水質調査、騒音振動測定など環境調査は、関西環境リサーチ株式会社にお任せ下さい

「感」お知らせ&日々の所感
お知らせの他、社員各自や一同が社会人生活で感じていること。
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 2022/12/24   (52/52週) 2022年、当社のレビュー
当社のこの1年について振り返ってみたいと思います。(新規顧客・案件を中心に)

【官庁】
近隣自治体で、施設単位でのご新規(初受託)は2件。し尿処理施設の臭気測定が1件と、教育系の公民館の排ガス測定です。(それぞれ別の自治体)
案件としての新規は、中央官庁系の機関のラボにおける、作業環境測定に準じた測定を1件受託しました。


【民間】
民間系では、まず既存顧客がメインのお客様であることは言うまでもありません。報告書の読み合わせに訪問した際、ときには逆に知見を授けてくださり、当社側も育てて頂いております。
新規顧客に目を向けると、計16社様とのご縁がありました(製造業9、建築・不動産系5、流通・サービス系1、医療機関1)。

当社と別業種との連携に関して。
今年の新規の製造業様(上場企業)のご縁で、改修工事業の業者さん1社と知り合いました。この先、当社で手がける工場換気の改善などでタイアップできる可能性を感じたので、連携したい旨打診したところ、快諾していただけました。今後の展開が楽しみです。

受注ジャンルで新規性のあったものは1件。
安衛法事務所則の改正にともなう、照度測定を受託しました。改正はあくまで事務所部分につき、工場など現場を含む事業所全体を対象にする場合、基準の設定には(建築系の法規を横断的に取り込んだ)判断を要します。したがって受託ジャンルとしては「定番もの」ではなく「アレンジもの」に類する形となり、準備段階・実施段階ともに貴重な経験をさせていただきました。

年を越せば、新規だったお客様も既存顧客の仲間入り。2023年も当社なりに貢献してまいりたいと思います。


 
 2022/12/16   (51/52週) 寡兵な度合いの数値化モデル
寡兵(かへい)とは、応戦すべき量的ニーズに対して兵隊の数が少ないことを指す軍隊用語。企業の操業においても、ときに条件が重なれば寡兵傾向の局面が発生します。そんな時期、顧客満足リスクはもとより労働安全衛生上のリスクも生まれ易くなるので、手を打っていく。まさに管理部門(ひいては経営陣)の腕の見せどころです。

さて今週の当社自身、かなり寡兵だったと思います。どの程度の寡兵だったのか、ひとつ数値化してみましょう。

技術部5名について、マンパワーの基本単位を次のようにします。
・入社数年の社員  90単位×1名
・役職者(プレイイング・マネジャー) 120単位×1名
・中堅社員  150単位×3名
これにより、会社としてのマンパワーの総力は、
1日間 = 90 + 120 + (150×3) = 660単位
1週間 = 660単位 × 5日 = 3,300単位

これが当社の、基本的なマンパワーでした。ところで先々月より中堅社員で1名、欠員が出ましたので、このところ次の稼働率がベースになってています。
1日間 = 90 + 120 + (150×2) = 510単位
(1日のマンパワーが 510 / 660 = 77%)
1週間 = 510単位 × 5日 = 2,550単位
(1週のマンパワーが、同じく 77%)

ひいき目に見て「8掛け」で回している昨今です。この上に、今週については中堅社員1名で4日、役職者1名で1日の休業が発生しました。これも反映させて1週間の稼働率を見ますと、
月)90 + 120 + (150×1) = 360
火)360
水)360
木)90 + (150×1) = 240
金)90 + 120 + (150×2) = 510
  →1週間トータル 1,830単位(稼働率 55%)

今週だけを見れば、従来比で55%という稼働率が出ております。
年末、年度末というのはご新規の案件も多いのですが、この稼働率でそのまま新規案件を受付けるのは、もはや無責任の領域と言わざるを得ません。
当社のマンパワー上の態勢を整える。このことが、最優先の社会的責任でしょう。

 
 2022/12/03   (49/52週) 産業保健スタッフの老親介護アプローチ
私事ですが、先月から自宅マンションに老親1名を引き取っています(『要支援1』の実母)。会社で介護経験・同居経験のある先輩方に教わりながら、妻と2人で生活パターンの立ち上げをしています。

自分がこのことに取り組む際、「産業保健スタッフとしてどう取り組むか」という裏テーマを設けました。私ども測定機関は衛生管理者の僕(しもべ)ともいえるポジションですので、いわば産業保健スタッフの端くれ。もしそれを私生活に生かせる部分があるなら、職種の意義も深まる気がしました。

計数化、記録と検証、多面的把握といったところが、産業保健スタッフの持ち味でしょう。それに倣い、とりあえず管理表のフォーマットを1枚作りました。A4版横で1週間分とし、横軸が曜日、縦軸が項目です。

項目は上段を「バイタルチェック」、下段を「QOL(生活の質)」で2大別。バイタルは毎日測るのが酸素濃度・体温・血圧、そして週1回図るのが体重。QOLは、自覚症状・他覚所見、トイレ・食事(量)、外出・交流、テレビ、晩酌・ナイトキャップ、歯磨き・入浴。(QOLのほうは、気づいた点のある時のみ記入するスタイル)
バイタルチェックは本来、時刻を決めて行うべきものですが、私生活なので構えてやると長続きしません。「あ、測ろうか」と気づいたタイミングで行い、時刻を適宜併記するようにしています。
管理表の1週間分が満欄になると、1枚ずつPDF化して自宅パソコンに落としています。医療従事者ほどの緻密さは無いものの、データが蓄積されればおおまかな傾向が見てとれるはずです。

急激に衰えるのではなく、ゆっくりと安定的に衰える(ソフト・ランディング)が、QOLの目指すところと思われます。環境の変化もできるだけ急激にならないよう、好みのTV番組なども尊重。この数週間で、早くも痩せすぎだった体重が回復基調でよい傾向です。コンディションには波があるものでしょうから今後、一喜一憂するでしょうが、産業保健スタッフならではのアプローチをしていきたいものです。

 
 2022/11/24   (48/52週) ヒュームの再測定実施、半年後で1割未満
〜営業部より〜
溶接ヒューム法改正に伴う個人ばく露測定は、昨年度(令和3年度)中に「初回の測定」を義務づけられ、当社でも 38社・71エリア(均等ばく露作業)・143人に実施させていただきました。
その後、今年の令和4年4月〜11月という約半年間で、当社でお請けした「換気等の改善後の再測定」は、2社・3エリアでした。
すなわち、率で見ると会社数で約5%、エリア数(均等ばく露作業数)で約4%の比率で再測定が実施されています。(もともと課題のない作業場も含めた単純割りで、1割に満たない比率)。

再測定の結果は、防護係数の比較ではいずれも改善。ただしこれは「たまたまの改善」かも知れません(※)。いくら換気等を変更しているとはいえ、場の操業状況(・人の作業状況)を全く同じに再現して測定することは困難だからです。(※集じん機のないところに集じん機を導入したのであれば、効果はかなり明確)

報告書へのコメント記載方法(まとめ方)も、初回の測定と再測定とでは若干の使い分けを要するようです。再測定で依然として防護係数が1を超えていても、さらなる再測定が義務づけられているわけではありません。事業場の総合的・主体的・継続的な判断にゆだねる形で、コメントをまとめさせていただきます。

 
 2022/11/01   (45/52週) 全国産業安全衛生大会(福岡)に社長が来場
年に一度、開催地を移動しながら行われる『全国産業安全衛生大会』(主催:中央労働災害防止協会)が本年10月、福岡で行われました。

社長が「こんな近くでやっているのに……」と京都会場に来場できなかったのが2019年。
むしろ遠方である今年の福岡は、意外や来場が叶いました。ちょうど商工会の活動があり、その旅程とうまく絡めることができたのです。

社長が受講したのは、最終日21日の「化学物質管理活動分科会」の4コマです。
●【特別報告】
レーザー・IHによる塗膜剥離工法導入のための作業者リスク(ばく露実態調査)評価
(中災防大阪 東久保一朗氏)

●【1】
化学物質リスク診断で安衛法対応と塗装・洗浄職場の作業環境改善
(ナブデスコ株式会社 棚橋伸二氏)

●【2】
溶接作業における作業環境管理と改善調査〜溶接ヒュームにかかる法改正の考察〜
(カヤバ株式会社 神山嘉千氏)

●【特別報告】
新たな化学物質規制への移行に向けて
(厚生労働省 安井省侍郎氏)

社長の受講の所感は、内容がとても良かったとのこと。また年末にかけて社内でも内容を共有していきたいと思います。

 
 2022/10/29   (44/52週) ラボの分析資材に値上げの余波
当社に分析用の機器や資材を提供していただいている販社さんが2社ありますが、そのうちの1社さんが先週、来社されました。

ご用向きは、値上げの挨拶。紙ウエスを5%アップ、ガラス容器類は20%アップになるとのことです。「ステルス値上げ」ではない対応に感謝いたしました。

当社の扱う測定・計量はお客様にとっては固定費(付加価値のある商品の原価を直接構成するものではないランニングコスト)ですので、国際情勢が厳しければ、むしろ固定費を小さくしていきたいはずです。よって当社は価格転嫁の要請がし易い立場ではありません。

とりあえずできることは何でしょう?
品質(分析精度)を落とさない程度に、紙ウエスの無駄遣いの見直し・ガラス容器を割らないように注意するなど、心がけること。そして物品の仕様・調達ルートについては、現状が妥当かどうかを再点検してみることも有意義でしょう。

また、コストアップの影響度合いを試算する習慣をつけることも大切だと思われます。「こんなにロスがあるのか!」と情報が入れば、われわれ社員の行動も変わり、前述の心がけの動機付けになるでしょう。

 
 2022/10/14   (42/52週) 法律の条文の難解さに親しむ
先日、営業マンの自己研さんとして公害防止管理者の試験にチャレンジしてきました。「大気の2種」という分類のものを受験し、初年度ですので5科目(公害総論、大気概論、大気特論、ばいじん・粉じん特論、大気有害物質特論)を全て受験しました。結果発表が12月にあるとのことで、初年度に何科目の部分合格を稼げるかが楽しみです(あまり少なかったら、初年度でギブアップします……)。

受験準備として、4月から9月の半年間、試験の運営団体「(一社)産業環境管理協会」の主催する通信教育で勉強しました。期間中は課題の添削から質疑応答と、大変親切にサポートしていただけ、幸せな学習生活でした。

教材の理解吸収にあたり、いろいろな経験をしましたが、当初の思い出をひとつ。環境基本法などの法律の条文に親しむ必要があるのですが、その文章が難解なこと。添付の例は環境基本法第22条の2項です(既製品でなく、私が自分用に作ったアンチョコ)。これをパッと読んで、何のことかわかりますか?

画像のように色をつけ、どうにか修飾句の親子関係を整理するのを試みましたが、基本的に悪文のため根本治療になりません。どこが悪文なのか。作家の故・井上ひさし先生のいう「短期記憶」を度外視している点です。

遠い記憶で不正確かもしれませんが、『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(新潮文庫)によりますと、作文においては書き手が読み手に対し、一度に憶えられる量の情報を小出しに渡していき、全体として一定量の情報(要するに、何が言いたいのか)を理解してもらう……、というのが無理のない手順だそうです。その「小出しに渡す」最小単位が、読み手の脳の短期記憶で預かれる分量の情報ということです。

ところが前述の条文の文章ですと、そういった短期記憶として脳に一旦落ち着く前に、次々と情報が押し寄せてきます。これでは情報同士の親子関係が支離滅裂な状況に陥り、読み手が混乱します。

公害防止管理者の受験勉強では、化学反応の式や計算問題など、専門的な内容について行くだけでも受験生の負荷は高いです。そのうえに条文という、たんなる日本語の文章にさえ手間を要していては、ハードルが余計に高くなってしまうのではないでしょうか? 実務上、本当に資格の要る受験者の皆さんのご健闘を祈るばかりです。

 
 2022/09/24   (39/52週) 化学物質にまつわる官製チェックシートを入手
化学物質について、事業所側の自律的な管理を求める規制が順次立ち上がりつつあります。この動きについては、まだ多くの事業所様で「けっきょくウチの工場では何をするの?」「何から始めるの?」「そもそもウチは関係あるの?」という認知度でしょう。

そんな中、北大阪管内では9月20日(火)に全国労働衛生週間実施要綱等説明会(基準協会支部主催、従来でいう衛生大会)が開催され、当社からは社長が情報収集のため受講参席してきました。

当日は労働衛生の諸テーマが扱われる中、化学物質については厚労省の令和4年8月付発行のパンフレットも配布され、解説されました。そこに、事業所の自己点検用のチェックシートのページがあります。チェックシートがもらえると、事業所様は安全衛生委員会などで自社のやるべきことを議論でき、重宝かと思われます。

当社もこれからチェックシートの内容を確認し、作業環境測定の受託先企業様からの問合せ(設問の意味の確認等)に応じられるよう、準備して参ります。また、当社自身の対応力にも限度があるので、然るべき関係先(JAWEや中災防、労働衛生コンサルタントなど)とタイアップして対応させていただくケースも出てくるのではないかと思われます。

とはいえ、「貴社の場合はこの方向性が妥当」などと、業者のほうから答えのようなものを提供していては、「自律的な管理」になりません。したがいまして当社などがアシストできるのは、判断材料を整理することのお手伝いまで。あくまで主役となるのは、選任された化学物質管理者様を軸とした事業所側の活動であると心得ます。

 
 2022/09/17   (38/52週) 同じ化学物質にも善玉的・悪玉的側面が
この10月からの法改正で、酸を扱う作業場を対象に、特殊健康診断の一環で歯科検診(内科医による歯のチェックではなく、歯科医による検診)を行うことが求められ、それにはフッ酸も含まれます。こういう話を聞くと、「フッ素って、歯に悪かったっけ?」と意外な感じがしますね。

練り歯磨きの宣伝では「フッ素入り」が付加価値になっていますが、それは歯の表面の状態維持に関する、プラスの作用。かたや経気的な形(※)で血液にフッ素が入ると、健康障害リスクとなり、そのダメージの度合いが歯科検診でチェックできるということです。(※工業系の作業現場の空気を吸うなどして)

大気汚染という経路でも、フッ素には有り難くない側面が。フッ素に汚染された桑の葉を食べたカイコが、まゆを作らなくなったり、牛など草をよく噛んで消化する反芻動物にも健康影響が出るそうです。つまり今風に言えば、影響を受ける側の都合で「黒フッ素」にも「白フッ素」にもなる、ということです。

同じような感じのものに、オゾン(酸素原子が3つつながった気体の分子)があります。同じオゾンなのに、地表からはるか上空の成層圏に堆積すれば、オゾン層を形成して紫外線を遮ってくれる「白オゾン」。いっぽう我々が生活する大気圏で濃度が高まれば、光化学スモッグを発生させる「黒オゾン(光化学オキシダントの主成分)」となります。

 
 2022/09/10   (37/52週) いまだ黎明期の「香害」測定
今年の前半に2件、法人様より香害(洗剤などの香料をきっかけに化学物質過敏症を発症したケース)に関するお問合せをいただきました。しかしこのジャンルに対する環境系の測定については、決まった型が存在せず、何がしかの提案をするにもアレンジに苦慮していました。

環境系の測定(第三者機関として客観的な証明を行う)には、次の要素が必要です。
・関連する監督官庁がある
・ターゲットになる物質と、規制基準(濃度の数値)がある
・測定方法のガイドラインがある

現状では、せいぜいシックハウス測定と敷地境界臭気の測定を組み合わせたような測定をアレンジしてご提案するぐらいのことしかできず、それでは判定の基準があいまいで、そもそも分析対象物質が妥当かどうかもわかりません。

このような香害について、先週末に新聞に特集記事が出ていたので内容を確認しました。被害のケースが相当あり、支援団体も発足しているとのこと。肝心の原因物質がいまだ特定されていないため、香害の発散源の主に明確な規制をかけにくい、というのが現状のようです。そのため、香料を濫用しないよう、心がけのレベルで啓蒙するポスターを、自治体で発行しているケースも紹介されていました。

当社の業界がお役に立てるのは、残念ながらまだまだ先のようですが、動向を見守っていきたいと思います。

 
 2022/08/19   (34/52週) 化学物質RAを支える部材の相場・流通性は?
事業活動の場において、化学物質に関する「自律的な管理」が求められるようになったことを受け、当社でも従来の作業環境測定の枠組みにはまらないリスクアセスメントの案件が舞い込むようになりました。

その際に問題となってくるのが、検知管や標準物質の価格帯と流通性です。
お馴染みの有害物質であれば、分析に用いる部材のパッケージ単価などが安くなっていますが、現行法規で管理を義務付けられていない物質については、少々勝手がちがいます。金額面だけなら大きな問題ではないですが、その上に分析対象物質が包括的だったり、流通度合い(オーダーしてどの位で入荷するか)が不明だったり……。
不確定要素が重なれば、目的に見合った判定情報が得られるかどうかも不確定となり、測定の実施そのものが見送りになったりします。

そんなわけで、お引き合いを頂くときは喜びとともに、見積回答に苦慮しているのが現状です。それでも「自律的な管理」は今日的な課題。事業所様といっしょに、あれこれ検討させていただき、当社なりの経験値を積んで参りたいと思います。

 
 2022/08/10   (33/52週) 作業映像に期待するテロップ
先日テレビを観ていると、銭湯専門の絵師のかたが紹介されていました。
限られた画材・技法・作業時間で、ニーズに合った作品を深い仕上がりで量産してこられたとのこと。職種や人の希少価値を紹介する、素晴らしい番組でした。

ただ、「脚立を使って塗装作業」を行なう映像が出てきたら、作業者が「ヘルメットと防毒マスク」をつけているものと期待して観るのが、現代の労働安全衛生のスタンダード。それと異なるものを放映する際は、画面の隅に但書きのテロップをつけておけば良いと思います。

※(古い映像であれば)○○年当時の作業映像です。
※窓を開け、換気が充分になされています。
※水溶性シンナーを使用しています。
※脚立の使用時にはヘルメットをつけ、補助者が足場をおさえます。

大胆な作業の仕方を見慣れてしまうと、大胆が大胆でなくなり、危険予知能力が下がってしまいます。テロップは映像作品の「わかり易さ」以外の役割も担っており、視聴者の危険予知能力の維持にも貢献しています。

 
 2022/07/29   (31/52週) 個人面談で得た気づき(社員の感想)
先日、社内の定例的な面談(社員1名ずつで社長夫妻と30分〜60分程度実施されるもの)を受けさせて頂きました。

そのなかで、人間の持つ「常識」は人によって違う(自分以外の人が間違っていると決めつけたものではない)ということを教わりました。これをきっかけに、私も自分の常識について、点検してみることにしました。

我がコモン・センス(共通の感覚→常識)は、世間の何割ぐらいの人と共通する感覚なのか。それを考える上で、この要素は大きいのではないか? というものを発見。それは、労働組合を介した労使関係の経験です。

以前の勤め先3軒のうち、2軒には労働組合があり、活発かどうかは別にして基本的な活動が行われていました(賃上げ交渉・一時金交渉・年間休日の獲得などと、その準備としての組合大会・職場会議)。その中で、私は3つの立場を経験しました(一般組合員・組合側の職場委員・会社側の一般社員)。

ここでの経験で、「労使で信頼関係を結ぶための基本姿勢」というものが身に付いたようです。
・脈絡のあることを言う(基礎情報とその経緯を踏まえていること)
・色々な立場・観点からの意見に対する理解を示した上で、落とし所を主張する
・双方が、支え合う運命共同体であることを常に念頭に置く

この姿勢を労使関係以外のいろいろな関係(社内の日常生活や社外との関係、あるいは仕事以外の関係)にも応用するなかで、自分の習慣化した思考パターン・行動パターンを「社会人同士の信頼関係のためのプロトコル(共通言語)」だと思うようになっていったのではないでしょうか。

ところが、世の中の会社は労働組合のある所ばかりではない。近年の組織率は2割を切っていると言われています。さらに形式的な組合(組織内に居ても実感の伴わない組合)を除けば、1割前後とみることができ、その会社の中でも私のように世話役までを経験する人ばかりではありません。

このように比率を追っていくと、私の「常識」は世間の5〜10%ぐらいの人と共通する感覚、ということになってきます。とてもじゃないがコモン・センスにはほど遠く、マイノリティーのほうが近い表現なのかもしれません。

今回、個人面談で自分の常識を数値化してみることができ、大きな気づきとなりました。自分のプロトコルに価値が無いとは思いませんが、「たまたまお役に立てば、これ、幸い!」ぐらいのスタンスが妥当なのでしょう。

 
 2022/07/23   (30/52週) 点滴スタンドの未来形
当社では定期健康診断後、結果のフォローとして大腸内視鏡検査に進む人が、1年おきに1名程度の頻度でみられます。今年については私(営業員)を含めて2名あり、いずれも1泊入院コースでフォロー完了となりました。

私個人としては、病棟(入院患者の生活する一角)で過ごす経験は約20年ぶりで、運営の仕組み・医療スタッフ・機材、いずれの面でも新鮮味がありました。

人から新鮮味を覚えたのは、若い医療スタッフの皆さんが、頼もしくお世話して下さることです。世の中を質・量ともに回している青年期・壮年期の世代を「若い」と感じるのは、自分がそれだけ齢をとってきたということ。折に触れてそういう実感を持つのは(順調に、安定的に加齢する上で)大切なので、良き機会をいただきました。

機材の面で隔世の感があったのは、点滴スタンドです。足の数の変化と、動力の追加がみられました。
約20年前にお世話になった病院では、4本足か5本足の点滴スタンドを見かけました(※現在でもネット検索すれば、3本足〜5本足が主流)。それが先日入院した病院では、6本足になっていました。
そして、動力(100V電源/携帯時はバッテリー)もついていました。

動力ユニットの仕事は、次のことを病室で行うことです。
・患者の状態に合った点滴スピードを維持する。
・輸液バッグが空になった時に、アラームが鳴る。
・異常時(スピード調整不能時など)にアラームが鳴る。

アラームが鳴り続けると、同室の患者仲間に迷惑なので、ナースコールを押して看護士さんを呼びます。昔はナースコールを押すのは(なんだか弱虫男のようで)気恥ずかしかったのですが、押さずに済ませられないので、ためらいなく押せます。コロナ禍で病棟に家族が入れないので、「ナースの詰め所に言ってきて」と頼める身内も居ません。病院側も巡回頻度を節約できる分、呼ばれたときの対応に専念でき、機材のメリットがあると思われます。

今後、さらに点滴スタンドが進化するような気がします。こんな未来形のものが出現しないでしょうか?
・アラームは病室で鳴るのではなく、有線で発報してナースの詰め所で鳴る。
・病棟の外にいる家族と、点滴スタンドを介して話ができる。
・その他、いろいろとスタンドがロボット化していく。

 
 2022/07/16   (29/52週) 出張で持ちこむ電工ドラムの仕様
先月の終礼で、作業環境測定に伺った官庁系のラボで、「その電工ドラムには漏電ブレーカが付いていませんね。次回から付いたもので作業願います」とのご指導があったと報告されました。もともと技術部の心がけとして、官庁系の現場には漏電ブレーカ付のドラムを使用しており、今後もそう徹底するよう確認し合いました。

当社の保有する6台の電工ドラム(延長コードが巻き取れるもの)のうち、漏電ブレーカが付いたものは2台。また、内蔵ではなく外付けの漏電ブレーカ(※)を2台ほど持っています。(※製造現場のコンセント孔と合わない場合あり)
当社の場合、1日に3チームが同時に動くことはほぼないため、装備はこれで充足していると判断できます。

あとは、漏電ブレーカの付いていない電工ドラムを保有し続ける意味はあるのか? という点を考えてみたいと思います。そもそもこの「漏電ブレーカ付きのものを」というのは、何のリスクに対する備えなのでしょうか?

◆労働安全衛生規則 第333条第1項(漏電による感電の防止)
事業者は、電動機を有する機械又は器具(以下「電動機械器具」という。)で、対地電圧が百五十ボルトをこえる移動式若しくは可搬式のもの又は水等導電性の高い液体によつて湿潤している場所その他鉄板上、鉄骨上、定盤上等導電性の高い場所において使用する移動式若しくは可搬式のものについては、漏電による感電の危険を防止するため、当該電動機械器具が接続される電路に、当該電路の定格に適合し、感度が良好であり、かつ、確実に作動する感電防止用漏電しや断装置を接続しなければならない。

すなわち、作業場に思わぬ形で電気がまわり、洋画『ノイズ』のように人命に関わる事態になることを想定しての規制だと思われます。であれば、条文に記載の条件が揃わない場面では、漏電ブレーカ付きでない電工ドラムにも出番があると解釈できます。
出張先のローカル・ルールに従うことは入構業者として大前提ですが、ひとまず処分せずに資産として持ち続けても良さそうです。

 
 2022/06/24   (26/52週) 営業部の単独下見案件がそこそこ集中
この6月は、営業見積のための下見で客先へお邪魔することが6件ありました(繁忙月ということもあり、すべて技術部員の帯同なし)。

・照度測定(事務所部分および工場内)
・管理濃度のない成分の洗浄剤に対する、化学物質リスクアセスメント
・定期の作業環境測定に追加する作業場の確認(粉じん)
・定期の作業環境測定に追加する作業場の確認(騒音)
・2液性の混錬作業で、特化物ばく露が発生していないか確認する臨時測定
・ISO14000を維持するための、臨時の環境振動測定

それぞれのお会社から引合いをいただいた営業部は、現場にお邪魔し、見積に必要な情報をスケッチさせていただきます。
(その際、正式受注後に社内指図書の内容が行き届くよう、できるだけ野帳に近い詳細さを心がけます)

スケッチをする際、一発で清書レベルのものを作れる人と、とりあえず殴り書きして帰社後に清書を要する人がいます。私は後者なので、下見を2軒はしごした日などは「清書待ちの殴り書きスケッチ」が滞留してきます。

「清書待ち」の滞留は、2軒が限度です(3軒もためると、記憶が薄れてきて再現できない)。清書していく際のコツは、古いほうでなく新しい案件から処置すること。臨場感の余韻が強いものから片付けたほうが、落ち着いて消化できるからです。

 
 2022/06/18   (25/52週) テレビ報道の表記、濫用なのか乱用なのか
先週末、久しぶりにテレビ報道で「乱用」表記をみかけました。
「優位的地位のらんよう」。この固い表現は、私にとっては下請法(下請代金支払遅延等防止法)で馴染みが深く、そこでは優位的地位の「濫用」と表記されていました。川のはんらん(氾濫)の、濫ですね。

乱用と濫用のニュアンスのちがい/(例)ウスターソース

●焼きそばを作る際、ソースを入れ過ぎる場合
  →ソースの濫用(用途は合っているが、度が過ぎている)

●色々な料理に、無差別にソースをかける場合
  →ソースの乱用(用途が合っていない。かつ度が過ぎる場合も)

前者が行為の「量」のみについて問うているのに対し、後者は「質」まで問うています。当社の業務で言えば、定量分析と定性分析の関係に似ています。

 
 2022/06/04   (23/52週) 環境基本法とSDGsの環境項目、どちらが本家?
環境基本法の第10条で、6月5日を「環境の日」と定めています。
当社では、11月1日の計量記念日はポスターを社内掲示しますが、「環境の日」のほうは特段何もせず、行事としては意識が薄いです。

当社の業(なりわい)は、法に基づく量の番人、といったところですが、関わる法体系としては、次のものが該当するでしょう。
・環境基本法と計量法の交わるところ(公害関係)
・労働安全衛生法(事業所内の安全配慮関係)

日本の環境基本法は、その前身である公害対策基本法(1967年制定)をもとに、1992年にブラジルで開催された地球サミットの趣旨を反映し、1993年に制定されたものです。その内容には、「環境負荷」・「地球環境保全」・「持続的発展」等、現在のSDGsで問うている環境意識の要素がすでに含まれていました。

誰が環境に取り組むのか。国、地方公共団体、事業者、国民と、主役となる各チャンネルが規定されています。現在のグローバルな環境意識が、2015年採択のSDGsから突然始まったものではない……ということは、にわか仕込みでない方々であれば当然にご存知のことでしょう。

 
 2022/05/28   (22/52週) 船を水中でえい航する際の流体力学的な負荷
さる4月23日に起きた、遊覧船が乗客・船員を乗せたまま知床半島で沈没するという痛ましい事故にともない、発見された船を海底から運びあげる作業が連日報道されてきました。
そのなかで、サルベージ船の傍らまで引き上げた船を、えい航中に再び海底に落としてしまう、というハプニングが発生。水深の浅い海に移動してサルベージ船上に引き揚げよう、というリスク回避の行動が、新たに別のリスクを生んでしまった形です。

あらためて考えると、海すなわち水という流体は、気体よりもはるかに粘性のあるものです。全身が流線形でもない「船」という物体を、水中に全部沈めた状態でえい航すれば、吊り具(や支持材)に大きな張力がかかるのは容易に想像できます。また海流も伴って吊り具が翻弄されれば、強度面での疲労も生じることでしょう。

再トライ時には、引き上げた船をサルベージ船に「横抱き」にし、すなわち船底の流線形の部分のみを海につけてえい航。吊り具も揺れず、これで理にかなった形になっていますね。

さまざまな専門分野のチームが関係者となって、取り組んでおられたと思います。慎重を期した配慮から立案されたオペレーションの中に、「船を丸ごと水中でえい航する」という工程に対しては、カバーすべき専門分野に空白地帯が生じてしまったようです。

「誰にとっても専門外」という要素が、オペレーションの中に潜在していないか。そのことを洞察するために、2つの素地が大切かと思われます。
・(専門性の低い)管理部門や責任者も、当事者意識をもって携わること。
・専門業種・専門職種の人は、自分の対応力の限度を見極めていること。

そして3つめの素地として、両者がオープンに打合せの出来ることが勿論大切。「のり代」の「代(しろ)」というように、互いの受け持ち範囲に「重なり代(しろ)」があるのが良いです。

 
 2022/05/06   (19/52週) 「許容濃度等の勧告」とオイルミストの扱い
(公社)日本作業環境測定協会(JAWE)の機関誌『作業環境』の1月号に、日本産業衛生学会が約1年前(2021年5月18日)に更新した『許容濃度等の勧告(2021)』が掲載されました。
これは物質ごとに許容濃度がズラリと並んだ表です。作業環境測定の管理濃度を設定する際にも参考にされている基礎データなので、安衛法の動向を先読みするべき読者のためにも、掲載されているようです。

この資料を見て、まず当社が目で追って確認したのは「鉱油ミスト」の項。結果は、許容濃度が依然として3mg/立米で、1977年の提案年度から変更がなされていませんでした。

現代(〜2022年)の製造現場では、切削加工などで発生するオイルミストの対策ニーズが取り上げられており、当社にもご相談をいただくケースがあります。ミストコレクターなど対策上の機材や、現状把握用の簡易計測機なども充実してきているようです。

現状、「オイルミスト」という性状をとらまえて、安衛法上の管理濃度というのは設定されていません。かたや溶接ヒュームはマンガンの含不含を問わず、性状をもって特化物扱いとなりました。健康障害の統計値(因果関係)が無い場合と、有る場合とで扱いに差が出るということなのでしょうが、両者がフェアな判定であることを祈ります。

 
 2022/04/29   (18/52週) 「社食ロス」から得られるもの
社員食堂における食材ロスの話題ではなく、「社員食堂から縁遠くなることによる損失や喪失感」、にちなんだ話題を少し。

昨年、溶接ヒュームの個人サンプラー装着者を対象に、メンバー表のご提出をお願いすると、昼休憩が職場ごとに異なるお会社がけっこうありました。コロナ禍に社員食堂で密にならないよう、分散喫食を実施されていたようです。このこと自体は立派な対応なのですが、目に見えないコミュニケーションの抜けが派生していることも懸念されました。
(以下はまったくの推察ですが)たまたま食堂で他部署の人の顔を見たときに、「明日のあれ、よろしくね」といった、念押しの声掛けができない。いっぽう当社の受託業務でいえば、排ガス測定の当日ドタキャンの事例が、(異なるお会社で)5件ほども発生している。
両者を関連づけるなら、社食でのコミュニケーション機会の減少がもたらす損失=「社食ロス」とでも呼びたくなる現象です。

またいっぽう、春は別れの季節。定年退職で、昼になったら社食に通う生活が途切れる人もいるでしょうし、シニア世代でなくても転籍や再就職となり、社食のない環境に移ってこられた人もいるでしょう。その際、(心情的にも金銭負担的にも)自分は今までどれだけ社食に支えられていたか……を痛感するケースも多いと思います。こちらも、社食にまつわる喪失感として、「社食ロス」と呼びたくなる現象です。

しかし、そもそも社食から縁遠くなることはデメリットばかりでしょうか?(給食事業をなさっている企業にとってはデメリットしかないとしても、)食堂を利用する側の受け止め方としては、どうなのでしょう。

縁遠くなってから5年半経った私の経験で言うと、むしろ得るものがありました。
食堂がなければ飲食店に通うも良し。コロナ禍でコンサートにはなかなか行けないご時世ですが、小さいお店で老夫婦が目の前で調理や接客に奮闘しているライブ・パフォーマンスを観ながら食事をするのも、すごく励まされます。お店の人と会話をすれば、地元の情報も入ってきます。私は今のところ料理をしませんが、当社には弁当男子もいます。食育の観点からみても、こういった環境が必ずしも社食に劣るとは言えないのではないでしょうか?

社食のあるお会社では、もちろん社食が以前のように復活することを願いますが、人というのは色々と適応していけるもののようです。あとは確実に抜けてしまった要素(コミュニケーション等)を補っていくために、知恵を絞っていく。それも得難い経験なのかもしれません。

※添付の美松軒(みまつけん)は、当社従業員がたまに訪れ、私も週1回のペースで通う近所のお店。若い頃にホテルで洋食の修行をしたマスターが、(厨房機器の初期投資額を勘案して)中華に転じて開業なさったのが52年前。今もご夫婦で元気に営業しておられます。日替定食が私のお気に入り。

 
 2022/04/15   (16/52週) 安衛活動の1丁目1番地は「協力」
労働安全衛生法では冒頭の第三条・第四条で、「会社は国の施策に協力せねばならない」・「労働者は会社や関係者の措置に協力するよう努めねばならない」とあります。では、労働者が「協力」するとは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか?

当社なりに解釈すると、次のようなことと思われます。
「労働者は作業主任者に協力し、作業主任者は衛生管理者(安全衛生推進者)に協力する」。

私ども測定機関は、事業所の作業主任者様と並んで、自分たちを「衛生管理者様の僕(しもべ)」と心得ています。

ところが、組織のうえでこのような関係性の意識(マインド)のない状態ですと、何が起こるでしょうか? それは、管理部門様が疲弊するということです。
職場リーダー様から「うちの管理部門は、俺たちの仕事がやりにくくなるような邪魔ばかりする」といった受け止め方で応対されると、管理部門としては「では納得できるよう、専門性を深めて説得せねば」という発想になります。その延長で、より理論武装するために測定機関から(想定問答の)レクチャーを乞う、という展開になったりするのです。

私ども自身は、知見を頼りにしていただけること自体は本当に嬉しいですし、場数を踏む意味で勉強の機会になります。しかし管理部門様が残念な形で疲弊することは本意ではありません。

職場リーダーの方々にはぜひ、「協力」というキーワードを心にとどめていただき、結局は自分たちの健康障害防止に動いてくれているのだな、という感謝の姿勢をベースに持っていただけたら良いなと思われます。そのリーダーの姿勢が労働者の協力姿勢にも波及すれば、生産実務そのものも実を結ぶようになる。それこそが目指すべきところではないでしょうか。

 
 2022/04/09   (15/52週) 学びの春、他流試合の春
溶接ヒュームで創意工夫の連続だった生活がひと段落し、春を迎えました。心機一転、社内の各人に学びのムードが見られます。

当社の規模で教育・訓練といえば、外部講習会による技能講習を修了するというパッケージが典型です。そのほかに資格を取ることを念頭においた独習・準備講習会の受講・通信教育の利用などがあるでしょう。

また勉強の扱いとしては、社命により取り組むケース・会社が奨励するケース・社員からの自発的な申し出を会社が追認するケース等があり、ほかにもプライベートで取り組む「自己研さん」というものもあります。

技術部員からは今年、資格にチャレンジする話を3、4件ほど耳にします。営業部の私も、自己研さんで通信教育を利用することにしました。教材は公害防止管理者(大気第2種)の受験を目指すもので、資格認定の主宰団体である(一社)産業環境管理協会が運営しているものです。

ふだんの職務範囲・これまでの職務範囲と少しちがうジャンルで、他流試合に臨み、そのことで本業の専門性に磨きがかかれば幸いです。
ただ社会情勢が不安定で、勉強どころではないご時世ともいえます。したがって状況をみて学びを中断する勇気も要るでしょう。(と同時に、このご時世だからこそ、学びが貴重な気分転換になるかもしれません。)

 
 2022/03/26   (13/52週) やりとりのテンポ感のエチケット
電話・メールの往復で測定日程を擦り合わせる際、その案件が直接取引なのか、元請け様を介した間接取引なのかによって「やりとりのテンポ感」を変えるべきです。
将棋の対局のイメージでたとえるなら、間接取引の持ち時間は4分の1、すなわち直接取引が一両日(足かけ2日間)で良いのなら、元請け有りの場合は半日。少なくとも営業部としては、そのように弁(わきま)えています。

「テンポ感・4分の1エチケット」には、次の背景があります。

◆やりとりの回数の差
直接取引と間接取引とでは、(やりとりにロスが無かったとしても)数の差が2倍あり、しかもそこに「相手方不在」「逆提案・再確認」などのロスがついて回ります。局所排気装置でいう圧力損失のようなものが加味されるため、差は2倍では収まりません。

◆仕事の意味合いの差
元請け様は、事業所様とのやりとりを「早く(間延びせず)」・「正確に」行なうべき立場です。なぜなら元請け様にとって、測定は受注して提供する「事業」だからです。いっぽう事業所様にとっての測定(作業環境測定や環境計量測定)は、関連法規に基づいて行うものの、やらなくても即事業が止まることがない「自主活動」。測定を受託する当社からみて、それらは(どちらがシビアかという意味ではなく)シビアさの種類が異なる世界なのです。

世界が異なる以上、案件ごとに頭を切り替えて対処する必要があります。現地到着時刻のシビアさについても、同様です。

 
 2022/03/12   (11/52週) 産業保健スタッフに求める「分類」リテラシー
専任・兼任によらず、企業における労働者の健康保持に従事する人の総称が、産業保健スタッフ。もっとも軸となるのは(社外側では)産業医、(社内側では)衛生管理者になるでしょうが、そこから関わりを拡げていけば、安全衛生委員会の委員や検診結果を集計する事務方の人、そして(産業医と連携する)検診業者もそこに連なるといえます。

近年、当社の測定受託先様からこんな問合せをいただくことが増えました。作業環境測定の結果報告書を見て、「この結果をどう受け止めたら良いのでしょうか?」「このあと、何をすれば良いのですか?」
私は前職で衛生管理者の実務を20余年やってきましたが、(基準協会や中災防に相談することはあっても)測定機関に対してそのような質問をした憶えがありません。測定機関とは、あくまで判断材料の1つ(実例サンプル)を提供する立場であって、意思決定に関して問い合わせる先ではない、と思っていたからです。
(ただ近年においては、法改正が重なる中、測定機関も助言を担うべしとの業界認識になりつつあり、それ自体はお役に立てる機会として喜ばしいことです。)

産業保健スタッフの中心的な位置におられる方々には、主体的な活動のために「リテラシー(知識や情報を有効活用できる能力)」のようなものが備わってほしいと願います。それは何かというと、分類に関するリテラシーです。

世の中には厳格な(単純明快な)分類と、目安の1つとしての分類とが存在します。「どの程度の判断材料をもとに、なぜ分類するのか」というところをすっ飛ばして、全てを厳格な分類と受け止めてしまえば、「指針値から外れた。すわ一大事!」「どうしたら良い? 判定の主である専門業者に判断のたたき台まで提供してもらおう」という思考回路になるのかもしれません。

最近発刊された図書『発達障害「グレーゾーン」』(岡田尊司著/SB新書)を読むと、専門的なこと以前にとにかく「分類」することに対するこだわりから解放されるような読後感があります。

本書は、「自分の心にハンディキャップがあるかもしれない」と思って受診しても(健常レベルだとして)診断名がつかず、それでも続く生きづらさの根拠がわからない人を、メイン読者に想定した内容です。本のタイトルを見れば、グレーゾーンという表現を提示することで「分類の精度を上げる」ことを提唱するのだと予想しましたが、その読後感はまったく違います。

最終章の見出しに「診断名よりも特性が大事」とあるように、著者の真意は「分類の表ヅラは、あくまで表ヅラ」ということです。そして特性とは特別な性質を指すのではなく、「性質上の特徴(傾向)」のこと。これは私のたとえですが、マンセル記号でいえば、1つの色を構成する3要素のパラメータの状態が「特性」にあたります(すなわち、色見として分類する主観的な評価から独立したもの)。

(220頁より引用)近年、発達の特性は、障害ではなくニューロダイバーシティ(神経多様性)として理解されるようになってきている。

これは本書に対する私の理解ですが、特性を自他ともに認識すること(『病識/びょうしき』ならぬ『性識/しょうしき』とでも言いましょうか)、それが実現すれば、効果的な療育の機会が増え、生きづらさに陥るケースも激減するでしょう。また本人の生きづらさのみならず、本人が引き起こす周囲の人の生きづらさ(カサンドラ症候群など)も起きず、パワハラに代表されるようなハラスメントの発生も激減するのではないでしょうか。

分類方法というものは、科学の進歩にともなって移り変わるでしょうが、その背景にある特性に軸足を置いて理解を深めておけば、思ったほどあわてることもない。産業保健スタッフの仕事においても、「分類」との距離感をそのようにすることで、腰が据わってくるではと期待いたします。


 
 2022/02/26   (09/52週) 官庁顧客で打合せメールに進捗表示を賜る
D市役所のご担当職員のSさんは、委託案件の実施期間中に業者と交わす電子メールのやりとりに、最近ある工夫をされています。それは、メール本文の末尾に進捗表示を添えることです。

委託案件(期間限定のプロジェクト業務)の、工程(直線的な把握で済む程度のもの)の全体像を列記し、「このメールのやりとりは、そのなかの『ここ』の工程の話ですよ」という風に、現在地のナビを添えてくださるのです。

この手法、受託側企業の営業員である私が初めて拝見したとき、なにか膝を打つような感動を覚えました。とても簡単な心がけなのですが、業務の進行上の行き違い・思い違いの発生を防ぐのに、さりげない支えとなる気がしたのです。

こんなナビ表示に今回限りでお別れするのもったいない。「当社の他の業務でも、真似して活用させていただいて良いですか?」とお聞きしたところ、(おそらくご発案者であろう)Sさんは快諾して下さいました。

オリジナルは、記号に○と◎を使ったシンプルなものです。私としては、後追い的に書類等を補充することも想定し、(○●◎を駆使して)消し込み要素を盛り込むとか、載せる位置もメールの末尾でなく、冒頭はどうだろう……と使いこなす夢を膨らませています。

ただ、あまりマニアックな表記をメール本文に載せると、取引先の方々も面くらうでしょう。けっきょくオリジナル・バージョンが、品よく妥当なところかもしれませんね。

 
 2022/02/19   (08/52週) 徒労感のないスケジューリング
ここ2週間の当社の出張活動は、「ついでが充実」していました。場当たり的な「ついで」ではなく、事前に計画した「ついで」です。

先々週の例。
当社から高速道路で行く府内湾岸部の工場様で、溶接ヒュームの個人ばく露測定を行いました。ご新規様からの受託でしたが、その所在地が作業環境測定を受託している既存顧客の1社様から、歩いて行ける位置にあります。これらを同じ日に組ませていただくことにより、測定チームの拘束時間ならびに高速道路の料金をスリム化させていただけました。

先週の例。
近隣他市の工場様へ、営業員が個人ばく露測定の下見に伺いました。あらかじめ所在地を確認すると、官庁から落札し実施中である環境騒音測定の測定地点(道路に面しない公園)の1つから、歩いていける距離のところです。早めに現場に向かうことで、同じ営業員が機材の動作チェックも代行することができました。

当社が依頼者様に提供する成果物は、報告書(測定結果報告書や計量証明書)です。現場での測定・採取の作業(通称・『そと』)のあと、ラボに持ち帰っての分析・集計作業(通称・『なか』)を経て、報告書が完成します。それらを各人が兼務しつつ、労働集約的に消化しています。
したがって、限られた人数が「そと」にあまり手間取っていると、「なか」が手薄になり、日程納期がドミノ倒し的に破綻してきます。

段取りに工夫が足りず、「今日は、こんなことをしている場合じゃないのにな……」と思いながら仕事をしていると、もともとタイトな日程に加えてミスを誘発しやすい状況になってきます。

労働安全衛生(労災や健康障害の防止)、というと専門的な印象がありますが、それ以前にまず「徒労感のないスケジューリング」に想いを巡らせるだけでも、労働安全衛生の活動になっていると思われます。そしてその質は、管理職・管理部門も一緒になって想いをめぐらせているか(当事者意識の共有)にかかっているのではないでしょうか? 管理職・管理部門にとっての「そと」と「なか」にも偏りがないよう、工夫の余地があるでしょう。

 
 2022/01/29   (05/52週) 凪のような木曜日を授かる
先週の私(営業部員)は、難しい見積作業を抱えて社内勤務に終始しました。
これをやり遂げるため、同僚が外出を何度か代わってくれたり、職場にも協力してもらえました。そして木曜日が作業の大詰め。ただ木曜日というのは、電話応対などで他の曜日に比べて3倍ぐらいバタバタし、とても頭脳労働のコンディションは望めません。

ところが、先週についてはどういうわけか、いつもと打ってかわって静かな木曜日だったのです。会長夫妻も事務所で協力して下さり、お蔭様で週末までに作業完了のめどが立ちました。

スケジュールがなし崩しにならずに済んだ手応えを感じつつ、会社の最寄りの食堂「ようき」へ昼食をとりに行きました。新調されたのれんが、小春日和の陽を浴びてものすごく語りかけてきます。マスターに了解を得て、ちょっと撮影させていただきました。聞けば、お店のご親族に裁縫に慣れた人や、手芸の達人がおられ、おかみさんの前掛けやのれんに至るまで、ご親族の手作りだそうです。このお店も私と同じように、身近な人や見えない諸々のことに支えられて運営されているのだな……と感じました。

 
 2022/01/22   (04/52週) トンガ津波被害をKY(危険予知)の題材に
トンガで起きた噴火の影響で、日本沿岸にも1メートル前後の小さな津波が押し寄せ、20数隻の小型漁船が転覆・沈没したと報道されました。このことは先週、当社の朝礼でも話題になりました。

解説記事によると、潮位が上がったタイミングで浸水の始まったケースでは、船尾と錨(いかり)を結ぶロープの長さの不足により、船尾から浸水がはじまったと推察されるとのこと。労働災害を検証する際、作業者の身体を直接傷つけた物体のことを「起因物」と呼びますが、この災害の起因物は錨だったということです。

私どもは船舶について素人ですが、錨とは「舟が(水平方向に)流される」ことを防ぐ、危機管理グッズのはずです。そのグッズが上下方向においては、このたび災害の原因を作ってしまった。この事実には船舶関係者でなくても学ぶところがあります。「舫い(ロープ)の遊びを何メートルまで持たせておけば、何メートルまでの潮位の変動に対応できる」など、数値的な目安にもとづいて運用すべきでしょうが、はたして私ども自身の現場でも同じことが出来ているでしょうか?

製造現場でも、安全のための機器や保護具が、逆に災害の起因物になってしまわないよう注意したいものです。それは使い慣れない最新型のものだけでなく、錨のような古典的グッズであっても例外ではありません。

 
 2022/01/15   (03/52週) ヒュームコレクター先端の「取っ手」
昨年は4月を皮切りに、溶接作業現場をたくさん見学させていただきました(溶接ヒュームの個人ばく露測定のため)。その終盤となった年末、あるお会社で1人の溶接工さんの作業姿勢を拝見し、同行した測定員とともに深い感銘を受けました。

スポット吸引を行うタイプの集じん機(ヒュームコレクター)の前で、定盤の上にワークを置いて板金溶接を行うのですが、その溶接工さんは、溶接位置(アークを発生させる位置)にダクトの終端をしっかり近づけて作業をなさいます。まずこれだけでも、心がけが良い感じです(外付け式フードの局所排気装置に準じて考えると、開口面からダクトの直径ほども離れた時点で『局所排気』の限度付近となるため)。

さらに心がけが良かったのは、ダクト終端の取っ手を「ひんぱんに手で触って位置を補正しながら」加工する点です。

その加工物は長いビードを肉盛りするものではないのですが、同じワーク上に3か所ほど溶接位置が点在します。1つめの溶接位置が終わると、体を移動し2つめの溶接位置で構えます。そしてアークを発する直前に、(加工物を見たまま)片手で取っ手をたぐり寄せ、この位置でもうんと近接させるのです。その素早さたるや、ロックミュージシャンが舞台でマイクスタンドをたぐり寄せるような、素早く正確な動作でした。

会社で支給された労働衛生の設備を「本当に使いこなすには、自分はどのような作業をすれば良いのか?」というご本人の探求心が、見事に作業動作となって結実していたのです。採取し終わった個人サンプラーのろ紙が、真っ白だったのは言うまでもありません。

ジャバラのダクトは、蛇腹ゆえに「自由な位置取りに変えられる」のですが、1日や半日に1回程度の調整頻度なら、わざわざ取っ手までつけておく必要もありません。
集じん機メーカーとしては、ダクト終端には耐熱性の部材をつけたい。であればその形状は(必要排風量を節約できる)フランジ形状を兼ねたものにしておきたい。さらには形状が取っ手も兼ねておれば、理想的な使用方法が可能だ……というふうに、設計が仕上がっていったのだと推察されます。

いずれにせよ「頻繁にさわってこその取っ手」ですね。

 
 2022/01/02   (01/52週) 『場内受入れポリシー確認票』を草案中
〜草案の文面より〜


◆ご挨拶
私どもは、3つの品質精度に取り組んでいます。
(1) サンプリング精度(的確な検体採取)
(2) 分析精度(含有率などの的確な割り出し)
(3) それ以外の精度(現場入場方法や報告書ご提供などの的確さ)

このたび、(3)のうち現場への入場方法について、既存顧客の皆さまへ確認をさせていただきます。

◆確認の目的
次のようなミスマッチを防ぐためです。測定のための現場入場に際し、
イ. ご担当者様からみて、「申し合わせた時刻(※後で詳述)に測定業者が来てくれない」。
ロ. 現場の作業長様からみて、「ある日突然(※後で詳述)、測定業者が入場してきて操業に影響を及ぼす」。
ハ. 測定業者からみて、「ご担当者が交代されたタイミングで、今までOKだった入場方法がNGとなる」。

◆確認の結果、把握できること
【概要把握】
【詳細の把握および提案】

◆概要把握
【ポリシーの把握】
工場(事業所)内に、業者なりを受け入れる際、そこでは「何に重きを置いておられるのか」をまず概要的に把握させていただきます。(段階:とくに意識せず/いちおう重視/強く重視)
イ. セキュリティー
  どのように入場者を受け入れるかによって、不審者の侵入・情報漏えい・病気の感染などのリスクを回避している。

ロ. 操業ロスへの影響
  どのように入場者を受け入れるかによって、生産活動に手待ちやロスが発生しないようにしている。

ハ. 場内での安全
  どのように入場者を受け入れるかによって、入場者ならびに事業所従業員の怪我や健康障害が起きないようにしている。(その一環で、場内での行動範囲や着用保護具なども具体的に規定。)

ニ. 周知徹底(社内コミュニケーション)
  従業員が、「あの業者は何のために入場しているのか?」と感じて混乱しないよう、場内での行動予定をあらかじめ通知するようにしている。

【操業スタイルの傾向把握】
受入れる工場側の業態によって、「あらかじめ測定業者の入場時刻がはっきり決まっているほうが都合良い」場合や、「ロット物の加工の終了時刻が読めないので、だいたいの時刻に入場してもらい、ロットの切れ目から測定してもらえば良い」場合などがあります。おおよそ、どういう傾向なのかを確認し、ご担当者様・現場の作業長様・測定業者、これら3者間の共通認識としておきます。

◆詳細の把握および提案
【詳細の把握】
時刻の定義・段階編。「○○時からやりましょう」という際、それはどの段階での時刻を言っているのか。(次の例:(1)と(5)とではミスマッチが生じる)

(1) 事業所に入門(守衛)
(2)  〜構内を移動中〜
(3) 測定する作業場に到着
(4)  〜測定の支度〜
(5) 測定を開始

時刻の定義・公差編。「○○時から」と申し合わせた時刻は、その公差がプラス目なのか、マイナス目なのか。
イ. プラス目(○○時ジャストか、少し後)
   例:昼食後にミーティングがあるので、早めに来られると煩わしい。
ロ. マイナス目(○○時の少し前からジャストにかけて)
   例:現場は測定のために、実作業をとめてスタンバイしている。

【提案】
日時の(打診ならびに)最終確認について、どのような形態を採用するか。(/前任者様はどのような形で通達なさっていたか)
イ. 測定業者と担当者様との間で行う。(電話やメールなどで)
ロ. 測定業者が、FAXの様式で日時を回答し、担当者はその紙を現場の作業長に回すスタイルをとる。(ワン・ライティングで行き違いを防ぐ)


―以上のような内容を念頭に、「場内受入れポリシー確認票」を検討しております。(ちなみに測定の受託に元請企業様がおられる場合、「ご担当者様」は、元請の営業担当者様になります。)
冒頭に挙げた3つの精度は、どれが欠けても当社の総合評価をおびやかすことにつながるので、このような「何を今さら」的な確認にも、新鮮な気持ちで取り組んで行きたいなと思います。