しました。
受電設備のPCB含有分析において、部材採取試験法による分析を初めて扱いました。
焼却設備の排ガス測定において、水銀にまつわる再測定を初めて承りました。
印刷工場におけるプッシュプル型換気装置の定期自主検査を初めて経験しました。
局所排気装置の設置届の作成を支援するサービス(設計内容を事前に審査し、設計上の助言をしながら届出の書類を仕上げていく)を初めて受託しました。
喫煙ルームの風速の測定を経験しました。(改善前・改善後)

既存ジャンルでの受託傾向として、し尿処理設備の活性炭入替えにともなう臭気測定の案件が、今夏に集中しました(既存の3社様より、珍しく同年度に受託)。

年を越せば、新規だったお客様も既存顧客の仲間入り。2021年も当社なりに貢献してまいりたいと思います。

(円グラフは、当社決算期 R01-06〜R02-05 の件数ベースの受注比率。前々期までは作業環境測定と環境計量がほぼ拮抗していたのが、前期より作業環境測定の優位が定着して来ました。)

 
 2020/12/19   (51/52週) 紙のカレンダーや手帳の使い道
年末年始のご挨拶として、どの業界でも私のような営業マンさんが、自社の宣伝の入ったカレンダーや手帳を配っておられます。

今年については、コロナで不要不急の入場規制をかけておられる事業所様もあり、例年よりもカレンダーや手帳の集まる量が少ないかもしれませんね。

そもそも現代において、紙のカレンダー類が絶滅しないのは何故でしょう? 社員のスケジュール管理には、PC版のグループウェアをはじめ、携帯やタブレットに展開できるものも活用されています。加えて今年、いちいち出社しないリモートワークが一気に普及しました。

そんな世相の中、カレンダー(壁に貼るものや小さな卓上カレンダー)に予定を書き込んでいては、「出社しなければ自分(・自分たち)の予定がわからない」という不便さが生じ、丸っきり時代に逆行しています。

……と、そのように私は批判的に思い込んでいたのですが、今年初めて、カレンダーの存在意義を知ることができました。お客様の一人が教えて下さったのです。
商談テーブルの脇などに、ちょっとカレンダーが見られたら、一緒に日程を検討することができるでしょ? なるほど、そういうことだったのですね。


手帳についても、「紙かデジタルか」の論議ができると思います。こちらは職種によって選択が異なるかもしれません。

案件が発生したら、エンドの期日から逆算して即座に工程分解し、サブゴールのタスクを列記していく……そんな職種であれば、紙の手帳もまだまだ現役で出番があるのではないでしょうか。

 
 2020/12/12   (50/52週) こまめに体調管理
年末に来て、大阪はようやく冬らしい寒さを感じる日が出てきました。
測定員の出張先には工場の建屋内、そして屋外(敷地内・外)といったロケーションがあります。

気温というものに対して、作業着や防寒着は「保護具」だといえます。温度(や作業強度)に応じて上着やジャンパー等をこまめに選ぶことが馬鹿になりません。

また当社ではコロナ対策として、従業員の検温の頻度を増やしました。
これまで「出勤前に自宅で検温」だけだったのが、12月9日より「退社時にタイムレコーダ脇で検温・記帳」が増えました。(おでこに当てるタイプの体温計を社内設置)

こまめにチェックすることで、体調の変化への察知を早め、事業所としても的確な判断ができるよう努めております。

 
 2020/11/29   (48/52週) 忘年会が中止に
先週、社長より朝礼で発表があり、(大阪府のコロナ感染者数の拡大状況をうけ)今年の当社の忘年会は中止となりました。
これに代わり、社員同士で自発的に「5つの小」を守りながら行うミニ懇親会を想定し、賞与とは別に少し補助が出るとのことです。

ところで「マスク会食」(食べる時だけマスクの片耳を外し、しゃべる時は戻すやり方)について、私が個人的に気づいたことがあります。
洋食の国は真似しづらいだろうなあ……ということ。

日本は片手でお箸を使うだけですが、ナイフとフォークで両手がふさがっている食事では、マスクの着脱は煩雑過ぎて無理ではないでしょうか?
それでもなんとか「マスク会食」を実現するためには、あらかじめ両手で料理を切り刻んでおき、そのあとフォーク1本で食べながら話す、というやり方にするとか。

ということで、洋食屋さんはサイコロステーキを提供するなど、工夫が要るかもしれませんね。(非常時なので、そもそもお行儀どころではないのですが)

 
 2020/11/21   (47/52週) 寡兵でしのいだ1週間
人の頭数が少ないことを軍隊用語でカヘイ(寡兵)と言うそうですが、先週の当社は、まさにその寡兵で乗り切った1週間でした。

寡兵となった主たる要因は、受講すべき講習会が重なったこと。
作業環境測定における個人サンプリング法の特例講習(2日間)に2名、そして建築物石綿含有建材調査者(講習3日間、後日に試験2日)に1名を投入しました。

社内の技術員のうち、分析と採取を兼務する「多能工」を分母に考えると、1週間は5人×5日=25人工。そのうち上記の講習と、代休などの休みを加えると8人工が欠けましたので、マンパワーが68%という状態で回したことになります。

当該期間の受託業務は、適切な量に計画してあったものの、もし突発的な専門業務が入ったらお手上げでした。一部のお客様にも事前にお願いしていた結果、イレギュラーがほとんど無く助かりました。

講習では「どう測るか」も専門的に扱ういっぽう、そもそも現場の生産や建築が「どうやって行われているか」の解説にも、相当な時間が割かれている……。受講を終えた技術員から、あらためてそのような感想が出ています。

座学・実習をともなう講習に限らず、会社で調達する参考図書からも、そして顧客訪問時(入構時)にも学ばせていただき、私どもの仕事ぶりが時代遅れで陳腐化しないよう、可能な限り心掛けて参ります。

 
 2020/11/14   (46/52週) 職場納涼会を振り返って
今年の7月(大阪府の吉村知事から5人以上の飲み会自粛要請が出る直前)、職場の6人による恒例の納涼会が行われました(会場は居酒屋)。

コロナの時節柄、社長より気をつけるよう訓示もあり、私は試しにフェイスシースドを着用して参加しました(大東商工会議所所属の株式会社コノハナより調達)。

フェイスシールド、初めはとても違和感がありましたが、口元に盃や箸を近づけるときに反対の手でアクリル板を持ち上げるなど、要領がわかってくると、酔っているせいもあり使用感がなくなってきました。

なぜ私がフェイスシールドを着用したかというと、「大きな声を出さずに宴会する」なんて実際には無理だろう、と思ったからです。どちらかというと防御用といわれるフェイスシールドですが、自分がスプレッダーになる対策として「少なくとも同席者へ飛沫が直撃しない」効用に期待しました。

ただし飛沫の直撃は避けられても、胸元付近に滞留していく呼気が、同席者のほうへ進出していくことにも、本来なら対策が必要。そこで「換気」というわけですが、冬場に充分な換気をした室内は、寒いでしょうね。

(こたつや火鉢といった部分暖房に復権の兆し? 焼肉専門店の、テーブル毎の排煙ファンが意外な役目を果たすのでしょうか。焼いているから寒くもないし)

空調服の出現で、人が身につけられる小型の送風ファンが発達してきました。そのような要素技術を組み合わせて、大声で飲み会のできる「新しい生活様式」の出現に期待したいものです。

 
 2020/11/01   (44/52週) 計量法にもとづく業務
計量証明事業所(監督署の管轄でなく、自治体管轄で公害系の測定ジャンル)としての事業許可は、当社の場合、所在する都道府県の大阪府計量検定所からいただいております。

その登録証は、一度発行されると原則、更新がありません。そのため、ISOの認定に慣れておられる事業所様から「こんなに古い発行年度の登録証で、有効期限は切れていないのですか?」と尋ねられるケースがあります。

計量証明の事業登録は、その維持にあたってISOのような定期審査や更新審査はありませんが、不定期に立入審査が行われます。(中2年ぐらい空けば、お見えになったりします)

審査においては、届出てある機材の保有状況の変動や、機器校正の維持の記録、人員(有資格者)の変動、教育の実施状況など、書類の提示を伴って確認が行われます。

これらの確認から、当初発行された登録証が有効であると判定されれば、ISOのように証書が新しく更新されることなく、そのまま登録証が運用されます。

 
 2020/10/10   (41/52週) 全国労働衛生週間 社内の活動
第71回全国労働衛生週間(10/1〜7、スローガン『みなおして 職場の環境 からだの健康』)にちなんで、当社では次のような活動をしました。

◆行事参加
 地元の北大阪管区で開催される、例年の衛生大会にあたる「実施要綱等説明会」が準備月間中の9月18日に開催され、当社からは社長が参席しました。会場では受託先企業の事業主様もみられ、溶接ヒュームの法改正に対する関心の高さがうかがえました。

◆測定現場の安全リスクの確認
 衛生ではなく安全のジャンルになりますが、測定員が客先で少しだけリスクを感じる現場について、状況確認のため巡回訪問を実施しました。
(計2ヶ所。排ガス測定において、足場の確保が難しい現場と、局排点検において、回転物の露出が直近で2回見られた現場。)
いずれも、工夫して安全作業につなげて行けそうです。

◆客先向けリーフレットの作成
 日頃の測定にわざわざ基本契約書を用意するのは堅苦しく、また収入印紙代(料金の記載の無いもので4,000円)のご負担が生じます。そのため、手交せずに当社が一方的にお渡しするだけのリーフレット:「測定に関する弊社の姿勢とお願い事項」を草案しました。
この内容(初版で全12項目)のうち、安全上のリスク対応をとりあげたものが、2項目含まれています。

◆ストレスチェックのカウンセリングの見学
 個人でカウンセリングを利用している社員がおり、その者がカウンセリングに対する普及意識が旺盛なので、自分の受診時に同僚が見学することを毎年オープンに募集しています。
今年も恒例の10月に受診し、2年ぶりに1名の見学者がありました。

作業環境測定士は「衛生管理者の僕(しもべ)」であり、衛生管理者は産業医療に携わるポジションです。測定士も産業医療について幅広く見聞きしておけば、測定という自らの本業に対する洞察力も深まるでしょう。

 
 2020/10/03   (40/52週) 排ガス水銀の再測定を経験
焼却炉などの排ガス測定の分析項目に、Hg(全水銀、性状にはガス状と粒子状あり)を加えることを定めたのが「環境省告示第94号」。その規制が実質的に始まったのが、平成30年4月でした。当社でも受託先の数軒が該当し、(測定料金を組み直して)対応させていただきました。

あれから2年半経って、同規制にまつわる「再測定」を初めて経験しました。

規制によれば、「測定結果の確認方法」>「排出基準を上回る濃度が検出された場合」として、「速やかに3回以上の再測定を実施し、初回の測定結果を含めた計4回以上の測定結果のうち、最大値と最小値を除く全ての測定結果の平均値により評価」とあります。

この意味するところは、定期的な測定で基準値(全水銀で50マイクログラム/立米)を上回るデータが発生した際は、その結果が「平常時における平均的な排出状況を捉えたものか、適切に確認せよ」、すなわち「本当にオーバーしたのか? 再度確認せよ」「オーバーしているのなら、その代表値をあらためて確定せよ」ということです。

当社の遭遇したファースト・ケースでは、計4回のうち後の3回は基準値以内でした。したがって「最大値と最小値を除く……」という代表値の確定を行う過程で、オーバーしていなかった、という評価に落ち着いたのです。(ちなみに再測定したのは、当初オーバーしたガス状Hgのみ。測定は同日に複数回行いました。)

このような法遵守でちょっと手間を要するのが、年間契約を結んでいる受託先様との契約の仕方です。

・(MAXの回数を見込んでおき、)減額単価を取り決めておく。
・(発生した場合の)増額単価を取り決めておく。
・(発注側に主体性を持たせた)別途協議の含みに言及しておく。

今回は、上記のうち最後の形が準用できたので、契約書の差し替えからバタバタ動くといった必要がなく、助かりました。

 
 2020/09/26   (39/52週) 電源をお借りするときの「近道行動」
測定作業でお邪魔した際、サンプリング機材のポンプ等を動かすために、電源コンセントをお借りすることがよくあります。

現場の責任者のかたに断りを入れながら、機材設営をしていきます。
「あそこにあるコンセントを使ってよろしいですか?」、ときには「あそこのコンセントプラグを1つ抜いて、電源を取って宜しいですか?」(※)
(※部外者が抜いてしまうことで生産設備の状態に影響したら大変なので、何にも電源供給をしていないテーブルタップ、あるいは電ドル用の充電器などの場合に限る。)そして、測定員が抜いたわけですから、撤収時には測定員が差し直します。

このような作業手順で行っていたところ、先日、ヒヤリ・ハット事例が発生。

抜いたものを差し直した際、(コード部分の絶縁不良で短絡し、)火花がスパークしたのです。幸い負傷者も出ず、粉じん作業場であったため引火事故も起きずに済みました。

この経験により、当社も作業手順を1歩、整備したいと思います。
「客先設備のコンセントの抜き差しは、どんな単純な機材であっても、お客様にお願いする」。
こういうことは、測定員の直談判に委ねるだけではなく、現場で遠慮なくお願いできるよう、契約時にあらかじめ管理部門様に周知を依頼しておきたいものです。

 
 2020/09/19   (38/52週) 5月連休ごろの自粛営業
今年の5月連休ごろ、受託済みのサンプリングは粛々とこなしていましたが、コロナの影響で営業部の社外活動がとても制限されていました。アポイント無しで社用車に乗って外出したところで、訪問を受け入れて下さるような状況ではありません。とび石の稼働日など、1日中電話の鳴らない状態で事務所に座って過ごし、会長も私もバイオリズムが変になりそうでした。

そんな時期でしたがプラスに受け止め、「普段なかなか手をつけられなかったことをしよう」と、4点ほど取り組んでみました。

・ホームページ画面の整備
・工場様向け「集じん設備の簡易診断サービス」の企画検討
・工場様向け「局排清掃サービス」の企画検討
・業界紙への投稿
(※一般広告にはならずとも、社名が掲載されればステータスが上がる)

真ん中の2つは、すぐには道筋がつかないまま今に至りますが、初めと最後は実際に活動ができました。

業界紙への投稿は、(公社)日本作業環境測定協会の機関誌『作業環境』の固定コーナーである「私もひとこと 〜測定士の談話室〜」を照準にトライしました。読者コーナーのような気軽な枠ですが、採用・不採用はダメでもともとのスタンスで、投稿内容については私に一任されました。

結果として投稿が採用され、先日発刊の9月号に掲載されましたが、ハードルは低くなかったと思われます(たいていは名のある人が編集部の依頼に応じて執筆しておられるので)。私も規定が10枚(4000字)のところ、2回書き直して決定稿にするまでに50枚ぐらい書いて推敲し、絞り込みました。

初めにver.1として思いついた内容は、「中途入社で採用していただき、感謝して勤めています……」という身の上話でした(事実として自然に思いつくので)。しかしそれでは「測定士の談話室」という趣旨とはズレがあるので考え直し、次に「測定士は自社の営業マンを育てることも仕事」という切り口を思いつきました。その路線でほとんど原稿が仕上がっていたのですが、さらにもうちょっと話を広げ、しかも統一感のある構成で書けそうなことに気づいてしまいました。(泣く泣くver.2を捨てることに)

そうしてできた(原題)「マスクを手作りするが如く」が、投稿後に機関紙編集部の校正・編集を経て「手作り資産で作業環境測定業務を改善」というタイトルで仕上がり、掲載していただけました。(編集の入った校正原稿を事前に送っていただいた時、その仕上がりに『さすがプロの編集ってすごいな』と思いました。紙面の統一感と見事に合っているのに、内容はまぎれもなく私の原稿なので。)

ただ「改善」という言葉は、製造業では市民権を得て久しいですが、一般の感覚では現状否定、批判精神の表れ、と受け止められるリスクがあります。そのせいなのか、「よく投稿してくれた。わが社のステータスが上がった」とねぎらってくれる人が社内に一人も居ないことが、少々さびしい所です。

 
 2020/09/05   (36/52週) 個人サンプリング法の書籍が入荷
作業環境測定の新しい手法である個人サンプリング法を学ぶ講習を、当社の測定員もこの11月から順番に受講する予定です。

先週の初め、その講習で使うテキストが1冊、郵送されてきました。
講習は受講者があらかじめテキストを入手する必要があり、それが早々に届いたと思ったのです。

ところが注文してあった部数と異なるし、一同で「何かな?」と思って荷姿をよくよく確認すると、JAWE(ジャウエ/日測協)からの郵送物でした。つまり、JAWEの会員企業への特典として、進呈されたもののようです。

受講者は、あらかじめ下読みなどできるので、重宝しています。

 
 2020/08/29   (35/52週) 物置タイプの喫煙ルーム設置時の注意
物置タイプの喫煙ルームを、屋内(建屋の壁から離れた位置)に設置する際は、排気の設計に注意が必要です。弊社のお客様が貴重な体験をされたので、ご紹介します。

工場で受動喫煙対策をすることになり、いつも営繕をお願いしている工務店さんに施工を頼んだ、というお話。

建屋内・現場フロアの中央に、喫煙コーナーがあり、そこを物置タイプのボックス(四角いコンテナハウス状)で囲い、中でタバコを吸えるように検討。緻密な設計をしているとコストがかかるし、工務店さんも「有圧換気扇をつけるから大丈夫!」とのことだったので、お任せしたとのこと。

工期中、まず物置を据付け、換気扇をつけた段階で風速を測ってみた。「ドアを全開にした状態で上段・中段・下段の風速が0.2m/s以上」というのは、この時点で楽々とクリア。ガラリの付いたドアが、内側にしなるほどの吸込みだった。

そこから工期が続行します。換気扇の出口にSUS製のチャンバー(四角いボックス)をつけ、そこからダクトで天井まで排気する……というダクト系を構築。ところが、ここまで済んでから測定すると、なんと風速が0.1あたりをフラフラする状態に。

工場から改善を強く要求したところ、工務店さんが知見を集め、次の改善を行いました。

1.壁の換気扇で「押す」のをやめ、離れた軸流ファンから「引く」ようにする。
2.チャンバーの内壁をなめらかする。(気流の乱れ防止)
3.ダクトを太くする。(内壁の摩擦係数の改善)

これらの対策により、風速は規定の 0.2m/sをクリアしました(この測定は弊社が担当)。

当初、工事前に弊社へ測定のオファーをいただいた時点で、いちおう「設計の簡単な審査をしましょうか?」と申し出ていたのですが、もう段取りが固まっておりアドバイスの出番はありませんでした。
しかし、たとえ絵を拝見していても、上記3点のような改善案を瞬時に思いつかなかったでしょうから、この事例は(お聞きして)たいへん勉強になりました。

ちなみに講習の演習では、チャンバーの圧力損失係数は、入口(拡大)と出口(縮小)で番地数が2ヶ所の扱いとなり、それぞれ1.0と0.49などにします。90度ベンド(エルボ)の0.21などに比べ、アイテムとして随分と大きい抵抗となり、ファンの馬力を抑え込む点が要注意です。

 
 2020/08/22   (34/52週) 溶接作業の初歩をマンガで情報収集
当社も測定機関として、溶接ヒュームの法改正(R3.4〜)に対応する準備をしていますが、対象となる作業や作業場の分類に関する解釈が難しく、苦戦しています。

「どうしてこんなに分かりにくいのだろうか?」とミーティングで毎度のように議論白熱しているうちに、技術員の1名に新しい動きが出ました。その1名は、自己研鑽として図書館で関連図書を借りたそうです。「トコトンやさしいシリーズ」という漫画で、溶接の分を読んでみたとのこと。

よくよく考えると、私どもは測定でしょっちゅう「溶接現場にお邪魔している」ものの、「溶接作業そのものを理解している」というレベルではありません。とりあえず知見補充の入り口として、漫画を活用するのも一助になるのでは? と思われました。

そこで、すでに技術部は「トコトンやさしいシリーズ」の内容を共有できるので、営業部としては別の漫画を調達してみました。(もちろん両部門で活用するため)

11月に当該法規の測定に関する講習会を控え、これらの漫画に目を通しておいたことが、受講者の理解の下支えになれば幸いです。

 
 2020/08/01   (31/52週) 環境計量・点検時の安全配慮
事業主には、従業員(雇用関係は不問)にとっての安全配慮(労災・健康障害の防止)と職場環境配慮(ハラスメントの防止)に対し、未然防止や改善のアクションを起こす義務があります。

当社は工場ではないので、ラボの操業に伴う物理量は少ないのですが、サンプリングの出張先では勝手が異なります。作業環境測定の現場は比較的問題ないのですが、環境計量や点検に類する作業では、ときに注意を要します。

今年、当社が取り組んでいる安全配慮の事例案件です。

【事例1】排ガス測定における、熱風による火傷の防止
・設備:官庁施設の炉
・設備の難点:フランジ(測定口)が無く、屋外排気口にて要測定
・課題の共有:施設のご担当者と共有。
・対応状況:次回更新まで気をつけて作業する。(自衛用の盾を試作中/写真)

【事例2】排ガス測定における、転落防止
・設備:食品工場のボイラー
・設備の難点:高所のフランジに寄るのに、設備の間隔が狭く脚立が立てられない。
・課題の共有:施設のご担当者と共有。
・対応状況:当社の社長と営業員が見学に来訪。打合せの上、ご担当者が専用の台を用意して下さり、初回測定が無事に終了。

【事例3】局排の定期自主検査における、巻き込まれ防止
・設備:塗装ブースの局排
・設備の難点:ファン駆動部分のカバー類が腐食し、脱落している。
・課題の共有:当社技術員→営業員(・社長)→施設側ご担当者、まで共有している。
・対応状況:危険度の見解に温度差があり、これから実地検分の機会をセッティングしていく。

【事例4】排ガス測定における、火傷の防止
・設備:印刷工場のボイラー
・設備の難点:設備が更新されてから、設置場所での人の動線がせばまり、熱を持った部材に触れそうになりながらの移動となる。
・課題の共有:当社技術員(/営業員)→施設側ご担当者→管理部門、まで共有。
・対応状況:施設側の管理部門の見解が、とりあえず「業者のほうで工夫して下さい」とのこと。

設備のユーティリティー部分というのは、付加価値を生み出す表舞台の舞台裏であって、「測定・点検をする人にやさしい、行き届いた環境」というわけにはいかないケースがほとんどでしょう。

われわれ環境計量や点検を受託ジャンルに持つ業種は、自身の活動そのものが「お客様にとっての非定常作業」であることを常にわきまえて、自衛のスキルも含めて期待を背負っている……という立場のもと、課題は課題で共有していただきながら安全を確保してゆきたいものです。

 
 2020/07/18   (29/52週) 新人研修が終了、配属へ
本日7月18日は、現社長の就任記念日です。(満3年、決算4期目)
さて今春に入社した学卒新人の女子1名が、無事に研修期間を終え、技術部に正式配属されました。

この3か月ほどの研修期間中、ラボで体験した分析作業は32項目(すべて実作業のOJT)。そのうち当社でオリジナルの手順書を用意していない3割の作業については、分厚いJISの本を直接読んで実施する体験をしました。
出張サンプリングについては、週に1〜2回先輩に同行し、経験を積みました。(排ガス測定・作業環境測定・採水・空気環境測定など)
自動車の運転の訓練(社員が指導)については、構内で4回、路上を5回こなしました。

ユニホームには白衣と作業服がありますが、ほとんどを作業服で過ごしました。(昼休みにボールで遊んだりするので、着替えが忙しい?)

研修期間の満了をもって、社長より配属辞令の手渡しがあり、本配属初日にミーティングで全員に訓示がありました。
「働きぶりは今までと同じで良いですが、社会人としてさらなる自覚に期待します。先輩社員たちも、(研修期間が済んでも)今以上に手ほどきをすること。」

給与の締めの7/21付けで職務分担表が改訂され、新入社員はいよいよ技術部内の職務分担に組み込まれます。

 
 2020/07/11   (28/52週) 安全週間にゴーグルとお茶・野菜
恒例の安全週間が、今年もコロナの影響下で訪れました。
(第93回全国安全週間、7/1〜7/7)

当地管轄の北大阪労働基準協会支部は、安全大会に代えて実施要綱説明会を開催(6月24日 守口門真商工会館)。特別講演の演者を招かず、1時間のコンパクトな講習を実施なさいました。

当社の取り組みとしては、防じん眼鏡を、共用から個人支給に切り替えました。(ゴーグルほどの密閉度はないもので、眼鏡の上から装着できるタイプを新規調達)

その他、熱中症対策として、出張する測定員のために、毎日お茶が支給されています。(名前を書いたマイ・ペットボトルに社長がお茶をつめて下さいます)

また社長宅の家庭菜園の夏野菜が、なり盛りを迎えており、ナスビ・シシトウ・トマト(プチトマトよりやや大きいもの)などが週に数回、社員に配給されています。
これも熱中症対策になっているかもしれませんね。(会長夫妻の出勤前のガーデン・ワークが頼りです)

 
 2020/07/05   (27/52週) 戯れに積極性を分類してみる
分析の会社で営業部に所属しているせいか、人のもつ積極性についても、私の頭は自然と分析モードになっています。

「何事にも積極的な人」と、「何事にも消極的な人」というだけでは、積極性の総量(トータル・ボリューム)しか見ていません。そこへ、その積極性の配分先として、「どうでも良い事」と「肝心な事」を加えると、個人差の類型は2つでなく、4つになります。

【1類】どうでも良い事に積極的(↑)で、肝心な事にも積極的(↑)な人
【2類】どうでも良い事に消極的(↓)で、肝心な事には積極的(↑)な人
【3類】どうでも良い事に積極的(↑)で、肝心な事には消極的(↓)な人
【4類】どうでも良い事に消極的(↓)で、肝心な事にも消極的(↓)な人

私は自分の本性を、「やや【3類】寄りの【4類】」だと思っており、そこから社会化するために、「できれば【1類】を目指しつつ、最低限は【2類】を確保」できるよう、心がける習慣がついています。

若い人はバイタリティーの総量が大きいので、積極性を全方位に向けたほうが、相乗効果で活力が増してくる「かけ算」の世代。
それが中高年になると「引き算」の世代へと移行していきます。なけなしのバイタリティーをかき集めて、必要なことから使っていく感じですね。

ちなみに大阪近辺の表現では、どうでも良いことに積極的な傾向を「うれしがり」と言い、肝心な事に消極的な傾向を「あかんたれ」と言います。「あかんたれ」な人種には2種類あって、【4類】のあかんたれは素直で愛すべきタイプ。そして【3類】のあかんたれは、残念で心配になるタイプ。(私人の例:結婚適齢期なのにお見合いを拒絶して趣味に入れ込む。公人の例:社業そっちのけで社外交流に入れ込む。)

心配な点は、かけ算が成立していないのに、かけ算の真似事だけを繰り返していること。それでは引き算すら出来ていない状態が長期化し、公私いずれのケースでもそれ相応の影響が出てくるでしょう。そして個人レベルだけでなく、周囲にも波及して行きます。

けっして「あかんたれ」はダメだと非難するつもりはないので、そのニュアンスがわかっていただけたら幸いです。私の本性も「あかんたれ」です。


 
 2020/06/27   (26/52週) 社員に抗体検査を実施
当社では先週、社員本人とその配偶者を対象に、新型コロナウイルスの抗体検査を実施しました。

検査キットはジャパンヘルスケアサービス株式会社が販売するもので、当社社長が現在世話役をしている日本YEG(地域ごとの商工会青年部の連合会)が企画する「YEG抗体検査データ収集プロジェクト」を利用して調達したものです。

検査方法は、キットに付属の針で指先から数滴の血液を採り、ペーパークロマトグラフィーのような感じで浮き出た線の位置や数によって、A・B・C・Dのカテゴリーで判定を出します。作業全体の所要時間は15分で、当社では各自の自宅で行うことにしました。

A:非感染者。または、抗体ができていない。(偽陰性率も数%あり)
B:感染能力ありの可能性が否定できない。(偽陽性率が10%程度あり)
C:人に感染させる可能性は低い、かつ感染しにくい。
(過去に感染した可能性有り)
D:治りかけの可能性があり、Bより感染の可能性は低い。
(偽陽性率が10%程度あり)

さる6月22日(月)〜23日(火)に判定を行い、結果は社員とその配偶者の全てが「A」判定でした。


ちょうどこの6月下旬から7月下旬にかけて、サンプリングで訪問する事業所のうち医療機関・医療系が3軒、そして水道水のインフラを司る大阪広域水道企業団の4施設のラボが含まれ、予定されていました。
(どの法人様も大切ですが、上記はとりわけ当社社員がキャリアーとなって入場してはならない先だと言えます。)

その直前に、このような検査で確認ができ、ひとまず安堵しております。
(もし「B」判定や「D」判定の技術員が出た場合、念のため出張チームから外しておく措置のほか、出勤についても判断材料となっていたので)

今後とも検温や消毒を怠りなく、続けて参ります。

 
 2020/06/13   (24/52週) サーバー復旧時のデータ保持
木曜日の朝、始業前にパソコン端末をつけると、珍しいことに端末がサーバーにアクセスできません。
保守をお願いしているITディーラーさんにサポートしてもらうと、サーバーの電源が切れていることが判明。出張修理で診てもらいましたが、どういうわけか起動しないので、筐体を持ち帰っての修理となりました。

さて業務を継続するためのデータの復元ですが、バックアップデータは補助デバイスにあるものと、クラウドに退避したものがありました。修理中は補助デバイスを仮のサーバーとして運用することになりました。SEさんに各端末からのショートカットを付け替えていただき、その日の初動対応は完了。

その後、「さり気なくもとんでもないこと」が発覚しました。情報系のデータ保持に不具合が起きていたのです。

不具合といっても、「必要なデータがバックアップできていなかった」のではなく、不要な古いデータがよみがえり、最新のデータと併存している……という状況です。

仕事でパソコンを活用する際のディレクトリ構造というのは、仕事の状況が進むにつれ、いわば人為的に最適化していきます。画像の「枚方市」の例ですと、枚方市の記録が大きくなってきたので、年度別に分けていこうか……などと、ファイル名をつけ替えて行くのです。そこへ年度のない、かつての「枚方市」が突如復活している。こんなケースなら、利用者が気づいた時に削除をしておけば、以前の最適化に戻れるでしょう。しかし、「寝屋川市」の例にあるように、施設ごとのファイルにしていったところへ単なる「寝屋川市」がさりげなく復活していると、本当にここ独自の記述内容が無いかどうか、人が手間をかけて確認して行かねばなりません。

このようなことが、もし基幹系システムで起きていたなら、その復旧の手間は相当なものになるでしょう。

バックアップとは「(適切に)復元できてこそ」のバックアップ。
ウイルスに感染したわけでもない、ましてやサイバー攻撃を受けたわけでもない。1つの機器が「突如クラッシュする」というのは危機管理上、充分に想定内の出来事のはずです。これが適切に復元できなくては困りものです。

さて、ITディーラーさんの「当たり前の」フォローと再発防止に期待します。

 
 2020/06/07   (23/52週) ヒュームの法改正、解釈に奮闘
4月22日付け官報で、溶接ヒュームと塩基性酸化マンガンが特定化学物質として規制されることが正式に報じられました(関連法規を改正する省令・告示)。これらの施行(令和3年4月1日)にあたり、当社でも測定受託先企業2社様より「うちの場合はどう対応したらよいか?」と問合せをいただきました。

目下、社内勉強会を開いてこの法改正の解釈に奮闘しています。

【発端】
厚労省から労働局長(都道府県ごとの監督署の本丸)に発せられた「基発0422第4号」によれば、
・溶接ヒュームのばく露による肺がんのリスクが上昇している。
・溶接ヒュームに含有される)マンガンによる神経機能障害が多数報告されている。

【状況】
・大きな変更であり、関連諸団体がこれに対応するべく、意見募集(パブリック・コメント)などのアクションが進められています。
・今回の実施義務に含まれる「個人サンプリング」という手法自体が、まだ定着していないものにつき、未知の要素・周知されない要素が余計に多いです。
・金属アーク溶接では溶接不良を避けるために溶接点での風速制限があります。局所排気装置の設置をただ形式的に要求しても無理があるので、そのことへの配慮が規制の内容を複雑化(現実化)しているようです。

【法改正の骨子】
当社なりに、今回の法改正を次のように大づかみしています。
 §ヒュームを特化物として、扱いを立ち上げた。
         ↓
 §(ただし監視は作業環境測定ではなく、個人ばく露の扱いにて)
   数値は作業環境測定のものを使うが、判定は無い。
         ↓
 §監視状態が悪ければ、換気は全体換気で良いので、保護具で衛れ。

【戸惑う点】
・分類。分類表でもなければ理解しづらい複雑さ。(画像は当社が仮に作ってみたものです。)

・ヒュームの定義。事業所の管理部門の方は、「結局うちなら、どの作業場でヒュームが出ているのか?」(『継続して行う』という表現は、粉じん則の『著しく発散する』のような見解の相違をはらんでいる。)

・作業場の二重定義のばらつき。これまで粉じん則由来の作業環境測定を行い、特殊健康診断もじん肺のほうを行ってきた作業場については、(それを継続しつつ)特化物のジャンルがつけ加わるのが妥当と思われる。一方、じん肺系のフォローをして来なかった作業場については、特化物由来のフォローのみを新規で行うといった差が出てしまう?


今回の法改正への対応は、このように混乱を伴いますが、個人サンプリングという手法がなぜ出現したのか(日本の作業環境測定の分野になぜ進出してきたのか)を具体的に理解するための切り口となるようです。

(労働安全衛生において『場所』という概念が希薄にならないのであれば、管理がより効果的な形にチューニングされていくのは結構なことです。)

 
 2020/05/23   (21/52週) お茶の間にNITEが登場
土曜日の朝、NHKニュースで「NITE(ナイト)」がURL参照先として報道されました。話題は新型コロナウイルス対策として消毒に有効な物質に関するものです。

◆ナイト>お知らせ
https://www.nite.go.jp/information/

物質ネタで「ナイト」と来れば、安全衛生にたずさわる者としては「ナイトクリップ」を連想します。化学物質リスクアセスメントに取り組む際、初期リスク評価書など文献紹介が読める、総合的なデータベースです。

◆ナイトクリップ NITE-CRIP 化学物質総合情報提供システム
https://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/systemTop

テレビで言っていた「NITE」も、これと同じく(独立行政法人)製品評価技術基盤機構が運営しているようですね。

 
 2020/05/02   (18/52週) 換気の奨励を裏付ける局排講習
最近、コロナ対策で換気が奨励されています。
空気感染を起こさないコロナに、なぜ換気? と初めは不思議な感じでしたが、くしゃみの飛沫を特殊な画像処理で追った映像がテレビで紹介されると、「ああいうのを避けるための換気なのだな」と納得する方も多かったと思います。

私ども測定機関は工場換気にも携わっていることから、局所排気装置にまつわる講習会を受講したりします。そのなかでも、換気の重要性を裏付ける基礎知識が紹介されていました。

「ストークス(Stokes)の抵抗」
1つの粒子状物質が空気中を重力で落下する場合、空気の粘性に応じた抵抗を、落下方向と逆向きに受けつつ落ちていく……というもの。

無風状態で常温の空気中のモデルで、水滴の落下を考えた場合、粒径0.1mmでは約0.3m/sの「終速度」(落ち始めからストークスの抵抗と拮抗し、最終的にゆっくり一定の速度で落ちていく速度)となり、粒径が0.01mm(10ミクロン)となれば、終速度は0.003m/sとなる。

要するに、ガス状ではない飛沫などのごく小さな粒も「なかなか落ちてこない」か、「永久に落ちてこない」ような調子で浮遊している、ということですね。

 
 2020/04/25   (17/52週) コロナ対策の取組み状況
先週月曜日あたりで、当社自身のコロナ感染予防の対策がほぼ出揃って参りました。

会社への出勤は、原則として当日起床時の体温が37.0度以下の人に許可されます。

マスクは、工業用のものも通常のものも100%会社支給が軌道に乗りました。
(取引先・関係先のご厚意に少しずつ助けられ、誠に感謝です)
通常のマスクは節約のため、サンプリング出張時や電車通勤時は使い捨てを用いますが(当日中に廃棄)、そのほか社内〜会社近辺で過ごす際を念頭に、布製マスク(社長夫人の手作り)が社員に2枚ずつ支給されました。

消毒液は、2種類のスプレーを常用し、社屋内外や機材の洗浄、ならびに車両や出張チームの身なりの洗浄(入構時)に用いられます。

社員の通勤については、電車通勤組を対象に社用車を貸出したり、時差通勤を推奨しています。マイカー・単車を持っている社員は、自主的にそれを用いております。

テレワークは、業種的に実施が難しいのですが、総作業時間における通勤頻度(出勤日数)を低減する工夫を始めています。

また情勢のニーズに応じて、これからも社長が手を講じていくと思われます。

 
 2020/04/04   (14/52週) 出勤前の体温計測を開始
先月末から当社所在地の寝屋川市も、新型コロナウイルスの感染者がゼロではなくなったようです。(市のホームページ/拡大抑制は比較的うまく出来ている様子)。

そんな中、当社内では社長通達にて、4月1日から社員各自が毎日出勤前に、自分の体温を測定することになりました。

37.0度を超える体温のあった場合は、基本的に出勤せず待機。会社に連絡し、指示をあおぎます。(同居家族に変調のあった場合も、これに準じる)

問題なく出勤した者は、タイムカードを通した後、傍にあるバインダーに記入をします。(朝の体温・朝食が食べられたか・電車組はマスクを着用して通勤したか)
バインダーへの記入は、役員も行っています。

 
 2020/03/20   (12/52週) 学校関係の見学を受入れ
晴天だった火曜日、専門学校でこの春まで学んでおられた男性1名・女性1名が、見学に来られました。

当社で対応させていただいたご紹介コースは、実質2時間のささやかなもの。来社された方にとって、少しでも収穫があれば幸いです。

ひとくちに「ラボで分析する」といっても、その対象が産物(これから商品や産業資材になるもの)なのか、副産物(商材の製造過程でついでに発生するもの)なのか、に大別されます。私どもの業種は、副産物のなかでも人体・環境にマイナスな有害物質の量をはかることが、日々の取り組みとなっています。

したがって分析のジャンルとしては、華やかなほうではなく地味なほう(その証拠に、業界がドラマや小説の舞台にならない)。そんなジャンルを扱う日々を、「誰かがやらねばならない」という使命感から前向きに取り組める人が、この世界に定着している人だと言えるでしょう。

なにぶん当社の企業規模は、大手・中堅・中小・零細のなかでは後ろのほうなので、ご来社いただいても分かりやすい紹介スタイルとはほど遠いもの。それでも毎日出勤する仕事場に愛着を持ち、「自分の出来事」として仕事に関わっていることぐらいは、感じ取っていただけるはずです。

今後とも、学校関係の見学受入れ(事前予約により、1回2〜3名)に備え、当社なりにより良い収穫をご提供できるよう心掛けます。

 
 2020/03/14   (11/52週) 社員向けの保育を受入れ
先週は1日だけ、社員の子供を会社で預かりました。うまくいき、楽しい1日となりました。

対象は、4歳の男の子が1名。
普段はこども園に通っているお子さんで、そこが休園中でした(政府要請から新型コロナウイルスに備えた期間)。
奥さんも働くご夫婦で、シフトの調整がどうしても1日つかないということで、会社に水曜または木曜の受け入れ希望を申し出。息子同伴で出勤できれば…… というわけです。(もちろん、パパに現場サンプリングの無い日を狙って)

会社側は、基本的にこれを歓迎。なにせ現役で事務を仕切る会長夫人は、小学校の教職経験者ですから、何ほどに構えることもなし。さらに木曜であれば、社長の妹君が娘さん同伴で加勢できるとのことで、受入れ日が木曜日に決まりました。

当日は、幼い元気な声で「オネガイ、シマスッ」と声を聞かせてもらえると、会社の一同もたちまち和やかムードに。以下、次回に備えた覚書きです。

◆送り迎え
 満員電車で引率するリスクを避け、前日から社用車を貸与するか、電車でも時間差をつける。

◆保育室
 ラボはガラス容器が林立して危ないので、居住区域の応接室を常駐位置とする。(トイレまでの動線も安全確保)
 パパはときどき顔を出し、あとは常時1〜2名が入室している形で、一緒に遊ぶ。

◆持参物
 上履き。
 腰掛け(イス)は今回、意外にも会社にあるもので代用できた。
 遊具。今回は会長宅のお孫さん用の古いものが活躍(電車のジオラマ組立てセット、樹脂製)。
 昼食。今回はお天気がよく、表の駐車場で社員とともにお弁当を広げました。

お昼寝なしで、大丈夫だったかな?

 
 2020/02/29   (09/52週) 新型コロナウイルスと社業
現在、新型コロナウイルスによって市民生活・産業活動に本格的な影響が出てきていますが、当社の状況は次のとおりです。

社員にとっては、通勤や家族のケアで気を遣う面・協力し合う面が出ているようです。

社業については、設備系の案件が一部保留になったりする程度で、本業である測定・計量での延期・キャンセル等は発生しておりません。
また社内での分析作業に必要な試薬・部材等の品薄・欠品等も発生しておりません。

ただし、お客様の事業所では普段にない対応案件に追われてらっしゃるでしょうから、私どもはその背景を少しでも理解しつつ、測定先への訪問等をしていかねばと思います。

業務煩雑な折、安定操業をご祈念申し上げます。

 
 2020/02/22   (08/52週) 溶出試験の前処理
土壌を分析する際、判定のバリエーションに「有害物質が隠れていても、雨水や地下水脈を通じて浸み出てこなければ、良しとする」という独特な尺度があります。

そんな溶出試験を行う際、土をまず乾かし、振とう機にかけて粒度のこまかいサラサラの検体に整えます。その前処理ができたら、ドリップコーヒーのように水をくぐらせます(水の重量の10%が土の検体という比率)。つまり直接分析しているのは、水ということになります。

当社で溶出試験をお請けする際の見積書に、含有量試験にはない「溶出料」という料金が積算されていますが、前処理にこのような時間と手間がかかるからなのです。

ちりめんじゃこでも、天日干しのじゃこは高いですよね?
自販機のコーヒーでも、インスタントよりドリップコーヒーが高いですよね?

ご理解いただければ幸いです。

 
 2020/02/08   (06/52週) 社屋の温度計を更新
さる1月23日、会社の建屋内で使う乾湿温度計を更新しました。
(厳密な分析用途ではなく、居住区での室温確認用)

これまでの古めかしい水柱タイプのものから、いきなりデジタルに変えたのは、計画的というより社長の偶然のひらめきから。ホームセンターを訪れた際、『在庫処分』と掲示されたワゴンの中にあるデジタル温度計たちが、社長の目に飛び込んできたそうです。

そうだ。うちの社内では室温が(冬に)あたたか過ぎたり、(夏に)寒過ぎたり、温度調節が少々ルーズな感じだ。でももし、こんな数字がバーンと出る温度計があれば、社員に対する意識づけとして、(エアコンの設定温度ではなく)現状の温度がひと目でわかっていいなあ……。そのようなひらめきのもとに、温度計が数台、当社に引き取られていきました。

このひらめき、大げさにいえば「温度調節を怠ってエネルギーを浪費しない」、そして「廃棄されそうだった機器に出番を与えた」という2つの観点から、SDGsの心がけを実践したことにつながるかもしれませんね。

 
 2020/01/25   (04/52週) 霧の日の路上運転と照明
先週の金曜日は、朝から珍しく霧が出ていました。

会社で朝のKYミーティングの際、京都方面の山間部へ出張する人に、「霧に気をつけて」との声かけがありました。

そこから、「どのように気を付けて走るのか?」という話題になりました。
「フォグランプの付いていない社用車もある」との発言に、「『フォグランプ』って何ですか?」との声が。世代のギャップで盛り上がるやら、驚くやら……。

実際にその日、マイカーで通勤した人は、(路上の他の車にならって)スモールランプを点灯して走ったようです。霧の日の照明は、自分の視界は改善されないものの、車同士、お互いの場所がわかり易くなるようです。

ミーティングでは、「対向車にLEDの前照灯をつけられると、あたり一面真っ白に光ってしまい、何も見えないときがある」という体験談が出ました。

滅多にない道路コンディションにおける法令・マナー等は、誰も慣れておらず、とりあえず他愛のない情報交換となりました。

 
 2020/01/19   (03/52週) よく噛んで得られること
メタボ対策について、聞きかじりの情報を社内で披露し合うなかで、「よく噛んで食べる」というのが登場。
ひと口ごとに30回ぐらい噛んで食べる習慣をつけたら、やせるらしい。有名人の誰それさんも実践しているらしい……。

それを思い出しながら、休日に歯医者さんへ治療に行って来ました。
すると先生から、「認知症予防のためにも、歯は大事にしないといけない」というレクチャーが。

咀嚼(そしゃく)する(=噛んで食べる)ことから縁遠くなると、脳に血流が行かなくなり、脳細胞が機能停止して認知症が進んでいくとのこと。そして咀嚼ができるというのは、高齢でも歯が残っていて実現(あるいは歯がないならちゃんと義歯で補って実現)する。中高年ぐらいで歯周病の進行をどれだけ抑え込んでいるかが大切。そんなお話でした。

よく噛んで食べることのメリットを、2つ仕入れた感じです。
(あとは実践次第……!?)

ちなみに医療機関で認知症外来という診療科があり、最近普及してきたファンクショナルCTという検査機器で、血流部分に赤い着色をして(認知症が始まっているかどうかの)読影判定をしてもらえるそうです。

 
 2020/01/04   (01/52週) 若者の活気が伝わる測定
本年もよろしくお願いいたします。

昨年、ある測定現場で空気中の二酸化炭素の量が印象的でした。高等学校の授業中の教室にお邪魔し、空気環境測定(温度,相対湿度,浮遊粉じん,気流など)を実施していた時のことです。

生徒の皆さんが黙々と練習問題を問いている時間は、二酸化炭素(CO2)が700ppmぐらいを示しているのに、班に分かれてグループ討議のようなものを始めたとたん、ぐんぐん数値が上がって2000ppmに軽く達しました。(どうやら「話す」ことで、呼気の総量が増してそうなったのでしょう)

昨今、CO2といえば地球温暖化の原因として、悪玉のレッテルを貼られた感が。しかし教室で若者が対話して起きる二酸化炭素量の上昇は、(静かにお邪魔している)私たち測定員にとって、神々しささえ感じられる出来事でした。

若者の皆さん! 今年も活発な生活を送ってください。皆さんの存在そのものが、日本の未来です。

そして、室内の空気を浄化するには、自然換気(窓を開けるなど、単純に外気をとりこむこと)が何よりベストですよ。

 
 2019/12/29   (52/52週) 2019年・当社のレビュー
当社がこの1年で扱った仕事の内容を、振り返ってみたいと思います。

官庁・民間の分類で言えば、官庁の比率が少ない年でした。
そんな中で、学校関係の案件は多い目でした。直接取引き・孫請けの区別なくカウントすれば、公立の小・中・高等学校・保育所で計6校(私立で2校)に訪問し、建材アスベスト含有分析や絶縁油PCB含有分析、空気環境測定などをさせていただきました。

民間系では、まず既存顧客がメインのお得意先であるのは言うまでもありません。各社様の、しっかりしたご操業の中で微妙に変動する測定ニーズにお応えしていました。ただし当社側がもっと工夫して、その顧客の作業場ひいては事業所に対する理解を深め、法令ニーズの変化に合わせたご提案などもしていくべきと思われます。そのあたり、来年は取り組んでいきたいものです。

新規顧客に目を向けると、計19社様とのご縁がありました(製造業7、建築・不動産系6、ビル管・設備系3、産廃・リサイクル系1、医療機関1、学校法人1)。

新規タイアップ先は2社(害虫駆除1社、局所排気装置の設備業者1社)。いずれも引き合いに応じた(初っ端の)案件ではなく、2案件目で、当社元請けによる初受託案件となりました。

受託ジャンルで新規性だったものは6件。
試験・研究的要素のある振動測定で、公害系のZ軸だけでなく、Y・Zも含めた3軸で拾った案件を頂戴しました。
局所排気装置の関連では、当社が設備代理店としてプッシュプル型換気装置を初めて提供。また、別の新規取引では(測定を請けずに)局排の定期自主点検だけを受託するケースも。局排点検は現在、当社内で受講修了者を増員し、知見・ノウハウを整備している(理解を深めつつある)ところで、来年は既存の受託案件についてもレベルの底上げが見込まれています。
解体工事前などの建材アスベスト含有分析においては、実測判定すべき検体数を絞り込む事前調査(スクリーニング)までを、仕事としてお請けするケースが出てきました(官庁1件、民間1件)。
空気環境測定では、「学校保健安全法」由来の測定を初受託。高等学校の授業中の教室にお邪魔して測定をしました。
医療機関では、エチレンオキサイドを使用した滅菌作業場の作業環境測定を初受託。(長年、PR活動をしていたので喜ばしい出来事でした)

全体として、「計量証明ならこんな形」「作業環境測定ならこんな形」といったものではない、規格外のお仕事が随所に見受けられた1年でした。自分達にとって、現在は「規格外」かもしれないが、そんなお話をいただける環境の中で、本業への取り組みに新鮮味を見出し、また本業の定義も柔軟に見直していきたいものです。

年を越せば、新規だったお客様も既存顧客の仲間入り。2020年も当社なりに貢献してまいりたいと思います。

 
 2019/12/21   (51/52週) ラボ系・採取現場で白衣の着用開始
サンプリング(検体の採取)に伺うときの格好は、当社では例外なく作業服姿でした。それをこのたび、白衣もバリエーションに加えることにしました。

当社から受託先様へ「汚れた」作業服は着ていかないものの、「外観が少々くたびれた」作業服が混ざっていることも事実。その背景として、建築系の解体現場や、クリーン度が要求されない製造現場やユーティリティー(動力・配管系の狭い所)を含め、さまざまな事業所内の一角に伺っていることがあります。

ほんとうにクリーン度が要求される現場では、依頼主様のご指示に従って無塵服を持参したり、あるいは使い捨てのスモッグ等をご支給いただいて対応が済みます。それ以外のケースで当社側の心がけとして、作業服の使い分けを意識することにしました。

簡単な話、同じ種類の作業服を「ラボ・ビル管・医療系」と「製造・建築現場系」に使いわければ良いだけの話。ところが当社では(社内の分析作業も兼務する身分で)同じ日にサンプリング先をハシゴした場合など、どうも管理徹底上のヒューマン・エラーが容易に起こりそう……。
ということで、意識づけに「服の種類を変えてみては?」ということになりました。すなわち、「ラボ・ビル管・医療系」の現場では(適切と判断した場合は)白衣を着用することにしてみました。

今週、さっそく1軒で実施してみました。ひとつ戸惑ったのは、「どこで白衣を着脱しようかな?」という点。クリーン度を意識するなら、車両を降りてすぐの屋外で着脱するのも変ですし……。ともあれ、来年は徐々に慣れていきたいものです。

 
 2019/12/14   (50/52週) SDGsことはじめ
最近、仕事関係のメルマガで「SDGs」(エスディージーズ)に関する記事やご案内が、ちらほらと目についていました。
今ひとつピンと来ないまま、放置していると、こんどは新聞で西川きよしさんが紹介されました。

「これは少々勉強しておかないと、(環境に携わる業界人として)まずいのでは?」と思い、事務所で会長に相談すると、冊子を1つ貸して下さいました。

『SDGs入門』jica(ジャイカ/独立行政法人 国際協力機構)

このことを終礼で同僚に紹介すると、「我こそはSDGs、とっくに知っているよ」という人は居ないようです。そこで営業部から資料をサーバーに落とし、各自で見られる環境を立ち上げました。

とりあえず言葉を知っただけで、身の回りの掲示などに気がつき始めています。
たとえば池田市役所に寄った際、玄関にはカラフルな掲示がありました。また、諸手続きのカウンターの順番を示すディスプレイの横で、ピコ太郎さん(SDGs推進大使)の動画も表示されていました。

ということで、恥ずかしながら、まだ内容をこれから理解していく段階です。
当社業務との接点や展望など、論じられるようになりたいものです。


 
 2019/11/16   (46/52週) 安全衛生の教育用冊子をチェック
この春に中災防が発行した冊子「初めて日本で働く方のための『安全・健康に仕事をする』」は、シリーズ1がベトナム語・ミャンマー語・ネパール語・クメール(カンボジア)語対応で、シリーズ2が中国語・タガログ語・インドネシア語・タイ語対応とのこと。

当社では測定受託先の工場様で、ベトナム人研修生の受け入れを始められるところがあります。冊子がどんな内容なのか興味がありましたので、シリーズ1を取り寄せてみました。(500円+税)
冊子はA5判22ページ(本文20ページ)で、安全・衛生・健康に関する合計20項目の内容を載せてあります。

そのなかで当社の業務と縁の深い項目は、3項目ほどありました。(有害物質と保護具、トラブル発生時の心得など)

カタコトの日本語をすでにマスターしている作業者が、日本の安全管理の考え方をチェックでき、掲示物にあるような重要な短い言葉を優先的にマスターできる冊子のようです。
(座学で教材にするも良し、食堂などで休憩しているときの話題にするも良し。)

ここに載っている20項目は、おそらく日本の人にとっても重要なことでしょう。仕事場が安全・健康な国際交流の場であるために、このような冊子も一助となりますように。

 
 2019/11/09   (45/52週) 環境セミナーの情報収集で熊本へ
(一社)日本環境測定分析協会がさる10月17日〜18日に開催した『第27回 日環協・環境セミナー全国大会 in くまもと』に、当社からは社長が情報収集に赴きました。

会場は、ホテルメルパルク熊本。私ども計量証明事業所は全国にあり、特定の地域にとって「いつもアウェイ」にならないよう、毎年いろいろな地域で開催されています(前回は仙台)。今年も現地会場で、大阪の大環協の会員企業の人とも数名会えたとのことでした。

開催内容は、計量証明事業所による技能発表会と、分析機材メーカー各社の展示資料とに大別されます。
技能発表会では、同業者が図とか資料をつけて上手に発表していたので、社長が翌週の終礼で「参考にして下さい。僕がとくに注目したのは、発表ではここ、機材ではここです」と技術部に冊子を手渡していました。(テーマ:石綿、シックハウス、排ガス、VOC関係など)

来年は広島での開催予定。日帰りも可能なので、社員から出張者を検討するかもしれない、とのことです。誰が行ってきても会社に持ち帰り、教育の一環として全員で共有します。

 
 2019/10/19   (42/52週) 屋上の設備等の落下リスク
仕事で官・民の法人様のビルの屋上へお邪魔した際、そこにある設備の設置状況が気になる場合があります。

解体待ちの建物の屋上がその典型なのですが、窓等が開放された小屋の中に、細かい備品が散乱していたり、あるいは昨今は台風の風が強いので、エアコン室外機がベースから外れて転がっている場合もあります。
使用中のエアコンであれば、遠隔監視システムから異常が発報されるなどして気が付くのですが、「使っていないけれど上に置いてあるもの」ですと、実際に見に行かないと状況の変化に気がつきません。

たまたま私どもが採取や調査でお邪魔して、そのようなことに気づいた際は、付帯情報として担当者様にお伝えするようにしています。

軽いものですと、地面に飛来しても少々ゴミになる程度ですが、そこそこの重量物になると、人に当たらなくても物損や二次被害のもとになります。強い風で移動し始めたものが、最後に地震でバランスを崩して連鎖的に落下に至ることもあるかもしれません。

台風が来る前後には、地上だけでなく屋上も巡回したほうが良いかもしれませんね。そして日頃から不要なものは計画的に屋上から降ろす、という管理も大切でしょう。

 
 2019/09/21   (38/52週) ASB含有分析の「前々々」処理
ラボで分析にかける前の下ごしらえを「前処理」といいますが、建材アスベスト(ASB)含有分析において、顕微鏡判定とX線分析の両方に共通する下ごしらえは、まず検体を粉状(パウダー状)にすること。当社の現場では、この作業を「砕く」と言っています。

この「砕く」前処理の工程数は、建材の種類によって異なります。
4.乳鉢で擦る。(ドラフトチャンバーの中で手作業)
3.ふるいにかける。(同上)
2.金づち等でぶったたく。(同上)
1.電炉で焦がす。
※上記はミキサー等を使わず、オール手作業で行う場合。

最も楽に済むパターンは、3→4だけの2工程。石膏ボードで柔らかい部類のものがそれにあたります。
「ふるいにかける」時の手つきは、ジャガイモの裏ごし作業と同じ要領で。

最も工程の多いのが、ビニールシート材など、火にかける必要のあるもの。
樹脂のような化学的母材のなかに、強化や防火目的で繊維状の鉱物を混ぜていると、その母材を取り除いて分析対象にたどり着かなければなりません。

つまり「アスベストは石の綿だから、石なら燃えずに残る」ということで、母材ごと燃やす(焦がす)わけです。ただし、あまり高温ですと石とてタダでは済まない(変性する)ので、450度というガイドラインがあります。

電炉に入れる際のお茶碗のような容器は、坩堝(るつぼ)と呼んでいます。手で直接つかむと熱いので、ラボ作業用のトングではさみ、持ち上げます。
電炉自体は、家庭用のオーブンレンジの少し大きめぐらいのサイズです。

 
 2019/09/15   (37/52週) SDSの役割を再認識する記事
労働衛生・作業環境測定の総合情報誌『作業環境』のvol.67特集号(本年8月30日発行)は、昨年11月に富山国際会議場で行われた第39回作業環境測定研究発表会(第58回日本労働衛生工学会)の各種講演内容を誌上再録した特集でした。

その中の演目の1つで、日本労働衛生工学会・現場報告『SDSが作業環境管理に果たす役割』(土屋眞知子コンサルタントオフィス 土屋眞知子氏)の記事がありました。たった3ページの要約文でありますが、講師がさまざまなレベルや事情の顧問先で経験を積み実感したことが、内容的に興味深かったので、少々ご紹介します。

【まとめ(全文)】
化学物質を取り扱う職場が安全であるか否かをSDSの情報なくして判断はできない。SDSの普及率が100%に至らなければ、リスクアセスメント活動は最初から頓挫する。快適な職場環境の形成を目指して、SDSから十分な情報が得られないケースでは勇気を持って代替物質に切り替えるべきである。

【SDSの入手と管理(抜粋)】
(現場での保管状況の)ポイントは最新版が入手出来ているか否かである。取扱化成品が変わらなければSDSに改正があっても差し替えられることは少ない。制度の仕組みが分っていればSDSは改定されると知らないといけないが、余程の教育が行き届いていない限り事業場の現場では知らない人が多い。

現場のSDSを改訂版に置き換えるためには、メーカーとの情報交換を密に行っておくか、あるいは予め購入時点で「改訂時の最新版の提供義務についての覚書」を取り交わすことが必要と思われる。

専門部署でSDSの改訂版の入手についても管理を行っていかないと抜けが起こることとなる。SDS管理システムの構築が望まれる。

【SDSの記載内容についての課題(抜粋)】
SDSの内容が正しいか否かを審査する制度はない。文書の記載方法は告示でJISに従ってとあるだけである。

今までに奇妙なSDSにいくつか遭遇している。
「3 組成及び成分情報」の欄にエチルベンゼン 4.8858%、キシレン 4.8858%、と記載されていたが、「15 適用法令」の欄には、「有機則に該当しない」とあった。確かにキシレンが 5%を超えていないから有機則には該当しない。しかし、エチルベンゼンとキシレンを合計すると溶剤含有率は 5%を超えるので、特化則の読み替え規定で有機則が準用される。これを知らない人には、この記載内容だけでは不十分であると思われる。
多くはSDSの記載内容の正否すら分からずにそのまま利用されているケースも多いと思われる。

【管理体制の重要性】
化学物質の指針では化学物質管理者を育成することが良いとされており、多くの企業ではその人選と育成に力を注いでいる。化学物質管理者は現場からの質問事項への対応や低減対策への助言、法的要求事項等については的確に対処しなければいけないが、単独判断で対応策を決定しては経営リスクが大きい。必ず安全衛生委員会等で十分に審議した上で、トップの判断が下されるべきである。

 
 2019/09/08   (36/52週) 衛生週間、当社で取組むテーマの候補
恒例の全国労働衛生週間が近づいてまいりました。(本週間:10/1〜10/7、準備月間:9/1〜9/30)
当社で今年の活動テーマになりそうなものが、2つあります。

1つは空調服。
先月、当社が元請けとなった局所排気装置の設置工事において、設備屋さん、ダクト屋さん、電気工事屋さんの3社ともが、当たり前のように作業者全員で空調服を着用しておられました。聞けば昨年から、夏場の屋外制服に採用されたとのこと。どうやら昨年という年は、世間的に大きな普及の転換点だったようですね。

そのような背景で、遅ればせながら当社も空調服の導入に向け、品物の選定に入っております。
(ただし防爆の関係で、各種の作業場に入場できるかどうかは要判断)

Cf.空調服の英語表現例(読売新聞9/8えいご工房より)
・Work clothes with fans(ファンのついた作業服)
・Jackets with a built-in cooling fan in the back(背中に冷却ファンを仕込んだジャケット)

テーマのもう1つは、駄洒落の社内公募。
さる8月29日(木)大安吉日、1人の技術員(TimeCard06氏)により発案されました。
駄洒落を主としたおやじギャグを、社内で募集して楽しもう、というものです。内容は、私ども環境分析系の業種で使っている、専門用語を絡めた言葉遊び。名付けて『分析おやじギャグ』です。

本当にくだらない、しょうもない内容が集まるだろうと思いますが、私どものメンタルヘルス上のリフレッシュと、モチベーションUPにつながれば幸いです。

また秀作・駄作を抜粋してホームページでご紹介するかもしれませんが、ひとつ寛容にご容赦いただければ有難いです。

 
 2019/08/31   (35/52週) デシベル計で蝉しぐれを測定
今年のセミは、例年よりも、夜や深夜にまで鳴いている傾向を感じました。

この8月の初め、簡易的な騒音計(営業部にある校正していない物)を週末に持ち帰り、近所へ外出する際に測定してみました。

歩道から街路樹の蝉時雨に向けて測ると、全体でウワーンと鳴いている場合では、67〜74デシベル(dB)。そのなかに抜きんでて特定の一匹など、個体が鳴きだしたときに測ると、78〜84dBでした。いずれにせよ、工場などで難聴リスクの目安となる「85dB」以上になるような場所は、自宅の近所では無かったようです。

ちなみに夜間、窓をあけて就寝中、窓のすぐ外の玄関ポーチのところで一匹が鳴き出したので、目がさめました。寝ぼけながら測定してみると、71dbあまり。測定してから玄関に出て、蝉を追い払って寝直しました。

おそらく65dB未満の一匹ないし蝉時雨であれば、自分の場合は夜間でも目がさめないのでは? と推察しています。

 
 2019/08/17   (33/52週) 熱中症も化学上のリスク
先日、技術部員が代表で1名、熱中症予防の講習会を受けてきました。受講内容は社内に持ち帰って、ミーティングや報告書で共有しました。

安全衛生を生業(なりわい)の柱の1つにしている私ども自身が、作業中に熱中症にならないよう、わざわざ勉強に出かける。そんな必要があるの? と不思議な感じもしますが、「医者の不養生」のたとえがあるように、案外と無防備かもしれません。

現在、社内の数箇所に「熱中症予防」のポスターが掲示されています(社長が手配)。

人体に侵入してくる有害な化学物質は、もちろん健康障害のリスクとなりますが、そもそも人体が生きているという生命現象そのものが、化学反応の連続・複合的な営みの結果であります。その際、バイオ的な触媒反応である酵素反応なども、「最適温度」・「最適pH」が前提ですから、それが崩れると、必要な反応が止まることで反応が暴走していきます。

熱中症とは、そういった善玉系・必須系の化学反応が維持されなくなることによる不調の一種と言えるでしょう。

 
 2019/08/10   (32/52週) 建材を調べる際の「棒」の好み
木の棒を使って、何かを点検する際、どのような材質・形状のものが適しているか? そこには、個人的なフィット感の相性・好みがあるようです。

私どもの業界で、棒を用いる身近な点検方法は「打音検査」。塗装ブースや集塵機のダクト内に、異物が堆積してダクト内の気流に支障が出ていないかどうかを、ダクトを叩いたときの音の長短で判定するものです。

あるいは、ドラムのスティックぐらいの大きさの棒の先端を、片耳の穴付近の肉にあて、押さえつけて肉ごと穴をふさぐ感じにし、反対側の先端を電動系のピローBOX等に当てると、軸受けの回転がなめらかかどうか、音で感じ取ることができます。

ところが上記の他、木の棒は使ったりするけれど、音というより伝わってくる手の「感触」を手掛かりに点検する、というパターンもあります。解体現場における建材のスクリーニング調査がそれです。

現場に行って、建材ごとにアスベスト含有を疑うべきかどうかを調査する。その際、建物内の壁については次の4段階でチェックしますが、4.については、棒でつっついて触診します。

1.眼前の壁の、表面の塗材およびその下地
2.眼前の壁の、部材(ボード材,etc.)
3.眼前の壁の、奥にある(かもしれない)断熱材
4.眼前の壁の、奥にある(かもしれない)次の壁の部材

1.から3.まで、短いハンディータイプのツルハシなどを用い、建材をピンポイントで割って進んで行きます。ですので解体のプロの人であれば、(どんな棒で? というより)そのツルハシの柄でつっつけば、感触で判定できるはず。
ところが当社は計量証明事業所であり、私にいたっては営業職です。先日私は、たまたま現場で自分に合った棒を拾い、その棒を頼りにアシスト作業を行ないました。

私に合った棒の条件は、その時のような「スカスカのブレードタイプ」のようです。
工具の柄のように固い材質の棒を介して、触っているものが固いのか柔らかいのかを感じ取るためには、熟練度が要るかもしれない。ところが安っぽいスカスカの棒(梱包の木枠で使うようなもの)ですと、つっついて「コン」と当たった先がコンクリ壁なのか、モク(木)の壁なのか、眼前の壁と同じくボード材なのか……等々が、わかりやすい感触で伝わってきました。また、棒の断面の形状はロッド(円や正方形)ではなく、ブレード(刀のような平面状)のほうが、どういうわけか感触に自信が持てます。

とにかく時間の制約のなかでミッションをこなすのが、解体(予定)現場。棒っきれ一つでも、出張員の手になじむかどうかは大きいと思えます。

 
 2019/07/27   (30/52週) 建設業系の安全大会に初参加
先週末、ラポールひらかたで開催された『第27回 建設業労働災害防止大会(略称:建災防 北大阪分会 安全大会)』(主催:建設業労働災害防止協会 大阪府支部 北大阪分会、後援:北大阪労働基準監督署)に、当社から1名参加いたしました。

参加のきっかけは、当社の受託先様からのお誘いです。(当日、司会を務めておられました。)また別の受託先様が1社、表彰を受けておられました。おめでとうございます。

製造業系の安全大会が、労働基準協会(支部)が主催で6月中に行なわれるのとは別に、建設業の組織が7月末に実施しておられる行事を初めて体験させていただき、勉強になりました。

式典部分の特徴としては、表彰の基準とその対象が、製造業とは異なります。
基準としては、無災害で乗り切った建設工事を請負金額でA班・B班と分類し、同じランク内で(延べ労働者数をベースとした)延べ労働時間数の多い順から「優勝」「2位」「3位」……と決めてゆきます。

対象としては、その成績を達成した建設会社(優秀事業場賞)に加えて、現場所長さんも個別に表彰する(優秀作業所長賞=個人賞)というスタイル。そのため、お名前を呼ばれて起立する人が1社=1名ではなく、同じ会社で複数名が呼ばれたりしています。責任を果たした皆さんを、晴れやかに讃える雰囲気が感じられました。

私ども計量証明事業所も、このようなゴールを目指して多少なりともお手伝いができれば幸いです。

 
 2019/07/13   (28/52週) 安全週間を振り返って
準備月間と本週間を通じた期間(6/1〜7/7)で、当社の活動を振り返ってみます。

朝礼・終礼の議事録のうち、安全に関する記述の先頭につけているピクトサイン「(!)」、および使用機材のコンディションに関する記述につけている「(#)」の総数をカウントすると、安全が15件、機材が4件ありました(「今日は暑いので熱中症に注意しましょう」といった簡単なものを含む)。

フルハーネス型墜落制止用器具については、数の買い足しをしながら当社としての標準品を選定中です。(整備が先行している同業者にもヒアリング)

排ガス測定の高所作業で、屋根の足場が未整備の工場様に足場、もしくは親綱の確保をしていただくよう相談に伺いました。すると、すでに自主的に足場を新設して下さっており、大変感謝いたしました。

そのほか客先で勉強できたことで、屋外構内でフォークリフトが積み替え作業をしているエリアを、来訪者のみ通行禁止にしている事例を知りました。
排水分析の採水ポイント(敷地内の会所)に案内していただく際、会所が遠方に見えているのにわざわざ建屋内を通って行ったので、質問したのです。まさにフォークリフトの「作業計画」が構内の通行に反映された客先でした。

 
 2019/06/30   (26/52週) 建材アスベスト含有分析の所要日数
検体(解体前の家屋などの建材を10cm角ぐらいのピースにしたもの)を分析し、アスベスト検出・不検出の結果判定を報告する業務について、当社の標準納期(とくに社内調整をせずともお約束できる納期)は2週間です。

その一方で、ご依頼主の側でお持ちのスピード感は、「せめて1週間後に」「できればもっと早く」。この傾向は、突発的な案件でも計画的な案件でも、大差ありません。判定の速報が遅くなると、それだけ工期にひびくのでしょう。

それにお応えするため、当社社内の指示伝票の納期欄にも「できるだけ早く」と記載されたりします。受注した喜びもそこそこに、にわかに緊張が走る技術部。月間予定ボードの前に集まって協議を始め……。
建材アスベスト含有分析は、(足もとの操業とからめて)最短日数の目算を立てるのが難しいのです。

目算を複雑化している要素には、次のようなものがあります。

1.初動対応の難易度がケースバイケース
複雑な後工程が控えているのに、1次的な前処理(顕微鏡判定とX線分析に共通する下ごしらえ……検体を細かく砕くこと)の手間が建材の種別ごとに異なる。
(複数検体を石膏ボード、巾木、腰板、軒裏吹付け材……とバラバラに預かると、「これは乳鉢スタート」「こちらは電気炉スタート」とレシピが異なる)

2.ロット数が段取りの効率化につながらない
もの作りの世界なら、「1個よりも5個のほうが段取りは良くなる」と言われる一方で、分析の世界はコンタミ(試料汚染)を避けるため、ロットの増加が全体の作業量の圧縮につながらず、担当者の拘束時間増が操業のシバリとなってくる。

3.作業分解(作業の細分化や分担)に限度
試薬を塗ってから待ち時間があるのに、前夜に塗っておくこともできない……といった「この工程からこの工程までは、人が張り付いて一息でやらねばならい」というシバリの部分が含まれるため、「掛け持ちで一寸ずつ進めればいいじゃないか」「人の頭数を投入したらいいじゃないか」という発想が、そのまま通用しない。

上記の3要素が相乗効果となって手間を膨らませ、「できるだけ早く」のボールを受取った側にとっての目算を複雑にしています。本日以降の1週間前後にどう工程を収めていくか? とても一人では答えの出るものでもないし、社内協力が必要です。

 
 2019/06/22   (25/52週) 地元の環境シンポジウムで受賞
さる6月19日に北大阪商工会議所で開催された「2019年度環境シンポジウム」(主催:北大阪商工会議所 協賛:日刊工業新聞社)での表彰式において、『環境改善優秀賞』をバイオマスパワーテクノロジーズ株式会社様と日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社様が受賞されました。

〜なお同賞に次ぐ『環境改善努力賞』を当社が受賞。当日配布の式次第より、受賞理由を要点抜粋いたします〜


当該事業所は、(〜略〜)社員数は10名程度と小規模な事業所ですが、環境計量士や作業環境測定士を複数名配置するとともに各種分析装置も設置して、業務遂行に万全の体制を築いています。

創業以来、自治体や企業からの測定依頼に応えてこられ、昨年11月には一般社団法人 大阪府計量協会から計量事業の発展に寄与したとして、表彰を受けています。

(〜略〜)最近は企業などの作業環境測定を実施した後、結果を評価して環境改善に役立つような提案を行なうといった、単なる結果を報告する業務から、依頼主にとってメリットとなるような提案型の業務に仕事の幅を広げています。
(〜略〜)小規模であるという点を強みとし、すぐに動ける機動性を持った体制を構築して、(〜略〜)業務量を増やしている点も注目されます。

社会貢献活動として、当該事業所の会長は寝屋川市ごみ減量化・リサイクル推進会議の委員として活動しています。

このように存在感ある事業所として活動を続けてきたことは、環境改善努力賞にふさわしいものと評価できます。今後もさらなる業務の継続、発展を期待いたします。(〜要点抜粋、終わり〜)

 
 2019/06/16   (24/52週) 北大阪安全大会に参加
さる6月13日(木)、北大阪商工会議所で行われた安全大会(教材費 3,000円)に参加してきました。追って当社版・傍聴レポート(A4版2枚)を作成し、当社の北大阪管内の測定受託先様に適宜ご提供いたします。

今回は監督署側の講習内容と、特別講演の講演内容とに2つの共通する話題がありました。

●1.安全教育の方法を工夫せよ
  若い従業員さんとは世代のギャップがあるので、教材・伝達物には写真・動画を多用、e-ラーニングも活用していく。

●2.フォークリフトの運用管理
  作業計画を立て、リフトと人が混在する場合は作業指揮者(誘導者)を立て、立入禁止の表示など接触防止措置を図る。

フォークリフトの「作業計画」は、古くから様式があるのに用意している(リフトに積んである)工場はほとんど無いようなので、今回配布された教材『安全の指標』260ページを参考に、自社での初版を検討されてはいかがでしょう?(この活動は、全国安全週間7/1〜7の立派な活動実績になります)。

なお『安全の指標』は中災防で購入できます。(私は京阪中之島駅から歩いて買いに行きます)

そのほか、リスクアセスメントの普及率向上に力を入れるとのお話がありました。8月頃に講習があるそうです。

 
 2019/06/01   (22/52週) シックハウスの測定事情
おもに教育や行政施設の新築・改築において、建築工事の特記仕様書の表現でいう「揮発性有機化合物の室内濃度測定」(通称・シックハウス測定)を、当社でも年に数回受託しています。

【測定の目的】
室内の建材(壁・床・天井)ならびに作りつけの什器から、空気中に「揮発性有機化合物」(ホルムアルデヒドとVOCで合計5〜6物質)が基準濃度以上に発散されていないかを測定する。

【測定方法(パッシブ法の場合)】
分析対象物質を捕集する捕集管(紙巻タバコより1回り小さいサイズの物)を、部屋の中央に立てた三脚からぶら提げ、16〜24時間放置する。捕集時間中の部屋は密閉状態で、開始時刻の5時間前から密閉する。

このとき受託側として体験できることをご紹介してみましょう。

●建物を傷つけないよう細心の注意
測定作業場は見渡す限り、施主に引き渡される前の新品。床をはじめ接触リスクのある部材に配慮すれば、施工アルバム写真用の看板(チョークで書く古典的なもの)など硬い物を、無造作に持って歩くのも不向きです。機材を仮置きする際も養生シートが必需品。

●手際よく設置〜回収
工期が限られる中、密閉して立入禁止にする測定ですので、その前後のセッティングと回収も手早くおこなわないと、施工管理者様のテンポ感に合いません。ところがこの所要時間を事前に尋ねられると、なかなか予想が難しい。

当社は10室前後の案件をよく受託しますが、所要時間の読みは1室につき10分から20分強と、かなりのひらきがあります。その背景には、次のような変動要素が。
イ. 各部屋の配置レイアウト(建屋やフロアの数、廊下の走り方など)
ロ. 部屋数と測定点数の員数関係(例:7部屋で10点,etc.)
ハ. 部屋数と出入り口数の員数関係(『立入禁止』の貼り紙の貼り忘れリスク)

ちなみに、部屋ごとの設置時の作業は次の5つです。
 1.三脚を立て、温湿度計をセット。
 2.捕集管(2種類)をぶら提げる。(ゴム手袋とマスク着用)
 3.記帳関係(時刻・温湿度)。捕集管のケースの識別確認。
 4.撮影
 5.退出〜すべての出入口に『立入禁止』の貼り紙

●負担を感じるケース
まれな例としては、施主様が進捗確認に訪れ、測定開始前の密閉を解かれてしまい、待機を強いられるという例がありました。(元請の工務店様の日程コーディネイトが甘かったようです)

まれでない例としては、中堅以上のゼネコンがご依頼主の場合、施工業者と同じ書類(施工計画書や誓約文、入場者の個人情報の届、マスター登録の用紙など)の提出を求められること。

−それはそれとして、自分たちでできる改善には、前向きに取り組んでいます。

先日は、三脚の足先につけていた軍手を、100円ショップで買った家具用のソックスに切り替えてみました(技術員の発案/写真)。これなら輪ゴムでとめる必要がなく、持ち運びの収まりも良く、作業時間短縮に貢献しています。

 
 2019/05/18   (20/52週) 今春とり寄せた図書類
会社で知見補充のため、定期購読誌とは別にいくつか図書を調達しました。

中災防からは、『有機溶剤作業主任者の仕事』・『特定化学物質作業主任者の仕事』、そして『作業者のためのわかりやすい感電災害防止』の3冊です。

そのうち2冊を執筆された福成さん(一昨年『衛生管理者の仕事』を刊行)のご著書は、目次に特徴があります(シンプルで親しみ易く、読んだ人のモチベーションに直結する)。この2冊も、目次と挿絵イラストをペアで眺めるだけで、ずいぶんと刺激になるような紙面です。
『名ばかり責任者』にならないために、日頃からどんな着眼点で活動したら良いのか……? そんな答え・ヒントが満載の冊子。

3冊目の感電防止の冊子は、汗をかきやすい夏場に備え、当社もKYミーティング等で活用します。

中央法規出版からは、平成31年版『環境六法』を調達しました。
「六法」と言っても、6つ以上の法規が記載されています。古い版の六法も、あわてて捨てずに保管しています。

 
 2019/05/11   (19/52週) 地元ラジオ局の取材
五月連休が過ぎ、雑草も栽培植物もいよいよシーズン本番となった先週、防災を主眼とした地元のラジオ局・エフエムひらかたが当社へ取材に来られました。

同局はフリーペーパー『ひらナビ779』を発行しておられます(枚方市役所に設置)。また同局は以前より、私ども地元の企業を取材して下さっており、当社への取材は数年ぶりとなります(前回は櫻井会長が社長の頃)。
就任2期目である櫻井新社長が社業の紹介・今後の展望などをお答えした肉声が、下記日程で放送される予定です。

エフエムひらかた(77.9MHz)
「ビジネスウォッチング in 北大阪」
・5/24(金) 14:30〜14:59
・5/26(日) 9:30〜9:59

ちなみにこの「77.9MHz」というマイナーな周波数は、ラジオでのチューニングがなかなか難しいです。(数字によるデジタル・チューニングの方式なら確実に合いますが、手巻き発電の防災ラジオ等では、ツマミ調整が頼りの場合が多い)
そうやってチューニングに挑戦・工夫する機会を通じ、災害への備えの拡がりにつながれば幸いです。

 
 2019/05/05   (18/52週) 新天皇陛下のご研究テーマ
5月1日に元号が令和となり、令和元年を迎えました。
新天皇陛下は長年、水問題の研究をされてきたとのこと。

私どもは業種柄、「水問題」イコール「水の汚染問題」と連想しがちですが、陛下の着眼点はもっと広いもののようです。
古今東西の水運(水上交通)のことや、生活用水の供給インフラの遅れ等が「水汲み作業」を生み、女性の地位向上や子供の教育の普及に影響している点など……、そういうものを扱ってこられたようです。

水という着眼点を通じて、人びとの暮らしを注視しておられる新天皇陛下。私どもの業界も、そのお手伝いができれば幸いです。

 
 2019/04/06   (14/52週) クロスチェック後の会議に参加
大阪環境測定分析事業者協会(大環協)は、加盟する計量証明事業所の分析精度の維持向上のために「精度管理共同実験(クロスチェック)」を定期的に開催しています。当社も実務のかたわら、参加するようにしています。

共同実験は、協会から送付されてくる試料を受け取り、各社が自社ラボで分析して含有量数値などを出し合い、答え合わせをしたスコアをもとに自己反省するものです。

過日実施された <排水中のアンモニウムイオンの分析> によるクロスチェックについては、さる2月15日に反省会、ならびに意見交換の集いが実施されました。
この集いは「担当者会議」と称され、クロスチェックを実際に担当した技術員がその参加対象となります。

技術員にとって「担当者会議」に出席することは、日常業務を抜け出して行くので時間のやりくりも発生しますし、スコアに問題のない場合は「たいして収穫も無いのでは?」と消極的になりがち。しかし今回は技術員の自発的な意思もあり、担当した1名が出席しました。

実際に参加してみると、各社がどんな分析方法を採用しているかがわかりました。今回ですとアンモニアの分析に際し、発色法が50%、イオンクロマトグラフが20%、流れ分析が20%という比率。
また、会議後の懇親会で名刺交換をすると、所属部門名が工程管理を指す人がおられ、当社に無い組織構成などを新鮮に感じ取ることもできました。

この経験は社内フォーマット『講習会参加・会議等記録報告書』で社内共有され、教育や設備投資計画の意思決定などに活用の出番があります。

 
 2019/03/30   (13/52週) 電子入札デビュー
さる2月5日、近隣市の入札案件について、当社として初めて「電子入札」の形で参加いたしました。

官庁の入札案件のうち、設けられた基準(500万円以上の案件,etc.)に該当するものは「電子入札」が導入されています。当社でもようやくその対応をすることになり、昨年からハード環境などの準備をして来ました。

先日のデビュー戦では、社長みずから2案件をPCからエントリー。後日ログインして結果を確認すると、いずれも他社が落札していることがわかりました。
なおそのうち1件は、1回目の応札額が同額であった2社による「くじ」もネット上で実施された模様です。
くじは、くじ用の数値を入力することで(自動計算がはたらき)入札順がきめられ、あらかじめ設定された落札くじの順と照合することで、落札業者が公平に決まる仕組みのようです。

まだまだ当社は慣れていませんが、今後は他市・他府県にも展開して参ります。

 
 2019/03/16   (11/52週) ミスマッチを生んでいた「お気軽に」
当社の営業専用サイトの画面上端フレームには、「生活環境」「お気軽にお問合せください」という言葉が表示されています(2019年3月16日現在)。
また、そこから騒音・振動測定のページへ移ると、さらに「聞きたくない不快な音」「不快な揺れ」という言葉が表示されています。

民家など個人宅の住民のかたが当社のホームページをご覧くださり、これらの表示を目にした場合、そのまま(ご自分で)電話や問合せフォームを利用できる、と判断なさる場合があるようです。「お気軽にお問合せください」と出ていますし、サイトの全文を皆さんが読まれるわけでもないでしょうし、無理もありません。

ところが当社側は、「(頼みかたがわからない)法人の人」に、あまり事前準備を固く考えないで「お気軽に」と申しあげているつもりでした。そこにミスマッチの種が潜在していたようです。

あらためて整理しますと、当社の受託のカテゴリーは、図のような範囲になっております。今後もホームページを手直しするなどして、ミスマッチの軽減に努めます。

 
 2019/03/09   (10/52週) 古い什器のリユース
先週は、社屋2階の応接室と談話室の模様替えが行われました。
これまで良く言えばアットホーム、悪く言えば(多目的すぎて)統一感のない眺めだった両室。そこへ社長夫妻が大ナタをふるい、本棚を減らすなどしてスッキリと生まれ変わらせたのです。

その再生の過程で、談話室にあったサイドボードの下段を、捨てないで活用。応接室のテーブルの奥に腰かけられるよう、ベンチとして据えました。

リユースのヒントは、道の駅で見かけた防災備蓄庫の屋外ベンチ。当社ではとりあえず、普段読まない文献などを足元に保管します。

 
 2019/03/02   (09/52週) 大阪広域水道企業団のセミナーを傍聴
さる2月12日、阿倍野区民センターで開催された『平成30年度化学物質対策セミナー』(主催:大阪府・大阪市・堺市)に社長が参席、傍聴してきました。

社長の目当ての演目は、基調講演に続く3講演中2つ目、『淀川水系の水源水質事故対応について』(大阪広域水道企業団 事業管理部 水質管理センター 技師 上田航太郎 氏)。本年(H30年)度、当社が作業環境測定を受託した大阪広域水道企業団様のご講演ということで、ご縁を感じて勉強に伺いました。

ご講演は、パワーポイントの27画面を使って行われ、参席した企業の皆さんも、大変集中して清聴しておられたようです。

私たちは日常で、浄水(水道水)と排水(川から海に流す水)は別のもの、という感覚があるかもしれません。企業にとって規制となる、河川放流における水質基準の遵守とは、ただ単に「海を汚してはいけない」といった環境基準につき合うためだけのものでしょうか? この講演は、排水を伴う企業としてそのあたりを学べる内容でした。

各自治体の水道事業のために「分岐地点」まで浄水を供給している大阪広域水道企業団は、水源(淀川水系)に配置する「取水場」を起点として、自治体に渡すまでの浄水工程・送水工程を受け持っています。したがって川の状態を24時間体制で監視し、ひとたび水質事故があれば「取水場」に到達するまでに回避する努力をし、また取水してしまっていたら浄水工程内でどう対処するか? 等々をタイムリーに講じていかねばなりません。

それら適切な処理のためには、多額のコストがかかり、事故の当事者である企業等には損害賠償責任も発生し得ます。

では、その「水質事故」とは、どんな規模のことからを言うのでしょうか? H26年に起きた油事故では、河川に流れた重油の量は0.5〜1.2立米だったそうです。

「うちの事業所から排水する程度で、水質事故なんか起きるわけがない」と思っていたが、こういう循環のメカニズムを理解したからには、リスクを先取りする意味で、判断のプロセスを一度設けてみようか……。受講する会場にはそんな空気が満ちていたようです。

 
 2019/02/23   (08/52週) 社用車にブースターケーブルを配備
先々週、社用車1台のバッテリーが上がってしまいました。
(原因は整備不良ではなく、運用上の不備)

今後の備えとして、社長が全車にブースターケーブルを調達しました。

なお、商用車はバッテリーの位置を確認しておくことも大切で、荷台のマットをはがしてボルトを緩めてフタを取る……という作業を伴う場合もあります。
いざ接続で端子を扱う際は、絶縁の意味で手袋も欲しいものです。

 
 2019/02/10   (06/52週) 業種の認知度からくるミスマッチ
官庁に入札参加資格を登録する申請手続きの期限が、2月に集中します。私ども計量証明事業所も、それに対応する事務作業がこの時期に集中。

指名競争入札(競争して欲しい業者を案件ごとに官庁から指名して行われる入札)に登録する業種のカテゴリーは、細かい分類例では「建設工事」「測量・コンサル」「物品購買」「その他・委託」の4つ。ただ自治体様によっては測量・コンサルが無いなど、簡素な形もあります。
この中で私ども計量証明事業所が登録すべきカテゴリーは、官庁ごとに問い合わせて確認する必要があります。「測量・コンサル」だけで良い自治体様もあれば、「物品購買」と「その他・委託」の2つに登録する自治体様など、さまざまです。

このバラツキは、計量証明という業界の「社会的認知が未だに曖昧」ということを示しているとも言えますが、昨今はその点、官庁においては改善されてきました。(上述のカテゴリーが徐々に見直され、第三者機関に相応しい処遇になりつつあるので)

逆に昨今の傾向として、民間の中堅以上の企業様のほうで、むしろ業界の認知が下がっている例が散見されます。(建設業界で施工業者と同じ事務手続きを要求されたり、製造業界で仕入先と同じ事務手続きを要求されたり……)
その背景として考えられるのは、細分化された組織にコンピュータ・システムと内部統制が均一に行き渡り過ぎ、生身の「事務のプロ」による妥当な判断プロセスが入る余地の無い傾向です。

これらのミスマッチで被る私どもの損失は、官庁においては「膨大な手間をかけて手続きしたのに、お声のかかる該当案件が出てこない」といったロス、民間においては「成果物である報告書・証明書以外の書類の準備・事後処理に時間がかかり、入金もそれに連動して遅れる」というロスです。

当社の認知度は、有難いことに低くないのですが、当社の所属する業界そのものの認知度については、もっともっと向上すべきと思われます。そうでないと、受託先様の内部統制が自己矛盾をきたし、ご自身のコンプライアンス(法令遵守)に水をさす……そんな事態をもまねきかねません。


 
 2019/01/27   和装での運転時・作業時の安全リスク
メディア報道で、僧衣を着て自動車の運転をする際のリスクについて話題になっています。

われわれ一般人が着物を着て運転をする際の留意点は、次の2点ぐらいでしょうか。

1.履物を雪駄などのままで済ませる場合、右足でアクセルからブレーキを踏みに行く際は、膝をいったん真上に上げてからブレーキのほうへ降ろすよう意識する。
(靴のように足先を真横に振ると、履物がブレーキペダルの右端にひっかかってしまい、制動のタイミングが遅れる時がある)

2.帯の結び目(背中側)がシートを圧迫して前傾姿勢になり過ぎるので、普段よりシートの角度を寝かせてしまうが、それでは追突された時のムチ打ちの備えを損なってしまう。格好が悪くても、運転中は帯の結び目をお腹の側へ回して、背中・頭部をきっちりとシートやヘッドレストにつけるべき。

さて、こと僧侶のかたのお仕事について言えば、安全面でもっと気になるのは「お身ぬぐい」の時です。
ヘルメットをつけずに大仏殿などで高所作業をしておられます。もし落下した場合、姉さんかぶりの手拭い一枚では頭部をショックから保護できないでしょう。安全帯までつけるかどうかは別として、頭部については、なにか伝統的なデザインの保護具を産業界から提供できれば良いな、と思います。

 
 2019/01/13   タイヤチェーンの装着を訓練
冬本番となり、当社でも社用車ごとにチェーンが積んであるかの確認と、付け慣れていない社員については訓練を行いました。

当社の活動エリアには奈良県南部など山間地もありますが、スタッドレスタイヤで対応できそうな場所ばかり。あくまでチェーンを積むのは「高速道路でチェーン規制が出たときに困らない」のが主眼目で、社長がこの点を重視しています。

チェーンは、駆動輪だけ(つまりFF車であれば前輪)に装着。また昔と違い、装着作業は停車状態のままで全て完了します。

写真のタイプのチェーンですと、まず車輪の内側におさまるガイドのワイヤーを、タイヤ上部でサークル状に結節。
そこから色違いのフックを2個、下→上と結節していき、その間にチェーンの網をタイヤ表面に展開します。
最後に「しっぽ」のような部分についたフックの結節を、途中2点→先端1点と仕上げていき、張りを利かせます。

チェーン(計2組)は、かさ張らない樹脂の容器に格納でき、取説もついています。備えがあれば、運転そのものに落ち着きが生まれ、出張先や帰社後の主作業を危なげなくこなすことにもつながるでしょう。

 
 2018/12/30   平成30年の受託の特色
当社の平成30年の受託の特色を振り返ってみます。

エリア的には、兵庫県の新規案件がいくつか見られました。(/メインは大阪府)
業種別には、大手ゼネコンの新規案件がいくつか見られました。(/メインは製造業)
作業場別には、ラボ(試験・研究室)系の新規案件がかなり見られました。(/メインは工場)
分析ジャンルでは、既存の計量証明・作業環境測定のどちらでもない、仕様段階から当社で検討するような問合せやオーダーがいくつか見られ、また、設備改善の段階まで携わる案件も久々に見られました。

官庁の入札案件では、登録はすれども長年実績のなかった自治体から、大阪府下で1件、兵庫県下で1件、初めての落札実績が出ました。

年明けからも、既存の受託先様各位の測定・計量をしっかりと行ない、その応用として新規案件にも入念に対応し、またそこでの経験を既存の現場に反映させて行ければと思います。
(※グラフは平成28年度の件数ベースの内訳)

 
 2018/12/22   テレビ番組で紹介された「3R」
会社の忘年会があった翌日の土曜日、遅い朝食をとりながら「せやねん!」(毎日放送)を観ていると、企業紹介のコーナーで3Rという言葉が紹介されていました。

私どもはごみ減量の3R(さんアール)と呼んでいますが、番組では3R(スリーアール)と紹介。そのRの1つ・リユースを用いた「リユースデパート」という商業の形態の大手企業をリポートしていました。

最近ではリフューズを加えた4R(よんアール、もといフォーアール)と言うこともありますが、長年使われていた3Rでも良いと思います。ただし、3の中身をどうするか? です。

リサイクルというのは、個人レベルで全工程に関われるものでもありません。このRをリフューズのRと置き換えた3Rが、日常では心がけ易いのではないでしょうか。

リフューズ(Refuse) = 拒否する (マイbag・マイ箸)

 
 2018/12/15   測定員に求められる、日々の持久力
相撲などで耳にする「二枚腰」。(劣勢で)もうスタミナも限界だろうと思って見守っていると、終盤のもうひと踏ん張りで挽回する際の表現です。

さて相撲ほどの激しさもない、われわれ計量証明事業所/測定機関ですが、表現を借りれば「何枚腰」だろうか? そんな他愛もないことを考えてみました。

測定員が行うこと   〜作業負荷の目立つものから列挙〜
・「1枚」相当…… 検体の採取に出向く(サンプリングの出張)
・「1枚」相当…… ラボにて、持ち帰った検体の分析作業をする
・「1枚」相当…… 分析結果を報告書にまとめ、仕上げる
・「半枚」相当…… 出張前の仕込み作業や、車両への荷おろし作業

これらを列挙しただけでは負荷があるような印象は伴いません。
しかし実際はなかなか楽ではない。その背景には次の要素があるでしょう。

・複数案件が日常的に、エンドレスにかみ合っている。
・かみ合った案件・工程ごとに時間制限・期日の制約がある。
・機材の保有台数にも限度がある。(用が済んだらすぐフリーにするべき)

こういうなかで労働集約的にうまく回していくために、当社では技術員全員が4種類とも担当して(手分けして)います。
上記で「半枚」となっている作業も、日程の局面によっては「1枚半」くらいの厚みが出たりします。

計量証明事業所/測定機関などと、業界名の響きは上品ですが、このような3.5枚〜4.5枚腰で日々を過ごすのが実情。

つまり尊いどうかは別にして、よほど好きでないと(/適性が無いと/達観していないと)続けることは出来ないかもしれませんね。

 
 2018/12/01   ISO45001の紹介冊子を輪読
今秋、JIS Q 45100が発効されたことを知り、当社ではまず業界誌の紹介記事を読んで、概要を勉強しました。
JIS Q 45100は、先に発効されている国際規格ISO45001の要求事項を全てカバーした上で、日本のものづくり現場で長年定着している手法である「KYミーティング」「5S」が加味されたもののようです。

紹介記事では「働く人の協議および参加」という項目の細部を省略してあったので、中災防から発行された冊子を購入し、知識補充することにしました。

認証の規格が何であれ、当社の測定受託先でも労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS:危険源を特定し、評価し、リスクを取り除く継続的な枠組み)のある事業所がおられます。測定機関として、その枠組みをサポートさせていただけるよう、ささやかでも提案・申し出を始めていきたいと思います。

 
 2018/11/24   フルハーネス型(安全帯)の受講報告
 さる11月16日に先発隊として受講した社員から、フルハーネス型(安全帯)の座学講習の受講報告が、週明けの終礼でなされました。

 報告によれば、「5.5メートルより低い高所作業では使わない」とのこと。
 バンジージャンプのようにショックを吸収する伸び代(のびしろ)がある構造のようで、高低差がそれに満たない場面では用をなさないようです。

 そうなると、腹部で一文字に巻く従来の安全帯が無用になったわけではなく、「当社でフルハーネス型が適用できる客先は、K社とY社と……」と、使い道の整理を打合せているところです。

 また、とりあえず数か月前にホームセンターで調達しておいた安全帯は、仕様的にそのままでは適合していない可能性が。オプションを付ければOKのようで、確認をしています。

 フルハーネスを徹底すべきメインの業種は、何といっても建設業かと思います。大阪万博(2025年)も決まりましたし、会場設営にあたってはご安全に! と願うばかりです。

 
 2018/11/10   (4R)座面クッション復活で椅子が延命
当社の分析室にあるイスの1つが、ずいぶんと老朽化しておりました。

充分に年季が入っており、「もう処分するしかないなあ……」という雰囲気でしたが、ショットバーの止まり木のように腰高なイスだったので、シンクに向かってビーカーを洗う作業にはとても適していました。

そこで社長が延命トライに快諾し、手作業ですっきりとリニューアル。
イスは第二の人生を送ることになりました。

このイスは4R(よんアール)のうち、どれに当てはまるのでしょうか?
「繕って使う」というのは、昨今の分類を待つまでもなく、日本では古来お馴染みの心がけですね。

ごみ減量の心がけ・4R(よんアール)
リフューズ(Refuse) = 拒否する(マイbag・マイ箸)
リデュース(Reduse) = 減らす(食材を買い過ぎない・食べ切る)
リユース(Reuse) = 再利用する(裏紙を使う)
リサイクル(Recycle) = 再資源化する

 
 2018/10/27   日本国内のガスボンベ識別(色別)
秋の火災予防週間(11月9日〜15日)が近づいて参りました。
当社が測定・計量でご訪問する企業様でも国際化が進んでおりますが、ガスボンベの色が国内外で違うようです。

この予防週間を機会に、理工系の外国人労働者の皆さんと「あなたの母国の識別とはどこが違いますか?」と話題にされてはいかがでしょう。

 
 2018/10/20   布製の作業帽を初めて社内支給
当社では創業以来、社員に保護具として布製の作業帽の支給はありませんでした。

そんな中、KY(危険予知)ミーティングで、「ヘルメットをかぶらない客先でも、あまり大仰(おおぎょう)にならずに頭部を保護して測定作業ができたら良いなあ」との意見が出ました。布帽子があれば手頃です。また布帽子はヘルメットの下に着用しても、汗止めになります。

こんな声(6月22日)を社長が取り上げ、当社における初デザインということで充分に時間をかけて検討。さる10月16日、ついに「初代・KER・布帽子」が完成しました。

社員には終礼の時間の冒頭に、社長から一人ずつ手渡されました。

 
 2018/10/07   全国労働衛生週間、当社の活動
今年の衛生週間が、本日で最終日を迎えました。
当社では、前月の準備月間から次のようなことを取り上げて活動しました。

【整理】:分析手順などを壁に貼り紙で掲示する際、押しピンでランダムな位置に貼っていたものをカーテンレールと紐で整然と吊るす

【清掃】:エアコンのフィルターに「最終清掃日」「次回清掃予定日」のラベル表示(→これから実施)

【躾】:各分析室のセンターテーブルの上を、常に整頓しておくこと

ささやかなことばかりですが、衛生(ケガ以外の健康障害防止)につながればと思います。

 
 2018/09/15   フルハーネス型安全帯の講習に申込み
当社ではこの夏にフルハーネス型の安全帯を2つ取り寄せたものの、使い方に慣れていくのが後回しになっていました。

そんな折、大阪労働基準連合会の講習会チラシを入手。当社の作業には、この「特別教育」(全部の内容が含まれず『特別に』簡略化された教育の意)に該当するものが含まれるようです(排ガス測定など)。

とりあえず技術部の責任者2名分を、11月16日の開催日で予約。申込みがかなり集中しているようです。続いて12月21日に2名を手配しています。

座学だけとはいえ、当社もこれでようやく実運用につながりそうです。

 
 2018/09/08   危険物新聞に企業広告を掲載
 防火に主眼を置く(公財)大阪府危険物安全協会が発行する『危険物新聞』8月号(第776号)に、当社の企業広告が掲載されました。

 灯油の地下タンクなど、炉やボイラーの熱源を保有する事業所では、排ガス測定の需要がよくあります。
 そういった先に配布されているであろう同紙を通じ、環境面の危機管理にたずさわる当社の存在を知っていただけたら……。
 そんな会長の思いから、掲載に至りました。(複数号掲載)

 なお広告のデザインは、広告を本職としない当社の技術員が手掛けたものです。

 
 2018/08/12   お盆休みの読書・『衛生管理者の仕事』
昨年発刊の『衛生管理者の仕事』(中災防)を読み始めました。

筆者の実務経験を振り返った、あとがきを抜粋:

(担当範囲が広く)個々の分野の専門家になることができない中で、(中略)課題を捉えて、対応の方向性を見出して、実行に結び付けるといったところに「専門性」があったかもしれません。


 
 2018/07/28   計量証明のライセンスを支える維持審査
先週は、春に日程の決まっていた計量検定所の立入検査があり、会社の主だった人が応対していました。私は途中入社で2年目につき、傍観するのも初めてです。

2時間半ほど審査していただき、判定は3段階中の真ん中に。IS0風に言うと重欠点はなく、軽欠点に相当する「指導事項」が2点ほどあった形です。同日の終礼(社内ミーティング)でも早速、業務プロセスの工夫について技術部が協議を始めていました。

大気・水など環境系の計量証明事業所として、当社が現在の登録証を得たのが平成11年。そしてこの登録証には有効期限がありません。

事業の年数が経つにつれ、会社ごとに環境計量士の顔ぶれの変化・使用機材とその維持状態の変化・計量証明の実務実態の変化などが起き得ます。そのため、登録後も本当に維持できているかどうか、計量法という法規に基づき、当地ですと大阪府計量検定所の方が維持審査に来て下さいます。ISOのサーベイランスとの違いは、定期ではなく不定期であること。

指導事項にもありましたが、自社で定めた仕事の手順の細則が形骸化していたり、整合性の維持がむずかしい。ISOで苦労する点とよく似ているようです。
私どもの業界は、親会社が製造業でもない限りISOを取得している会社はレアです。普段、測定・計量を受託している企業様にも社内整備のノウハウを学びながら、本業を磨いて参りたいと思います。


 
 2018/07/15   熱中症の対策(私どもの事例)
このたびの西日本豪雨に際し、被災地へ災害ボランティアに赴く方々が多数おられることを報道で知りました。
皆さん普段の生活がある中、日程をやりくりして活動されているのには頭が下がります。くれぐれも熱中症に気をつけられるよう願います。

ちなみに、私ども計量証明事業所の夏場の外出業務では、熱中症リスクと隣り合わせの状況で活動しており、日常的に備えをしています。

ボイラーや炉における排ガス測定では、フランジ(測定口)の位置が屋内でも屋外でも、涼しい場所にあることはほとんどありませんし、排水のサンプリングでは広い工場の敷地内の採水ポイントを徒歩で回りますが、日蔭ばかりとも限りません。環境騒音の測定においても同様です。自治体の下水処理施設の臭気測定用の採取においては、脱臭装置のある部屋の窓を開けると臭気が敷地外に出てしまうので、空調・換気の全くない施設内で作業を行います。

そのような作業の際は、水分や塩分補給のできる飴を携行するといった基本的なことに加え、予め休憩スケジュールを申し合わせておくこと、体調に変化があったらお互い遠慮せずに申告してペースを加減すること、睡眠不足でないか等の基礎コンディションを自覚しておくこと、下着の着替えを持参することなど、様々な工夫をしています。

 
 2018/06/29   全国安全週間準備月間、当社の活動
今年の当社は7月の全国安全週間(7/1〜7/7)に向け、次の準備活動を行いました。

【KYミーティングの導入】
・朝にKYミーティングを始めました。
・本日の仕事にあたり、「道路状況・運転上のリスク」「受託先での作業リスク(ご迷惑をおかけすることも含め)」「機材のコンディション」「社内(ラボ内)作業での注意事項」などをシミュレーションし、共有します。

【安全帯の仕様検討】
・ハーネス型の安全帯を2本調達。試験運用し、社業にあったスペックを見極めます。

【作業服の補充調達】
・毎年一定数を調達する形ではないので、本年を補充年度としました。


 
 2018/06/19   昨日の地震による当社の影響(軽度)
昨日は地震の影響により、測定日の一部スケジュール組み直しでご協力いただき、有難うございました。
また、受託先事業所様ならびに地域管内で影響の出た皆様方にお見舞い申し上げます。
関係諸団体よりお見舞いのFAX等を頂戴しましたこと、篤く御礼申し上げます。


当社自身の事業所の状況ですが、

1.人的被害はありませんでした。
2. ユーティリティー(電源・ガス等)の支障はありませんでした。
  水道給水も問題ありません。
3.ラボの機材設備の破損は、ごく軽度で収まりました。
4.事務所部分は、通信・OA機器は問題なく、書類棚の倒壊関係の復元に労力を割いております。
5.事業所周辺の交通状況は、問題なく通行できています。


当社へのご連絡等は、おおむね平常の感じでお受けできますので、よろしくお願い致します。


 
 2018/06/05   トピックス画面を新設
昨年11月から2本立て構成となっている当社のホームページ(営業専用サイトと初代総合サイト)のうち、こちらの初代総合サイトで「トピックス」を始めました。

過去の記事は、5つのカテゴリーごとに累積されます。
投稿者の名前(※)はタイトルの右端に小さく出ます。
(※一般社員 'TimeCard08' のようなコードネーム表記にて)

営業専用サイトのほうも、これから随時整備して参ります。
ご活用(・ご観賞)いただけたら幸いです。

 
 2018/06/05   会社案内とホームページの扱い
当社では昨年、内容が古くなった会社案内(紙のパンフレット)のリニューアルの準備を進めていましたが、途中から会社案内を補充しない方針に改めました。

会社案内という媒体には、顧客サービスと自社紹介という二つの軸足が同居していますが、後者については、取引と直接関係のない部分が多く含まれがちです。
業種によって判断は様々かと思われますが、当社では今後、広報アイテムは次のような構成でやって参ります。

・紙媒体:名刺と会社経歴書のみ(/会社案内パンフレットは持たない)
・ホームページ:2本立て(営業専用サイトと初代総合サイト)