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「感」 2019/12/29   (52/52週) 2019年・当社のレビュー
当社がこの1年で扱った仕事の内容を、振り返ってみたいと思います。

官庁・民間の分類で言えば、官庁の比率が少ない年でした。
そんな中で、学校関係の案件は多い目でした。直接取引き・孫請けの区別なくカウントすれば、公立の小・中・高等学校・保育所で計6校(私立で2校)に訪問し、建材アスベスト含有分析や絶縁油PCB含有分析、空気環境測定などをさせていただきました。

民間系では、まず既存顧客がメインのお得意先であるのは言うまでもありません。各社様の、しっかりしたご操業の中で微妙に変動する測定ニーズにお応えしていました。ただし当社側がもっと工夫して、その顧客の作業場ひいては事業所に対する理解を深め、法令ニーズの変化に合わせたご提案などもしていくべきと思われます。そのあたり、来年は取り組んでいきたいものです。

新規顧客に目を向けると、計19社様とのご縁がありました(製造業7、建築・不動産系6、ビル管・設備系3、産廃・リサイクル系1、医療機関1、学校法人1)。

新規タイアップ先は2社(害虫駆除1社、局所排気装置の設備業者1社)。いずれも引き合いに応じた(初っ端の)案件ではなく、2案件目で、当社元請けによる初受託案件となりました。

受託ジャンルで新規性だったものは6件。
試験・研究的要素のある振動測定で、公害系のZ軸だけでなく、Y・Zも含めた3軸で拾った案件を頂戴しました。
局所排気装置の関連では、当社が設備代理店としてプッシュプル型換気装置を初めて提供。また、別の新規取引では(測定を請けずに)局排の定期自主点検だけを受託するケースも。局排点検は現在、当社内で受講修了者を増員し、知見・ノウハウを整備している(理解を深めつつある)ところで、来年は既存の受託案件についてもレベルの底上げが見込まれています。
解体工事前などの建材アスベスト含有分析においては、実測判定すべき検体数を絞り込む事前調査(スクリーニング)までを、仕事としてお請けするケースが出てきました(官庁1件、民間1件)。
空気環境測定では、「学校保健安全法」由来の測定を初受託。高等学校の授業中の教室にお邪魔して測定をしました。
医療機関では、エチレンオキサイドを使用した滅菌作業場の作業環境測定を初受託。(長年、PR活動をしていたので喜ばしい出来事でした)

全体として、「計量証明ならこんな形」「作業環境測定ならこんな形」といったものではない、規格外のお仕事が随所に見受けられた1年でした。自分達にとって、現在は「規格外」かもしれないが、そんなお話をいただける環境の中で、本業への取り組みに新鮮味を見出し、また本業の定義も柔軟に見直していきたいものです。

年を越せば、新規だったお客様も既存顧客の仲間入り。2020年も当社なりに貢献してまいりたいと思います。

 
「感」 2019/12/21   (51/52週) ラボ系・採取現場で白衣の着用開始
サンプリング(検体の採取)に伺うときの格好は、当社では例外なく作業服姿でした。それをこのたび、白衣もバリエーションに加えることにしました。

当社から受託先様へ「汚れた」作業服は着ていかないものの、「外観が少々くたびれた」作業服が混ざっていることも事実。その背景として、建築系の解体現場や、クリーン度が要求されない製造現場やユーティリティー(動力・配管系の狭い所)を含め、さまざまな事業所内の一角に伺っていることがあります。

ほんとうにクリーン度が要求される現場では、依頼主様のご指示に従って無塵服を持参したり、あるいは使い捨てのスモッグ等をご支給いただいて対応が済みます。それ以外のケースで当社側の心がけとして、作業服の使い分けを意識することにしました。

簡単な話、同じ種類の作業服を「ラボ・ビル管・医療系」と「製造・建築現場系」に使いわければ良いだけの話。ところが当社では(社内の分析作業も兼務する身分で)同じ日にサンプリング先をハシゴした場合など、どうも管理徹底上のヒューマン・エラーが容易に起こりそう……。
ということで、意識づけに「服の種類を変えてみては?」ということになりました。すなわち、「ラボ・ビル管・医療系」の現場では(適切と判断した場合は)白衣を着用することにしてみました。

今週、さっそく1軒で実施してみました。ひとつ戸惑ったのは、「どこで白衣を着脱しようかな?」という点。クリーン度を意識するなら、車両を降りてすぐの屋外で着脱するのも変ですし……。ともあれ、来年は徐々に慣れていきたいものです。

 
「感」 2019/12/14   (50/52週) SDGsことはじめ
最近、仕事関係のメルマガで「SDGs」(エスディージーズ)に関する記事やご案内が、ちらほらと目についていました。
今ひとつピンと来ないまま、放置していると、こんどは新聞で西川きよしさんが紹介されました。

「これは少々勉強しておかないと、(環境に携わる業界人として)まずいのでは?」と思い、事務所で会長に相談すると、冊子を1つ貸して下さいました。

『SDGs入門』jica(ジャイカ/独立行政法人 国際協力機構)

このことを終礼で同僚に紹介すると、「我こそはSDGs、とっくに知っているよ」という人は居ないようです。そこで営業部から資料をサーバーに落とし、各自で見られる環境を立ち上げました。

とりあえず言葉を知っただけで、身の回りの掲示などに気がつき始めています。
たとえば池田市役所に寄った際、玄関にはカラフルな掲示がありました。また、諸手続きのカウンターの順番を示すディスプレイの横で、ピコ太郎さん(SDGs推進大使)の動画も表示されていました。

ということで、恥ずかしながら、まだ内容をこれから理解していく段階です。
当社業務との接点や展望など、論じられるようになりたいものです。


 
「創」 2019/12/07   (49/52週) 普通騒音計を更新
当社で保有する騒音計のうち、老朽化した1台を更新しました。
(リオン 音響振動測定器 NL-42 EX)

調達したのは製造元の最新シリーズではないようですが、(他の既存機器を含めて)解析ソフトとのインターフェースを考慮すれば、当社に合った選択のようです。

ちなみに機器名称に「振動」がつきますが、当社の測定ジャンルでの運用では、騒音のみに使用します。(振動はマイクではなく、ピックアップを使用)

 
「創」 2019/11/30   (48/52週) 計量関係の功労者表彰
11月29日(金)、ホテルアウィーナ大阪で開催された(一社)大阪府計量協会「令和元年度 大阪府計量関係功労者表彰式」で、当社の櫻井会長が「計量関係事業経営者」の枠で表彰を賜りました。(大阪府知事表彰・受賞3名のうちの1人)
式典には、会長に社長が随行しました。

会社では昼休み、現役社員の測定員がお祝いのキャッチボールをしました。
左利き用のグローブは、会長より支給されたものです。

前日の曇天とはうって変わり、小春日和の一日。


 
「創」 2019/11/23   (47/52週) 分析設備の更新(ケルダール)
当社ラボで使用しているケルダール窒素分解装置が、老朽化のため11月19日に更新されました(宮本理研工業(株)製・KL-3E)。

検体中の窒素Nの含有量を定量する際、炭素Cのからんだ有機化合物になっていると検出できない(どこに居るのかわからない)ので、熱を加え、無機化合物であるアンモニア(NH3)に変えて定量する手法が広く普及しています。ケルダールはそのための装置で、熱源は100V電源の電気です。

旧台さん、大変お疲れ様でした。新台さん、年季の入ったドラフトチャンバーの中で、若い力を発揮して下さい。(お隣のホットプレートもまもなく更新しますので)


 
「感」 2019/11/16   (46/52週) 安全衛生の教育用冊子をチェック
この春に中災防が発行した冊子「初めて日本で働く方のための『安全・健康に仕事をする』」は、シリーズ1がベトナム語・ミャンマー語・ネパール語・クメール(カンボジア)語対応で、シリーズ2が中国語・タガログ語・インドネシア語・タイ語対応とのこと。

当社では測定受託先の工場様で、ベトナム人研修生の受け入れを始められるところがあります。冊子がどんな内容なのか興味がありましたので、シリーズ1を取り寄せてみました。(500円+税)
冊子はA5判22ページ(本文20ページ)で、安全・衛生・健康に関する合計20項目の内容を載せてあります。

そのなかで当社の業務と縁の深い項目は、3項目ほどありました。(有害物質と保護具、トラブル発生時の心得など)

カタコトの日本語をすでにマスターしている作業者が、日本の安全管理の考え方をチェックでき、掲示物にあるような重要な短い言葉を優先的にマスターできる冊子のようです。
(座学で教材にするも良し、食堂などで休憩しているときの話題にするも良し。)

ここに載っている20項目は、おそらく日本の人にとっても重要なことでしょう。仕事場が安全・健康な国際交流の場であるために、このような冊子も一助となりますように。

 
「感」 2019/11/09   (45/52週) 環境セミナーの情報収集で熊本へ
(一社)日本環境測定分析協会がさる10月17日〜18日に開催した『第27回 日環協・環境セミナー全国大会 in くまもと』に、当社からは社長が情報収集に赴きました。

会場は、ホテルメルパルク熊本。私ども計量証明事業所は全国にあり、特定の地域にとって「いつもアウェイ」にならないよう、毎年いろいろな地域で開催されています(前回は仙台)。今年も現地会場で、大阪の大環協の会員企業の人とも数名会えたとのことでした。

開催内容は、計量証明事業所による技能発表会と、分析機材メーカー各社の展示資料とに大別されます。
技能発表会では、同業者が図とか資料をつけて上手に発表していたので、社長が翌週の終礼で「参考にして下さい。僕がとくに注目したのは、発表ではここ、機材ではここです」と技術部に冊子を手渡していました。(テーマ:石綿、シックハウス、排ガス、VOC関係など)

来年は広島での開催予定。日帰りも可能なので、社員から出張者を検討するかもしれない、とのことです。誰が行ってきても会社に持ち帰り、教育の一環として全員で共有します。

 
「語」 2019/11/02   (44/52週) マウスピースと空気環境測定
ラグビーの試合を観ていると、選手がマウスピースをしているのがわかります。

これは身体接触によってくちびるを切ったりしないためのものですが、ほかにもマウスピースと言えば、歯医者さんで支給されるものもあれば、吹奏楽器で使うものもあります。
つまり、「違う業界で、違う目的のために」使われるものとして、マウスピースと呼ばれる共通のアイテムが存在しています。

これと若干異なる例として、空気環境測定があります。

人がそこで健やかに過ごすために、室内の空気の状態を測定するのが「空気環境測定」ですが、こちらにも代表的に3つの業界があります。

・労働安全衛生法(事務所衛生基準規則)に基づく空気環境測定
・ビル管法(建築物環境衛生管理基準)に基づく空気環境測定
・学校保健安全法(学校環境衛生基準)に基づく空気環境測定

いずれも「人がそこで健やかに過ごすため」という目的は同じ。この場合は「違う業界で、同じ目的のために」実施される行為の呼称、といえます。

共通するマストの項目は6項目(浮遊粉じんの量、一酸化炭素の含有率、二酸化炭素の含有率、温度、相対湿度、気流)ですが、基準値が少しずつ異なります。用途・延べ面積によって施設に適用される法律が異なり、また2重に適用される場合もあります。実務的には「辛い(厳しい)ほう」の基準で、施設が主体的に一元管理することになるでしょう。

 
「創」 2019/10/22   (43/52週) 平成29年度の測定・計量受託ジャンル構成
当社の決算期「平成29年度」(2017.6〜2018.5)の受託内容の構成を、金額ベースではなく件数ベースで集計し、その前年期(平成28年度、2016.6〜2017.5)と比較してみました。

比較の結果、年間総受託件数:955→1356(42%増)、うち作業環境測定:602→666(11%増。内訳:粉じん224→251、有機291→321、騒音38→50、ほか)でした。

円グラフだけを見比べると、まるで作業環境測定が下火になったような雰囲気。しかし実際は件数が伸びており、むしろ環境計量がそれ以上に加わっていたのが実情のようです。

ちなみに件数のカウント方法は、作業環境測定については単位作業場所ののべ件数(つまり1つの作業場なら年に2回測るので、通年カウントは2となる)とし、いっぽう環境計量のほうは、人工(にんく)や拘束時間の短いジャンルは受託単位で1件(排水検査の採水ポイントが5か所あってもカウントは1)、そうでない排ガス測定などは設備1基につき1件扱いとしています。


 
「感」 2019/10/19   (42/52週) 屋上の設備等の落下リスク
仕事で官・民の法人様のビルの屋上へお邪魔した際、そこにある設備の設置状況が気になる場合があります。

解体待ちの建物の屋上がその典型なのですが、窓等が開放された小屋の中に、細かい備品が散乱していたり、あるいは昨今は台風の風が強いので、エアコン室外機がベースから外れて転がっている場合もあります。
使用中のエアコンであれば、遠隔監視システムから異常が発報されるなどして気が付くのですが、「使っていないけれど上に置いてあるもの」ですと、実際に見に行かないと状況の変化に気がつきません。

たまたま私どもが採取や調査でお邪魔して、そのようなことに気づいた際は、付帯情報として担当者様にお伝えするようにしています。

軽いものですと、地面に飛来しても少々ゴミになる程度ですが、そこそこの重量物になると、人に当たらなくても物損や二次被害のもとになります。強い風で移動し始めたものが、最後に地震でバランスを崩して連鎖的に落下に至ることもあるかもしれません。

台風が来る前後には、地上だけでなく屋上も巡回したほうが良いかもしれませんね。そして日頃から不要なものは計画的に屋上から降ろす、という管理も大切でしょう。

 
「創」 2019/10/12   (41/52週) ポンプ機材の更新
当社で保有する、空気を吸うポンプに類する機材は4種類ほどありますが、そのうち「ハイボリウムエアサンプラー」(現場呼称:ハイボリ、H-V)の全てに老朽化が見られたため、この10月1日付で更新しました。

新機材は前回同様、柴田科学(株)製で、今回の型番はHV-500R。(写真左側の、ブルーのツートンカラーのもの)
当社の受託傾向として、このハイボリに出番のある案件は比較的少ないです(鉛の空気環境測定や、シックハウス測定など)。

ちなみに排ガス測定や、粉じん作業場の作業環境測定で使用するポンプは「ローボリウムエアサンプラー」(ローボリ、L-V)。いずれも、ただ空気を吸うだけのポンプではなく、単位時間あたり何リットル吸うのかを設定できる機能があります。空気中の有害物質の濃度を測定する際、その物質ごとに法令下のガイドラインに定められた空気の吸引量があるので、それに従って現場の空気をろ紙なりバブラー(液体捕集機材)にくぐらせます。

新旧の機材を見比べますと、筐体のサイズ感に大きな差はありませんが、操作盤がタッチパネルに代わっています。現場で運搬・設営中、他の機材とぶつけて破損すると大変なので、ボディーの面取りの斜面に操作盤を移動してある点がよく配慮してありますね。

新台くん、よろしくです。そして旧台くん、長い間お疲れ様。

 
「農」 2019/10/05   (40/52週) 大葉に花がつく季節
夏場にはげしく葉を収穫していた大葉(おおば/青ジソ)、今では花がついています。

剪定もしていないようですが、いずれ実となるのでしょうか?

 
「創」 2019/09/28   (39/52週) 局排の代理店業務を開始
令和元年は、当社にとって「局排(局所排気装置)元年」となりました。

本業である計量証明事業・作業環境測定機関に付随したサービスとして、設備工事案件のご相談を賜ることはあるのですが、当社自体が元請けとなった例は、これまでに排気ダクト改修工事(2011年)の1例が見られる程度。

それから8年後の今年、工場換気のダクトだけではなく、局所排気装置(※広義の総称)から任せていただける機会を得ました。

ジャンルは、印刷工場様におけるプッシュプル型換気装置です。
おおよその工期は、5月連休明けに施主様・専門業者殿と3者でキックオフ・ミーティング、そこから詳細図面起こしを経て6月下旬に労働基準監督署へ届出申請。8月盆明けに設置工事、そして先週の9月末に完成検査をパスしました。

当社にとって、この経験ができたメリットは、局所排気装置の定期自主点検の代行業務のスキルアップ、そして最も本業である作業環境測定そのものの理解が深まったことです。

いっぽうお客様にとって、元請を当社にされたメリットを推察すると、設備を新設するプロジェクト中の進捗状況や留意事項がわかり易い点と、敷設後に設備を「使いこなす」段階で、その後も定期的に訪問する測定機関からのフォローが得られる点があると思われます。

初体験がプッシュプル型換気装置、というのも特異なケースかもしれませんが、逆にいえば「度胸がついた」経験となりました。今後は囲い式フード、外付け式フード等、工場換気の他ジャンルも経験させていただき、様々な業種における作業者様の健康障害防止に携われるようになって行きたいものです。

 
「感」 2019/09/21   (38/52週) ASB含有分析の「前々々」処理
ラボで分析にかける前の下ごしらえを「前処理」といいますが、建材アスベスト(ASB)含有分析において、顕微鏡判定とX線分析の両方に共通する下ごしらえは、まず検体を粉状(パウダー状)にすること。当社の現場では、この作業を「砕く」と言っています。

この「砕く」前処理の工程数は、建材の種類によって異なります。
4.乳鉢で擦る。(ドラフトチャンバーの中で手作業)
3.ふるいにかける。(同上)
2.金づち等でぶったたく。(同上)
1.電炉で焦がす。
※上記はミキサー等を使わず、オール手作業で行う場合。

最も楽に済むパターンは、3→4だけの2工程。石膏ボードで柔らかい部類のものがそれにあたります。
「ふるいにかける」時の手つきは、ジャガイモの裏ごし作業と同じ要領で。

最も工程の多いのが、ビニールシート材など、火にかける必要のあるもの。
樹脂のような化学的母材のなかに、強化や防火目的で繊維状の鉱物を混ぜていると、その母材を取り除いて分析対象にたどり着かなければなりません。

つまり「アスベストは石の綿だから、石なら燃えずに残る」ということで、母材ごと燃やす(焦がす)わけです。ただし、あまり高温ですと石とてタダでは済まない(変性する)ので、450度というガイドラインがあります。

電炉に入れる際のお茶碗のような容器は、坩堝(るつぼ)と呼んでいます。手で直接つかむと熱いので、ラボ作業用のトングではさみ、持ち上げます。
電炉自体は、家庭用のオーブンレンジの少し大きめぐらいのサイズです。

 
「感」 2019/09/15   (37/52週) SDSの役割を再認識する記事
労働衛生・作業環境測定の総合情報誌『作業環境』のvol.67特集号(本年8月30日発行)は、昨年11月に富山国際会議場で行われた第39回作業環境測定研究発表会(第58回日本労働衛生工学会)の各種講演内容を誌上再録した特集でした。

その中の演目の1つで、日本労働衛生工学会・現場報告『SDSが作業環境管理に果たす役割』(土屋眞知子コンサルタントオフィス 土屋眞知子氏)の記事がありました。たった3ページの要約文でありますが、講師がさまざまなレベルや事情の顧問先で経験を積み実感したことが、内容的に興味深かったので、少々ご紹介します。

【まとめ(全文)】
化学物質を取り扱う職場が安全であるか否かをSDSの情報なくして判断はできない。SDSの普及率が100%に至らなければ、リスクアセスメント活動は最初から頓挫する。快適な職場環境の形成を目指して、SDSから十分な情報が得られないケースでは勇気を持って代替物質に切り替えるべきである。

【SDSの入手と管理(抜粋)】
(現場での保管状況の)ポイントは最新版が入手出来ているか否かである。取扱化成品が変わらなければSDSに改正があっても差し替えられることは少ない。制度の仕組みが分っていればSDSは改定されると知らないといけないが、余程の教育が行き届いていない限り事業場の現場では知らない人が多い。

現場のSDSを改訂版に置き換えるためには、メーカーとの情報交換を密に行っておくか、あるいは予め購入時点で「改訂時の最新版の提供義務についての覚書」を取り交わすことが必要と思われる。

専門部署でSDSの改訂版の入手についても管理を行っていかないと抜けが起こることとなる。SDS管理システムの構築が望まれる。

【SDSの記載内容についての課題(抜粋)】
SDSの内容が正しいか否かを審査する制度はない。文書の記載方法は告示でJISに従ってとあるだけである。

今までに奇妙なSDSにいくつか遭遇している。
「3 組成及び成分情報」の欄にエチルベンゼン 4.8858%、キシレン 4.8858%、と記載されていたが、「15 適用法令」の欄には、「有機則に該当しない」とあった。確かにキシレンが 5%を超えていないから有機則には該当しない。しかし、エチルベンゼンとキシレンを合計すると溶剤含有率は 5%を超えるので、特化則の読み替え規定で有機則が準用される。これを知らない人には、この記載内容だけでは不十分であると思われる。
多くはSDSの記載内容の正否すら分からずにそのまま利用されているケースも多いと思われる。

【管理体制の重要性】
化学物質の指針では化学物質管理者を育成することが良いとされており、多くの企業ではその人選と育成に力を注いでいる。化学物質管理者は現場からの質問事項への対応や低減対策への助言、法的要求事項等については的確に対処しなければいけないが、単独判断で対応策を決定しては経営リスクが大きい。必ず安全衛生委員会等で十分に審議した上で、トップの判断が下されるべきである。

 
「感」 2019/09/08   (36/52週) 衛生週間、当社で取組むテーマの候補
恒例の全国労働衛生週間が近づいてまいりました。(本週間:10/1〜10/7、準備月間:9/1〜9/30)
当社で今年の活動テーマになりそうなものが、2つあります。

1つは空調服。
先月、当社が元請けとなった局所排気装置の設置工事において、設備屋さん、ダクト屋さん、電気工事屋さんの3社ともが、当たり前のように作業者全員で空調服を着用しておられました。聞けば昨年から、夏場の屋外制服に採用されたとのこと。どうやら昨年という年は、世間的に大きな普及の転換点だったようですね。

そのような背景で、遅ればせながら当社も空調服の導入に向け、品物の選定に入っております。
(ただし防爆の関係で、各種の作業場に入場できるかどうかは要判断)

Cf.空調服の英語表現例(読売新聞9/8えいご工房より)
・Work clothes with fans(ファンのついた作業服)
・Jackets with a built-in cooling fan in the back(背中に冷却ファンを仕込んだジャケット)

テーマのもう1つは、駄洒落の社内公募。
さる8月29日(木)大安吉日、1人の技術員(TimeCard06氏)により発案されました。
駄洒落を主としたおやじギャグを、社内で募集して楽しもう、というものです。内容は、私ども環境分析系の業種で使っている、専門用語を絡めた言葉遊び。名付けて『分析おやじギャグ』です。

本当にくだらない、しょうもない内容が集まるだろうと思いますが、私どものメンタルヘルス上のリフレッシュと、モチベーションUPにつながれば幸いです。

また秀作・駄作を抜粋してホームページでご紹介するかもしれませんが、ひとつ寛容にご容赦いただければ有難いです。

 
「感」 2019/08/31   (35/52週) デシベル計で蝉しぐれを測定
今年のセミは、例年よりも、夜や深夜にまで鳴いている傾向を感じました。

この8月の初め、簡易的な騒音計(営業部にある校正していない物)を週末に持ち帰り、近所へ外出する際に測定してみました。

歩道から街路樹の蝉時雨に向けて測ると、全体でウワーンと鳴いている場合では、67〜74デシベル(dB)。そのなかに抜きんでて特定の一匹など、個体が鳴きだしたときに測ると、78〜84dBでした。いずれにせよ、工場などで難聴リスクの目安となる「85dB」以上になるような場所は、自宅の近所では無かったようです。

ちなみに夜間、窓をあけて就寝中、窓のすぐ外の玄関ポーチのところで一匹が鳴き出したので、目がさめました。寝ぼけながら測定してみると、71dbあまり。測定してから玄関に出て、蝉を追い払って寝直しました。

おそらく65dB未満の一匹ないし蝉時雨であれば、自分の場合は夜間でも目がさめないのでは? と推察しています。

 
「語」 2019/08/24   (34/52週) 統一感の無い用語たち
◆発生源と発散源
作業場のどこに有害物質が陣取っているかを論ずるとき(図示するとき)、その位置のことを作業環境測定では「発生源」と言い、局所排気装置の点検では「発散源」もしくは「発生源」といいます。(テキストにも両方出てきます。)
なにかニュアンスの使い分けがあるのかもしれませんが、私どもは明確に知りません。

◆自然吸気と自然給気
作業場の壁の一部にガラリ等があって、反対側で排気をしているとガラリから屋外の空気が入ってきます。ガラリ自体にファンなどの動力があるわけでもないので、自然な気流であることを指して「シゼンキュウキ」と呼びます。(事例集に両方の漢字運用が見られます。)

◆成果物と成果品
調査結果の書類などに値段をつけて「これが成果物です」と表現することが一般で見られますが、こと官庁の請負業務ですと「成果品にはCDも付けること」などと使われます。(「ブツ」と言うのは、品が無いのでしょうか?)


 
「感」 2019/08/17   (33/52週) 熱中症も化学上のリスク
先日、技術部員が代表で1名、熱中症予防の講習会を受けてきました。受講内容は社内に持ち帰って、ミーティングや報告書で共有しました。

安全衛生を生業(なりわい)の柱の1つにしている私ども自身が、作業中に熱中症にならないよう、わざわざ勉強に出かける。そんな必要があるの? と不思議な感じもしますが、「医者の不養生」のたとえがあるように、案外と無防備かもしれません。

現在、社内の数箇所に「熱中症予防」のポスターが掲示されています(社長が手配)。

人体に侵入してくる有害な化学物質は、もちろん健康障害のリスクとなりますが、そもそも人体が生きているという生命現象そのものが、化学反応の連続・複合的な営みの結果であります。その際、バイオ的な触媒反応である酵素反応なども、「最適温度」・「最適pH」が前提ですから、それが崩れると、必要な反応が止まることで反応が暴走していきます。

熱中症とは、そういった善玉系・必須系の化学反応が維持されなくなることによる不調の一種と言えるでしょう。

 
「感」 2019/08/10   (32/52週) 建材を調べる際の「棒」の好み
木の棒を使って、何かを点検する際、どのような材質・形状のものが適しているか? そこには、個人的なフィット感の相性・好みがあるようです。

私どもの業界で、棒を用いる身近な点検方法は「打音検査」。塗装ブースや集塵機のダクト内に、異物が堆積してダクト内の気流に支障が出ていないかどうかを、ダクトを叩いたときの音の長短で判定するものです。

あるいは、ドラムのスティックぐらいの大きさの棒の先端を、片耳の穴付近の肉にあて、押さえつけて肉ごと穴をふさぐ感じにし、反対側の先端を電動系のピローBOX等に当てると、軸受けの回転がなめらかかどうか、音で感じ取ることができます。

ところが上記の他、木の棒は使ったりするけれど、音というより伝わってくる手の「感触」を手掛かりに点検する、というパターンもあります。解体現場における建材のスクリーニング調査がそれです。

現場に行って、建材ごとにアスベスト含有を疑うべきかどうかを調査する。その際、建物内の壁については次の4段階でチェックしますが、4.については、棒でつっついて触診します。

1.眼前の壁の、表面の塗材およびその下地
2.眼前の壁の、部材(ボード材,etc.)
3.眼前の壁の、奥にある(かもしれない)断熱材
4.眼前の壁の、奥にある(かもしれない)次の壁の部材

1.から3.まで、短いハンディータイプのツルハシなどを用い、建材をピンポイントで割って進んで行きます。ですので解体のプロの人であれば、(どんな棒で? というより)そのツルハシの柄でつっつけば、感触で判定できるはず。
ところが当社は計量証明事業所であり、私にいたっては営業職です。先日私は、たまたま現場で自分に合った棒を拾い、その棒を頼りにアシスト作業を行ないました。

私に合った棒の条件は、その時のような「スカスカのブレードタイプ」のようです。
工具の柄のように固い材質の棒を介して、触っているものが固いのか柔らかいのかを感じ取るためには、熟練度が要るかもしれない。ところが安っぽいスカスカの棒(梱包の木枠で使うようなもの)ですと、つっついて「コン」と当たった先がコンクリ壁なのか、モク(木)の壁なのか、眼前の壁と同じくボード材なのか……等々が、わかりやすい感触で伝わってきました。また、棒の断面の形状はロッド(円や正方形)ではなく、ブレード(刀のような平面状)のほうが、どういうわけか感触に自信が持てます。

とにかく時間の制約のなかでミッションをこなすのが、解体(予定)現場。棒っきれ一つでも、出張員の手になじむかどうかは大きいと思えます。

 
「語」 2019/08/03   (31/52週) スクリーニング調査
スクリーニングとは一般に、選別・ふるい分けのことを指すようです。
たとえば健康診断の項目である「便潜血」は、さらに精密な検査を要する人とそうでない人の選別(とりあえずの粗いふるい分け)を行なう意味で、「スクリーニング検査」に属するとのこと。

そもそも語源の「スクリーン」を、プロジェクターのスクリーン(シート状のもの)ではなく、メッシュ状(網目状)のものとして考えさえすれば、頭にイメージが入り易いでしょう。ふるい分けですから、網なのです。

これを背景にして、環境系の測定・分析の世界にも「スクリーニング調査」という表現があり、このたび当社でも身近な案件として、受託の機会を得ました。

ジャンルは、解体待ちの建物の建材アスベストに関するものです。
このお仕事のミッションは、「指定された検体のアスベスト含有分析を行なう」ことではなく、その前段階として「分析すべき検体が、どことどこに在って、合計何検体あるのかを調査・集計する」というもの。

このスクリーニングは、石綿作業主任者などの実務的な総合力が問われるお仕事で、携わる人の職業経験としては、ひとつの集大成といっても良い案件ではないかと思われます。

※画像は当社の室内エアコンのフィルター(定期清掃中)であり、記事の内容とは無関係です。

 
「農」 2019/07/29   (31/52週) 農園の光と影2
伏見唐辛子は、収穫量が増えてきて、カレーやじゃこと炊いたんの食材へと大活躍です。

きゅうりは、「うどん粉病」により1品種が半死状態。無農薬なので仕方ないが悲しいです。

ラズベリーは、気温と共にグングン成長し、漸く軌道に乗ったようです。
やったぜ(*^^)v

 
「感」 2019/07/27   (30/52週) 建設業系の安全大会に初参加
先週末、ラポールひらかたで開催された『第27回 建設業労働災害防止大会(略称:建災防 北大阪分会 安全大会)』(主催:建設業労働災害防止協会 大阪府支部 北大阪分会、後援:北大阪労働基準監督署)に、当社から1名参加いたしました。

参加のきっかけは、当社の受託先様からのお誘いです。(当日、司会を務めておられました。)また別の受託先様が1社、表彰を受けておられました。おめでとうございます。

製造業系の安全大会が、労働基準協会(支部)が主催で6月中に行なわれるのとは別に、建設業の組織が7月末に実施しておられる行事を初めて体験させていただき、勉強になりました。

式典部分の特徴としては、表彰の基準とその対象が、製造業とは異なります。
基準としては、無災害で乗り切った建設工事を請負金額でA班・B班と分類し、同じランク内で(延べ労働者数をベースとした)延べ労働時間数の多い順から「優勝」「2位」「3位」……と決めてゆきます。

対象としては、その成績を達成した建設会社(優秀事業場賞)に加えて、現場所長さんも個別に表彰する(優秀作業所長賞=個人賞)というスタイル。そのため、お名前を呼ばれて起立する人が1社=1名ではなく、同じ会社で複数名が呼ばれたりしています。責任を果たした皆さんを、晴れやかに讃える雰囲気が感じられました。

私ども計量証明事業所も、このようなゴールを目指して多少なりともお手伝いができれば幸いです。

 
「農」 2019/07/20   (29/52週) 野菜の収穫はそこそこ
世間では梅雨がはっきりとしなかったり、日照不足が問題になっているようです。

流通野菜の生育環境が厳しいなか、ラボの近所でみかける家庭菜園では、ゴーヤなどが上手に育てられている模様。

当社もご近所のレベルには及びませんが、そこそこの収穫です。

 
「感」 2019/07/13   (28/52週) 安全週間を振り返って
準備月間と本週間を通じた期間(6/1〜7/7)で、当社の活動を振り返ってみます。

朝礼・終礼の議事録のうち、安全に関する記述の先頭につけているピクトサイン「(!)」、および使用機材のコンディションに関する記述につけている「(#)」の総数をカウントすると、安全が15件、機材が4件ありました(「今日は暑いので熱中症に注意しましょう」といった簡単なものを含む)。

フルハーネス型墜落制止用器具については、数の買い足しをしながら当社としての標準品を選定中です。(整備が先行している同業者にもヒアリング)

排ガス測定の高所作業で、屋根の足場が未整備の工場様に足場、もしくは親綱の確保をしていただくよう相談に伺いました。すると、すでに自主的に足場を新設して下さっており、大変感謝いたしました。

そのほか客先で勉強できたことで、屋外構内でフォークリフトが積み替え作業をしているエリアを、来訪者のみ通行禁止にしている事例を知りました。
排水分析の採水ポイント(敷地内の会所)に案内していただく際、会所が遠方に見えているのにわざわざ建屋内を通って行ったので、質問したのです。まさにフォークリフトの「作業計画」が構内の通行に反映された客先でした。

 
「語」 2019/07/06   (27/52週) 工場換気の基本表現
工場換気、すなわち作業場内の空気を適切に維持することは、意外と難しい。当社も測定という切り口からこの分野に携わって勉強中ですが、その難しさの背景には大きく2つのことがあるようです。

1つは、空気が1立米あたり1.2kgもの重みがあり、(鳴門の渦を生む海水ほどではないにせよ、)流体として粘性を持っていることが、普段イメージしにくいこと。

もう1つは、換気や排気、気流といった単語が日常的な表現であるため、関係者の打合せで論点にズレが生じ、結果として「空気の流れ」に関わり切れていない傾向。

そのため単語については、下記のどの意味合いかを分類して意識すべきです。

イ.目的(=空気がどうなって欲しいのか)
ロ.方策(=その目的のために、どこの空気をどうするのか)
ハ.物理的現象(=意図は別として、空気がどうなるのか)

「換気」とは、作業場内の空気を入れ替えることで、新鮮な空気を維持すること(=目的)です。
一般に普及する換気扇とは、「換気をするファン」のことですが、やっていることは排気(=方策)です。そのことによって、ドアや窓のすき間、あるいはガラリからの自然吸気(=物理的現象)を誘発し、結果として「換気」(=目的)されるというわけです。

工場換気の世界では、「全体換気が行われていることを前提に、(有害物質がばく露した空気を作業場外に出すための)局所排気を行なう」というのがセオリーです。しかし換気と排気を共存させた場合、次の3パターンが起きうることを肝に銘じなければなりません。

1.換気(上部での排気)が、局所排気装置の行う下部での排気にとって『妨害気流』となり、双方の効果を打ち消し合う。
2.換気と排気がうまく立体交差して、それぞれが効果を生む。
3.換気目的の気流が、局所排気を助けて効果を上げている。

 
「感」 2019/06/30   (26/52週) 建材アスベスト含有分析の所要日数
検体(解体前の家屋などの建材を10cm角ぐらいのピースにしたもの)を分析し、アスベスト検出・不検出の結果判定を報告する業務について、当社の標準納期(とくに社内調整をせずともお約束できる納期)は2週間です。

その一方で、ご依頼主の側でお持ちのスピード感は、「せめて1週間後に」「できればもっと早く」。この傾向は、突発的な案件でも計画的な案件でも、大差ありません。判定の速報が遅くなると、それだけ工期にひびくのでしょう。

それにお応えするため、当社社内の指示伝票の納期欄にも「できるだけ早く」と記載されたりします。受注した喜びもそこそこに、にわかに緊張が走る技術部。月間予定ボードの前に集まって協議を始め……。
建材アスベスト含有分析は、(足もとの操業とからめて)最短日数の目算を立てるのが難しいのです。

目算を複雑化している要素には、次のようなものがあります。

1.初動対応の難易度がケースバイケース
複雑な後工程が控えているのに、1次的な前処理(顕微鏡判定とX線分析に共通する下ごしらえ……検体を細かく砕くこと)の手間が建材の種別ごとに異なる。
(複数検体を石膏ボード、巾木、腰板、軒裏吹付け材……とバラバラに預かると、「これは乳鉢スタート」「こちらは電気炉スタート」とレシピが異なる)

2.ロット数が段取りの効率化につながらない
もの作りの世界なら、「1個よりも5個のほうが段取りは良くなる」と言われる一方で、分析の世界はコンタミ(試料汚染)を避けるため、ロットの増加が全体の作業量の圧縮につながらず、担当者の拘束時間増が操業のシバリとなってくる。

3.作業分解(作業の細分化や分担)に限度
試薬を塗ってから待ち時間があるのに、前夜に塗っておくこともできない……といった「この工程からこの工程までは、人が張り付いて一息でやらねばならい」というシバリの部分が含まれるため、「掛け持ちで一寸ずつ進めればいいじゃないか」「人の頭数を投入したらいいじゃないか」という発想が、そのまま通用しない。

上記の3要素が相乗効果となって手間を膨らませ、「できるだけ早く」のボールを受取った側にとっての目算を複雑にしています。本日以降の1週間前後にどう工程を収めていくか? とても一人では答えの出るものでもないし、社内協力が必要です。

 
「感」 2019/06/22   (25/52週) 地元の環境シンポジウムで受賞
さる6月19日に北大阪商工会議所で開催された「2019年度環境シンポジウム」(主催:北大阪商工会議所 協賛:日刊工業新聞社)での表彰式において、『環境改善優秀賞』をバイオマスパワーテクノロジーズ株式会社様と日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社様が受賞されました。

〜なお同賞に次ぐ『環境改善努力賞』を当社が受賞。当日配布の式次第より、受賞理由を要点抜粋いたします〜


当該事業所は、(〜略〜)社員数は10名程度と小規模な事業所ですが、環境計量士や作業環境測定士を複数名配置するとともに各種分析装置も設置して、業務遂行に万全の体制を築いています。

創業以来、自治体や企業からの測定依頼に応えてこられ、昨年11月には一般社団法人 大阪府計量協会から計量事業の発展に寄与したとして、表彰を受けています。

(〜略〜)最近は企業などの作業環境測定を実施した後、結果を評価して環境改善に役立つような提案を行なうといった、単なる結果を報告する業務から、依頼主にとってメリットとなるような提案型の業務に仕事の幅を広げています。
(〜略〜)小規模であるという点を強みとし、すぐに動ける機動性を持った体制を構築して、(〜略〜)業務量を増やしている点も注目されます。

社会貢献活動として、当該事業所の会長は寝屋川市ごみ減量化・リサイクル推進会議の委員として活動しています。

このように存在感ある事業所として活動を続けてきたことは、環境改善努力賞にふさわしいものと評価できます。今後もさらなる業務の継続、発展を期待いたします。(〜要点抜粋、終わり〜)

 
「感」 2019/06/16   (24/52週) 北大阪安全大会に参加
さる6月13日(木)、北大阪商工会議所で行われた安全大会(教材費 3,000円)に参加してきました。追って当社版・傍聴レポート(A4版2枚)を作成し、当社の北大阪管内の測定受託先様に適宜ご提供いたします。

今回は監督署側の講習内容と、特別講演の講演内容とに2つの共通する話題がありました。

●1.安全教育の方法を工夫せよ
  若い従業員さんとは世代のギャップがあるので、教材・伝達物には写真・動画を多用、e-ラーニングも活用していく。

●2.フォークリフトの運用管理
  作業計画を立て、リフトと人が混在する場合は作業指揮者(誘導者)を立て、立入禁止の表示など接触防止措置を図る。

フォークリフトの「作業計画」は、古くから様式があるのに用意している(リフトに積んである)工場はほとんど無いようなので、今回配布された教材『安全の指標』260ページを参考に、自社での初版を検討されてはいかがでしょう?(この活動は、全国安全週間7/1〜7の立派な活動実績になります)。

なお『安全の指標』は中災防で購入できます。(私は京阪中之島駅から歩いて買いに行きます)

そのほか、リスクアセスメントの普及率向上に力を入れるとのお話がありました。8月頃に講習があるそうです。

 
「農」 2019/06/06   (23/52週) 農園の光と影
5月の下旬から暑く、日差しの強い日が続いて、農園の野菜たちもすくすくと育ってます(^^♪

プチトマトはいよいよ収穫を迎え始め、社員による『つまみ食い出来栄え審査』(?)が行われていますが……。

きゅうりは花が咲き、小さな実がつき始めてこれからの生長が楽しみ。今夏はぬか漬けにしまくる! 予定です。

先月から農園の新しい仲間になったイエローラズベリーですが、株分け(元気な子株を生かして代替わりさせる)の手違いにより、残せたのが一番小さな候補になってしまいました。

他の農園さんではもう収穫がはじまってる声も聞こえてくる中、どうなってしまうのでしょうか。

 
「感」 2019/06/01   (22/52週) シックハウスの測定事情
おもに教育や行政施設の新築・改築において、建築工事の特記仕様書の表現でいう「揮発性有機化合物の室内濃度測定」(通称・シックハウス測定)を、当社でも年に数回受託しています。

【測定の目的】
室内の建材(壁・床・天井)ならびに作りつけの什器から、空気中に「揮発性有機化合物」(ホルムアルデヒドとVOCで合計5〜6物質)が基準濃度以上に発散されていないかを測定する。

【測定方法(パッシブ法の場合)】
分析対象物質を捕集する捕集管(紙巻タバコより1回り小さいサイズの物)を、部屋の中央に立てた三脚からぶら提げ、16〜24時間放置する。捕集時間中の部屋は密閉状態で、開始時刻の5時間前から密閉する。

このとき受託側として体験できることをご紹介してみましょう。

●建物を傷つけないよう細心の注意
測定作業場は見渡す限り、施主に引き渡される前の新品。床をはじめ接触リスクのある部材に配慮すれば、施工アルバム写真用の看板(チョークで書く古典的なもの)など硬い物を、無造作に持って歩くのも不向きです。機材を仮置きする際も養生シートが必需品。

●手際よく設置〜回収
工期が限られる中、密閉して立入禁止にする測定ですので、その前後のセッティングと回収も手早くおこなわないと、施工管理者様のテンポ感に合いません。ところがこの所要時間を事前に尋ねられると、なかなか予想が難しい。

当社は10室前後の案件をよく受託しますが、所要時間の読みは1室につき10分から20分強と、かなりのひらきがあります。その背景には、次のような変動要素が。
イ. 各部屋の配置レイアウト(建屋やフロアの数、廊下の走り方など)
ロ. 部屋数と測定点数の員数関係(例:7部屋で10点,etc.)
ハ. 部屋数と出入り口数の員数関係(『立入禁止』の貼り紙の貼り忘れリスク)

ちなみに、部屋ごとの設置時の作業は次の5つです。
 1.三脚を立て、温湿度計をセット。
 2.捕集管(2種類)をぶら提げる。(ゴム手袋とマスク着用)
 3.記帳関係(時刻・温湿度)。捕集管のケースの識別確認。
 4.撮影
 5.退出〜すべての出入口に『立入禁止』の貼り紙

●負担を感じるケース
まれな例としては、施主様が進捗確認に訪れ、測定開始前の密閉を解かれてしまい、待機を強いられるという例がありました。(元請の工務店様の日程コーディネイトが甘かったようです)

まれでない例としては、中堅以上のゼネコンがご依頼主の場合、施工業者と同じ書類(施工計画書や誓約文、入場者の個人情報の届、マスター登録の用紙など)の提出を求められること。

−それはそれとして、自分たちでできる改善には、前向きに取り組んでいます。

先日は、三脚の足先につけていた軍手を、100円ショップで買った家具用のソックスに切り替えてみました(技術員の発案/写真)。これなら輪ゴムでとめる必要がなく、持ち運びの収まりも良く、作業時間短縮に貢献しています。

 
「農」 2019/05/25   (21/52週) 根付いてきた苗たち
社員と役員、それぞれに野菜の苗を植えていたのが根付いたようです。
プチトマト、サラダ菜などなど。
(そのほか数種みられますが、植えた人によく確認できていません)

さらに先週末、野菜とはやや異なる「黄イチゴ」に挑戦する……という声も。
どんな顔ぶれになるのでしょうか?

 
「感」 2019/05/18   (20/52週) 今春とり寄せた図書類
会社で知見補充のため、定期購読誌とは別にいくつか図書を調達しました。

中災防からは、『有機溶剤作業主任者の仕事』・『特定化学物質作業主任者の仕事』、そして『作業者のためのわかりやすい感電災害防止』の3冊です。

そのうち2冊を執筆された福成さん(一昨年『衛生管理者の仕事』を刊行)のご著書は、目次に特徴があります(シンプルで親しみ易く、読んだ人のモチベーションに直結する)。この2冊も、目次と挿絵イラストをペアで眺めるだけで、ずいぶんと刺激になるような紙面です。
『名ばかり責任者』にならないために、日頃からどんな着眼点で活動したら良いのか……? そんな答え・ヒントが満載の冊子。

3冊目の感電防止の冊子は、汗をかきやすい夏場に備え、当社もKYミーティング等で活用します。

中央法規出版からは、平成31年版『環境六法』を調達しました。
「六法」と言っても、6つ以上の法規が記載されています。古い版の六法も、あわてて捨てずに保管しています。

 
「感」 2019/05/11   (19/52週) 地元ラジオ局の取材
五月連休が過ぎ、雑草も栽培植物もいよいよシーズン本番となった先週、防災を主眼とした地元のラジオ局・エフエムひらかたが当社へ取材に来られました。

同局はフリーペーパー『ひらナビ779』を発行しておられます(枚方市役所に設置)。また同局は以前より、私ども地元の企業を取材して下さっており、当社への取材は数年ぶりとなります(前回は櫻井会長が社長の頃)。
就任2期目である櫻井新社長が社業の紹介・今後の展望などをお答えした肉声が、下記日程で放送される予定です。

エフエムひらかた(77.9MHz)
「ビジネスウォッチング in 北大阪」
・5/24(金) 14:30〜14:59
・5/26(日) 9:30〜9:59

ちなみにこの「77.9MHz」というマイナーな周波数は、ラジオでのチューニングがなかなか難しいです。(数字によるデジタル・チューニングの方式なら確実に合いますが、手巻き発電の防災ラジオ等では、ツマミ調整が頼りの場合が多い)
そうやってチューニングに挑戦・工夫する機会を通じ、災害への備えの拡がりにつながれば幸いです。

 
「感」 2019/05/05   (18/52週) 新天皇陛下のご研究テーマ
5月1日に元号が令和となり、令和元年を迎えました。
新天皇陛下は長年、水問題の研究をされてきたとのこと。

私どもは業種柄、「水問題」イコール「水の汚染問題」と連想しがちですが、陛下の着眼点はもっと広いもののようです。
古今東西の水運(水上交通)のことや、生活用水の供給インフラの遅れ等が「水汲み作業」を生み、女性の地位向上や子供の教育の普及に影響している点など……、そういうものを扱ってこられたようです。

水という着眼点を通じて、人びとの暮らしを注視しておられる新天皇陛下。私どもの業界も、そのお手伝いができれば幸いです。

 
「達」 2019/04/27   (17/52週) 碕さんゆかりの財布
当社には、書物以外にも碕達之助さんゆかりの品があります。(扇子・絵皿・財布)

革製の長財布、今でも色鮮やかですね。
(もちろん本人ご使用分ではなく、贈答用のもの)

 
「達」 2019/04/20   (16/52週) 碕さんゆかりの絵皿
当社には、書物以外にも碕達之助さんゆかりの品があります。(扇子・絵皿・財布)

絵皿のサインはご本人の直筆でしょう。
元気なお馬さんもそうであれば、かなりの絵心ですね。


 
「達」 2019/04/13   (15/52週) 碕さんゆかりの扇子
当社には、書物以外にも碕達之助さんゆかりの品があります。

扇子に絵皿、そしてお財布。
(3つあるので『三種の神器』と呼ぶのもファンにとっては一興)

扇子に書かれた右肩上がりの文字は、書物でおなじみの直筆です。

 
「感」 2019/04/06   (14/52週) クロスチェック後の会議に参加
大阪環境測定分析事業者協会(大環協)は、加盟する計量証明事業所の分析精度の維持向上のために「精度管理共同実験(クロスチェック)」を定期的に開催しています。当社も実務のかたわら、参加するようにしています。

共同実験は、協会から送付されてくる試料を受け取り、各社が自社ラボで分析して含有量数値などを出し合い、答え合わせをしたスコアをもとに自己反省するものです。

過日実施された <排水中のアンモニウムイオンの分析> によるクロスチェックについては、さる2月15日に反省会、ならびに意見交換の集いが実施されました。
この集いは「担当者会議」と称され、クロスチェックを実際に担当した技術員がその参加対象となります。

技術員にとって「担当者会議」に出席することは、日常業務を抜け出して行くので時間のやりくりも発生しますし、スコアに問題のない場合は「たいして収穫も無いのでは?」と消極的になりがち。しかし今回は技術員の自発的な意思もあり、担当した1名が出席しました。

実際に参加してみると、各社がどんな分析方法を採用しているかがわかりました。今回ですとアンモニアの分析に際し、発色法が50%、イオンクロマトグラフが20%、流れ分析が20%という比率。
また、会議後の懇親会で名刺交換をすると、所属部門名が工程管理を指す人がおられ、当社に無い組織構成などを新鮮に感じ取ることもできました。

この経験は社内フォーマット『講習会参加・会議等記録報告書』で社内共有され、教育や設備投資計画の意思決定などに活用の出番があります。

 
「感」 2019/03/30   (13/52週) 電子入札デビュー
さる2月5日、近隣市の入札案件について、当社として初めて「電子入札」の形で参加いたしました。

官庁の入札案件のうち、設けられた基準(500万円以上の案件,etc.)に該当するものは「電子入札」が導入されています。当社でもようやくその対応をすることになり、昨年からハード環境などの準備をして来ました。

先日のデビュー戦では、社長みずから2案件をPCからエントリー。後日ログインして結果を確認すると、いずれも他社が落札していることがわかりました。
なおそのうち1件は、1回目の応札額が同額であった2社による「くじ」もネット上で実施された模様です。
くじは、くじ用の数値を入力することで(自動計算がはたらき)入札順がきめられ、あらかじめ設定された落札くじの順と照合することで、落札業者が公平に決まる仕組みのようです。

まだまだ当社は慣れていませんが、今後は他市・他府県にも展開して参ります。

 
「語」 2019/03/23   (12/52週) 縮分(しゅくぶん)
採取〜分析の前処理に関する用語。均等に混ぜるための手法。(「4分割して混ぜる」をくりかえすなど。)

土壌調査のほか、官庁のごみ焼却施設を対象におこなう「ごみ質分析」においても、この工程が登場します。(ごみを何立米も持ち帰るのは大変なので)

 
「感」 2019/03/16   (11/52週) ミスマッチを生んでいた「お気軽に」
当社の営業専用サイトの画面上端フレームには、「生活環境」「お気軽にお問合せください」という言葉が表示されています(2019年3月16日現在)。
また、そこから騒音・振動測定のページへ移ると、さらに「聞きたくない不快な音」「不快な揺れ」という言葉が表示されています。

民家など個人宅の住民のかたが当社のホームページをご覧くださり、これらの表示を目にした場合、そのまま(ご自分で)電話や問合せフォームを利用できる、と判断なさる場合があるようです。「お気軽にお問合せください」と出ていますし、サイトの全文を皆さんが読まれるわけでもないでしょうし、無理もありません。

ところが当社側は、「(頼みかたがわからない)法人の人」に、あまり事前準備を固く考えないで「お気軽に」と申しあげているつもりでした。そこにミスマッチの種が潜在していたようです。

あらためて整理しますと、当社の受託のカテゴリーは、図のような範囲になっております。今後もホームページを手直しするなどして、ミスマッチの軽減に努めます。

 
「感」 2019/03/09   (10/52週) 古い什器のリユース
先週は、社屋2階の応接室と談話室の模様替えが行われました。
これまで良く言えばアットホーム、悪く言えば(多目的すぎて)統一感のない眺めだった両室。そこへ社長夫妻が大ナタをふるい、本棚を減らすなどしてスッキリと生まれ変わらせたのです。

その再生の過程で、談話室にあったサイドボードの下段を、捨てないで活用。応接室のテーブルの奥に腰かけられるよう、ベンチとして据えました。

リユースのヒントは、道の駅で見かけた防災備蓄庫の屋外ベンチ。当社ではとりあえず、普段読まない文献などを足元に保管します。

 
「感」 2019/03/02   (09/52週) 大阪広域水道企業団のセミナーを傍聴
さる2月12日、阿倍野区民センターで開催された『平成30年度化学物質対策セミナー』(主催:大阪府・大阪市・堺市)に社長が参席、傍聴してきました。

社長の目当ての演目は、基調講演に続く3講演中2つ目、『淀川水系の水源水質事故対応について』(大阪広域水道企業団 事業管理部 水質管理センター 技師 上田航太郎 氏)。本年(H30年)度、当社が作業環境測定を受託した大阪広域水道企業団様のご講演ということで、ご縁を感じて勉強に伺いました。

ご講演は、パワーポイントの27画面を使って行われ、参席した企業の皆さんも、大変集中して清聴しておられたようです。

私たちは日常で、浄水(水道水)と排水(川から海に流す水)は別のもの、という感覚があるかもしれません。企業にとって規制となる、河川放流における水質基準の遵守とは、ただ単に「海を汚してはいけない」といった環境基準につき合うためだけのものでしょうか? この講演は、排水を伴う企業としてそのあたりを学べる内容でした。

各自治体の水道事業のために「分岐地点」まで浄水を供給している大阪広域水道企業団は、水源(淀川水系)に配置する「取水場」を起点として、自治体に渡すまでの浄水工程・送水工程を受け持っています。したがって川の状態を24時間体制で監視し、ひとたび水質事故があれば「取水場」に到達するまでに回避する努力をし、また取水してしまっていたら浄水工程内でどう対処するか? 等々をタイムリーに講じていかねばなりません。

それら適切な処理のためには、多額のコストがかかり、事故の当事者である企業等には損害賠償責任も発生し得ます。

では、その「水質事故」とは、どんな規模のことからを言うのでしょうか? H26年に起きた油事故では、河川に流れた重油の量は0.5〜1.2立米だったそうです。

「うちの事業所から排水する程度で、水質事故なんか起きるわけがない」と思っていたが、こういう循環のメカニズムを理解したからには、リスクを先取りする意味で、判断のプロセスを一度設けてみようか……。受講する会場にはそんな空気が満ちていたようです。

 
「感」 2019/02/23   (08/52週) 社用車にブースターケーブルを配備
先々週、社用車1台のバッテリーが上がってしまいました。
(原因は整備不良ではなく、運用上の不備)

今後の備えとして、社長が全車にブースターケーブルを調達しました。

なお、商用車はバッテリーの位置を確認しておくことも大切で、荷台のマットをはがしてボルトを緩めてフタを取る……という作業を伴う場合もあります。
いざ接続で端子を扱う際は、絶縁の意味で手袋も欲しいものです。

 
「語」 2019/02/16   (07/52週) 土壌における「含有量基準」と「溶出量基準」
土壌に含まれる有害性物質の量を調査する際、「含有量基準」・「溶出量基準」という2つの尺度があります。

六価クロム化合物などの分析項目の多くは共通しますが、両者では基準量が異なります。法律の由来は、前者がドタイホウ(土対法=土壌汚染対策法)、後者がハイソウホウ(廃掃法=廃棄物の処理及び清掃に関する法律=略称:廃棄物処理法)です。

溶出量試験という試験方法は、廃棄物処理法独特の考え方で、「その土の中に有害物質があったとしても、水脈や降雨にさらされて湧き出ることがなければ(少なければ)、良しとしよう」という判定方法。サンプリングした土に(規定の手間をかけて)水をくぐらせ、その水の水質検査を行います。

ちなみに豊洲市場の移転について議論が高まった時期、「地下水の問題と土壌汚染の問題は別。地下水はポンプ・アップすれば済むことじゃないか!」との発言も出ていた記憶がありますが、まるで地下水と土壌では有害物質の出元が異なるような印象。ところが上記の2つの基準に親しんでおれば、実際はどうなのか察しがつくはずです。

 
「感」 2019/02/10   (06/52週) 業種の認知度からくるミスマッチ
官庁に入札参加資格を登録する申請手続きの期限が、2月に集中します。私ども計量証明事業所も、それに対応する事務作業がこの時期に集中。

指名競争入札(競争して欲しい業者を案件ごとに官庁から指名して行われる入札)に登録する業種のカテゴリーは、細かい分類例では「建設工事」「測量・コンサル」「物品購買」「その他・委託」の4つ。ただ自治体様によっては測量・コンサルが無いなど、簡素な形もあります。
この中で私ども計量証明事業所が登録すべきカテゴリーは、官庁ごとに問い合わせて確認する必要があります。「測量・コンサル」だけで良い自治体様もあれば、「物品購買」と「その他・委託」の2つに登録する自治体様など、さまざまです。

このバラツキは、計量証明という業界の「社会的認知が未だに曖昧」ということを示しているとも言えますが、昨今はその点、官庁においては改善されてきました。(上述のカテゴリーが徐々に見直され、第三者機関に相応しい処遇になりつつあるので)

逆に昨今の傾向として、民間の中堅以上の企業様のほうで、むしろ業界の認知が下がっている例が散見されます。(建設業界で施工業者と同じ事務手続きを要求されたり、製造業界で仕入先と同じ事務手続きを要求されたり……)
その背景として考えられるのは、細分化された組織にコンピュータ・システムと内部統制が均一に行き渡り過ぎ、生身の「事務のプロ」による妥当な判断プロセスが入る余地の無い傾向です。

これらのミスマッチで被る私どもの損失は、官庁においては「膨大な手間をかけて手続きしたのに、お声のかかる該当案件が出てこない」といったロス、民間においては「成果物である報告書・証明書以外の書類の準備・事後処理に時間がかかり、入金もそれに連動して遅れる」というロスです。

当社の認知度は、有難いことに低くないのですが、当社の所属する業界そのものの認知度については、もっともっと向上すべきと思われます。そうでないと、受託先様の内部統制が自己矛盾をきたし、ご自身のコンプライアンス(法令遵守)に水をさす……そんな事態をもまねきかねません。


 
「農」 2019/02/02   (05/52週) なりゆきで農閑期
南倉庫壁面のゴーヤ用ネットも年末に片付けられ、ラボ農園はすっかり農閑期です。

昨年夏の時点では、技術員から「冬には冬野菜がある!」と意欲的なコメントも聞かれました。
じっさい年末・年始に突入すると、技術部の本業であるラボ作業に出張サンプリング……と数珠つなぎの業務に追われるように。

日々、土を横目で見ながら事業所を出入りしている状態です。

 
「感」 2019/01/27   和装での運転時・作業時の安全リスク
メディア報道で、僧衣を着て自動車の運転をする際のリスクについて話題になっています。

われわれ一般人が着物を着て運転をする際の留意点は、次の2点ぐらいでしょうか。

1.履物を雪駄などのままで済ませる場合、右足でアクセルからブレーキを踏みに行く際は、膝をいったん真上に上げてからブレーキのほうへ降ろすよう意識する。
(靴のように足先を真横に振ると、履物がブレーキペダルの右端にひっかかってしまい、制動のタイミングが遅れる時がある)

2.帯の結び目(背中側)がシートを圧迫して前傾姿勢になり過ぎるので、普段よりシートの角度を寝かせてしまうが、それでは追突された時のムチ打ちの備えを損なってしまう。格好が悪くても、運転中は帯の結び目をお腹の側へ回して、背中・頭部をきっちりとシートやヘッドレストにつけるべき。

さて、こと僧侶のかたのお仕事について言えば、安全面でもっと気になるのは「お身ぬぐい」の時です。
ヘルメットをつけずに大仏殿などで高所作業をしておられます。もし落下した場合、姉さんかぶりの手拭い一枚では頭部をショックから保護できないでしょう。安全帯までつけるかどうかは別として、頭部については、なにか伝統的なデザインの保護具を産業界から提供できれば良いな、と思います。

 
「語」 2019/01/20   スクレーパー
高校の英単語で「スカイ・スクレーパー(摩天楼)」というのがありました。
高層ビル群を遠方から見ると、「空を櫛けずるような」構造物に見えるのが語源でしょうか?

さて工具としてのスクレーパー、建築業界では床のピータイルを剥がすのに使ったりもしますが、私どもが常備しているのは柄の長いタイプではなく、写真のようなハンディ・タイプ。

この工具は、古い建材のアスベスト含有調査の際、現地で検体を採取するときに用いています。(ノミやタガネと違い、10cm角程度を採るのに手頃な幅)

正しい使用法かどうかは分かりませんが、作業時はハンマーでお尻を叩きます。その衝撃が繰り返されると、柄と金属部分をつなぐ目釘の部分が壊れてしまい、困っていました。
その対策として、技術部長の発案で、日本刀よろしく柄の部分にタコ糸をぐるぐる巻きにしてみました。効果があったようです。

 
「感」 2019/01/13   タイヤチェーンの装着を訓練
冬本番となり、当社でも社用車ごとにチェーンが積んであるかの確認と、付け慣れていない社員については訓練を行いました。

当社の活動エリアには奈良県南部など山間地もありますが、スタッドレスタイヤで対応できそうな場所ばかり。あくまでチェーンを積むのは「高速道路でチェーン規制が出たときに困らない」のが主眼目で、社長がこの点を重視しています。

チェーンは、駆動輪だけ(つまりFF車であれば前輪)に装着。また昔と違い、装着作業は停車状態のままで全て完了します。

写真のタイプのチェーンですと、まず車輪の内側におさまるガイドのワイヤーを、タイヤ上部でサークル状に結節。
そこから色違いのフックを2個、下→上と結節していき、その間にチェーンの網をタイヤ表面に展開します。
最後に「しっぽ」のような部分についたフックの結節を、途中2点→先端1点と仕上げていき、張りを利かせます。

チェーン(計2組)は、かさ張らない樹脂の容器に格納でき、取説もついています。備えがあれば、運転そのものに落ち着きが生まれ、出張先や帰社後の主作業を危なげなくこなすことにもつながるでしょう。

 
「感」 2018/12/30   平成30年の受託の特色
当社の平成30年の受託の特色を振り返ってみます。

エリア的には、兵庫県の新規案件がいくつか見られました。(/メインは大阪府)
業種別には、大手ゼネコンの新規案件がいくつか見られました。(/メインは製造業)
作業場別には、ラボ(試験・研究室)系の新規案件がかなり見られました。(/メインは工場)
分析ジャンルでは、既存の計量証明・作業環境測定のどちらでもない、仕様段階から当社で検討するような問合せやオーダーがいくつか見られ、また、設備改善の段階まで携わる案件も久々に見られました。

官庁の入札案件では、登録はすれども長年実績のなかった自治体から、大阪府下で1件、兵庫県下で1件、初めての落札実績が出ました。

年明けからも、既存の受託先様各位の測定・計量をしっかりと行ない、その応用として新規案件にも入念に対応し、またそこでの経験を既存の現場に反映させて行ければと思います。
(※グラフは平成28年度の件数ベースの内訳)

 
「感」 2018/12/22   テレビ番組で紹介された「3R」
会社の忘年会があった翌日の土曜日、遅い朝食をとりながら「せやねん!」(毎日放送)を観ていると、企業紹介のコーナーで3Rという言葉が紹介されていました。

私どもはごみ減量の3R(さんアール)と呼んでいますが、番組では3R(スリーアール)と紹介。そのRの1つ・リユースを用いた「リユースデパート」という商業の形態の大手企業をリポートしていました。

最近ではリフューズを加えた4R(よんアール、もといフォーアール)と言うこともありますが、長年使われていた3Rでも良いと思います。ただし、3の中身をどうするか? です。

リサイクルというのは、個人レベルで全工程に関われるものでもありません。このRをリフューズのRと置き換えた3Rが、日常では心がけ易いのではないでしょうか。

リフューズ(Refuse) = 拒否する (マイbag・マイ箸)

 
「感」 2018/12/15   測定員に求められる、日々の持久力
相撲などで耳にする「二枚腰」。(劣勢で)もうスタミナも限界だろうと思って見守っていると、終盤のもうひと踏ん張りで挽回する際の表現です。

さて相撲ほどの激しさもない、われわれ計量証明事業所/測定機関ですが、表現を借りれば「何枚腰」だろうか? そんな他愛もないことを考えてみました。

測定員が行うこと   〜作業負荷の目立つものから列挙〜
・「1枚」相当…… 検体の採取に出向く(サンプリングの出張)
・「1枚」相当…… ラボにて、持ち帰った検体の分析作業をする
・「1枚」相当…… 分析結果を報告書にまとめ、仕上げる
・「半枚」相当…… 出張前の仕込み作業や、車両への荷おろし作業

これらを列挙しただけでは負荷があるような印象は伴いません。
しかし実際はなかなか楽ではない。その背景には次の要素があるでしょう。

・複数案件が日常的に、エンドレスにかみ合っている。
・かみ合った案件・工程ごとに時間制限・期日の制約がある。
・機材の保有台数にも限度がある。(用が済んだらすぐフリーにするべき)

こういうなかで労働集約的にうまく回していくために、当社では技術員全員が4種類とも担当して(手分けして)います。
上記で「半枚」となっている作業も、日程の局面によっては「1枚半」くらいの厚みが出たりします。

計量証明事業所/測定機関などと、業界名の響きは上品ですが、このような3.5枚〜4.5枚腰で日々を過ごすのが実情。

つまり尊いどうかは別にして、よほど好きでないと(/適性が無いと/達観していないと)続けることは出来ないかもしれませんね。

 
「語」 2018/12/09   測定項目と分析対象物質
水なり土なり空気なり、採取した検体の属性を調べる際、「何を分析するのか」という項目があります。これは料金の積算上も明確にすべき点です。

そんな項目を呼ぶ際、日常でも「分析項目」「測定項目」「検査項目」「分析対象物質」と、いくつかバリエーションがあり、それぞれ何を指しているのかは微妙に異なります。
仮に代表で「分析対象物質」と、それ以外を「測定項目」とし、両者の違いを整理しておきましょう。

水の分析で、俗称「ノルヘキ」という項目があります。これは略さずに言えば「ノルマルヘキサン抽出物質」。この項目は、上記のどちらでしょう?

ノルマルヘキサンとは、有機溶剤に属する物質で、これ自体は物質名です。しかしこの場合、「水の中のノルマルヘキサンの含有量を調べて下さい」と言われているわけではありません。もしそうなら、項目の分類は「分析対象物質」に。

しかし実際は、「採取した水に分溜を施し、水以外のノルマルヘキサン溶媒のほうへ溶け込んだ物質(いろいろな油分)の総量を測って下さい」という項目なので、これは「測定項目」のほうに該当するわけです。

カタカナの物質名があるから、即「分析対象物質」と思っていると、その検体のどういう属性を調べているのか、よくわかっていない……という状態になってしまいます。上記のような典型例以外でも、「どっちかな?」と立ち止まって考える必要があるかもしれません。

 
「感」 2018/12/01   ISO45001の紹介冊子を輪読
今秋、JIS Q 45100が発効されたことを知り、当社ではまず業界誌の紹介記事を読んで、概要を勉強しました。
JIS Q 45100は、先に発効されている国際規格ISO45001の要求事項を全てカバーした上で、日本のものづくり現場で長年定着している手法である「KYミーティング」「5S」が加味されたもののようです。

紹介記事では「働く人の協議および参加」という項目の細部を省略してあったので、中災防から発行された冊子を購入し、知識補充することにしました。

認証の規格が何であれ、当社の測定受託先でも労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS:危険源を特定し、評価し、リスクを取り除く継続的な枠組み)のある事業所がおられます。測定機関として、その枠組みをサポートさせていただけるよう、ささやかでも提案・申し出を始めていきたいと思います。

 
「感」 2018/11/24   フルハーネス型(安全帯)の受講報告
 さる11月16日に先発隊として受講した社員から、フルハーネス型(安全帯)の座学講習の受講報告が、週明けの終礼でなされました。

 報告によれば、「5.5メートルより低い高所作業では使わない」とのこと。
 バンジージャンプのようにショックを吸収する伸び代(のびしろ)がある構造のようで、高低差がそれに満たない場面では用をなさないようです。

 そうなると、腹部で一文字に巻く従来の安全帯が無用になったわけではなく、「当社でフルハーネス型が適用できる客先は、K社とY社と……」と、使い道の整理を打合せているところです。

 また、とりあえず数か月前にホームセンターで調達しておいた安全帯は、仕様的にそのままでは適合していない可能性が。オプションを付ければOKのようで、確認をしています。

 フルハーネスを徹底すべきメインの業種は、何といっても建設業かと思います。大阪万博(2025年)も決まりましたし、会場設営にあたってはご安全に! と願うばかりです。

 
「農」 2018/11/17   土壌改良なるか? 手探りのケア
暖かい季節の野菜もいよいよ終盤。来シーズンに向け土壌改良を試みました。

いったん土を移設することで、からんだ根っこを切る。肥料(オリジナル・ブレンドのもの)を底に投入。撹拌しつつ、土に空気も入れる……。

これらのケアが定石かどうかはわかりません。菜園初心者の測定員が、昼休みに汗を流して取組みました。
次回、特大サイズのナスビが収穫できますように。

 
「感」 2018/11/10   (4R)座面クッション復活で椅子が延命
当社の分析室にあるイスの1つが、ずいぶんと老朽化しておりました。

充分に年季が入っており、「もう処分するしかないなあ……」という雰囲気でしたが、ショットバーの止まり木のように腰高なイスだったので、シンクに向かってビーカーを洗う作業にはとても適していました。

そこで社長が延命トライに快諾し、手作業ですっきりとリニューアル。
イスは第二の人生を送ることになりました。

このイスは4R(よんアール)のうち、どれに当てはまるのでしょうか?
「繕って使う」というのは、昨今の分類を待つまでもなく、日本では古来お馴染みの心がけですね。

ごみ減量の心がけ・4R(よんアール)
リフューズ(Refuse) = 拒否する(マイbag・マイ箸)
リデュース(Reduse) = 減らす(食材を買い過ぎない・食べ切る)
リユース(Reuse) = 再利用する(裏紙を使う)
リサイクル(Recycle) = 再資源化する

 
「語」 2018/11/03   吹き出し
ボイラーの排ガス測定や、脱臭装置からの臭気測定の際に使う言葉。

ダクトの途中などにあるフランジ(測定口)から空気を採取するとき、外より中の気圧のほうが陽圧である場合を「吹き出し」といいます。
コックをひねると空気が吹き出してくるから、そういう表現をするのでしょう。

「あのお客様の設備、『吹き出し』だったっけ?」などと言って打合せます。
そうであれば、現地に持参する装備が少なくて済む場合があり、出張チーム間の配車にも影響します。
(例:大型ポンプを積まなくても良いのなら、軽ワゴン車で良い,etc.)

そもそもダクトなどは、空気を屋外に排出する経路。
それでも陽圧ばかりではなく、陰圧・ほぼジャスト……等、測定する立場から見たコンディションはさまざまです。


 
「感」 2018/10/27   日本国内のガスボンベ識別(色別)
秋の火災予防週間(11月9日〜15日)が近づいて参りました。
当社が測定・計量でご訪問する企業様でも国際化が進んでおりますが、ガスボンベの色が国内外で違うようです。

この予防週間を機会に、理工系の外国人労働者の皆さんと「あなたの母国の識別とはどこが違いますか?」と話題にされてはいかがでしょう。

 
「感」 2018/10/20   布製の作業帽を初めて社内支給
当社では創業以来、社員に保護具として布製の作業帽の支給はありませんでした。

そんな中、KY(危険予知)ミーティングで、「ヘルメットをかぶらない客先でも、あまり大仰(おおぎょう)にならずに頭部を保護して測定作業ができたら良いなあ」との意見が出ました。布帽子があれば手頃です。また布帽子はヘルメットの下に着用しても、汗止めになります。

こんな声(6月22日)を社長が取り上げ、当社における初デザインということで充分に時間をかけて検討。さる10月16日、ついに「初代・KER・布帽子」が完成しました。

社員には終礼の時間の冒頭に、社長から一人ずつ手渡されました。

 
「農」 2018/10/13   秋生(な)りの獅子唐とナス
夏は過ぎましたが、ナスは「秋なす」と言うが如くでむしろ本番。
獅子唐は、カプサイシン過多になる季節なのか、とても辛い。
量的には貴重な収穫です。

 
「感」 2018/10/07   全国労働衛生週間、当社の活動
今年の衛生週間が、本日で最終日を迎えました。
当社では、前月の準備月間から次のようなことを取り上げて活動しました。

【整理】:分析手順などを壁に貼り紙で掲示する際、押しピンでランダムな位置に貼っていたものをカーテンレールと紐で整然と吊るす

【清掃】:エアコンのフィルターに「最終清掃日」「次回清掃予定日」のラベル表示(→これから実施)

【躾】:各分析室のセンターテーブルの上を、常に整頓しておくこと

ささやかなことばかりですが、衛生(ケガ以外の健康障害防止)につながればと思います。

 
「語」 2018/09/29   ショケン(初見?/初検?)
楽器演奏の世界で、初めて見る楽譜を「初見で弾く」と言うように、作業環境測定でも「ショケンで測る」という現場表現があります。
(今日のサンプリングは、ショケンだったから緊張した……,etc.)

ショケンにどんな漢字を当てるのかは不明。そして、下見なしでも下見を伴っても、どちらもショケンといいます。

ショケンには、作業者様とのご面識や現場に不慣れであること以外にも、緊張を伴う要素が。

2回目以降の測定は、(当日の測定員が初当番であったとしても)前回の報告書を野帳(やちょう:現地で生データを筆記する台帳)として使えるので、風向・風量の測定ポイント等も踏襲して行えます。ところが平面図が白紙からの実施となると、「今後これが踏襲される」というプレッシャーのなかで記録しますし、付帯設備の有無の見落としも避けなければなりません。

そのためショケンは、がぜん気分の高まるミッションなのですが、測定とはショケンだけを注意して行えば良い……というものではありません。その後の定期的な測定においてこそ、新たな健康障害リスクにつながる環境の変化に気付くよう、都度ゼロベースで見直す発想も持ち合わせてのぞみます。

 
「農」 2018/09/22   盛夏の実りもひと段落
ゴーヤの蔓(つる)の枯れたものなど、すっかり片付けたあとの様子です。

若干の作物が植わっています。

 
「感」 2018/09/15   フルハーネス型安全帯の講習に申込み
当社ではこの夏にフルハーネス型の安全帯を2つ取り寄せたものの、使い方に慣れていくのが後回しになっていました。

そんな折、大阪労働基準連合会の講習会チラシを入手。当社の作業には、この「特別教育」(全部の内容が含まれず『特別に』簡略化された教育の意)に該当するものが含まれるようです(排ガス測定など)。

とりあえず技術部の責任者2名分を、11月16日の開催日で予約。申込みがかなり集中しているようです。続いて12月21日に2名を手配しています。

座学だけとはいえ、当社もこれでようやく実運用につながりそうです。

 
「感」 2018/09/08   危険物新聞に企業広告を掲載
 防火に主眼を置く(公財)大阪府危険物安全協会が発行する『危険物新聞』8月号(第776号)に、当社の企業広告が掲載されました。

 灯油の地下タンクなど、炉やボイラーの熱源を保有する事業所では、排ガス測定の需要がよくあります。
 そういった先に配布されているであろう同紙を通じ、環境面の危機管理にたずさわる当社の存在を知っていただけたら……。
 そんな会長の思いから、掲載に至りました。(複数号掲載)

 なお広告のデザインは、広告を本職としない当社の技術員が手掛けたものです。

 
「語」 2018/09/01   吸着管と検知管
吸着剤(狙った分析対象物質を選択的につかまえてくれる成分)を管に入れたものが吸着管。それに目盛まで付いているもの(変色するのを利用し、ラボで分析する手間なく濃度のわかるもの)を検知管といいます。

検知管は、温泉宿の経営者の方が硫化水素の自主検査の際に使っておられたりします。

昔の水銀の体温計のような管の、両端のガラスを折って密封を開放し、水鉄砲のような機器を用いて「押す」のではなく「引く」と、管の中に規定量の空気が通過します。その際に吸着剤が反応します。

検知管の目盛には「0〜2.0ppm」などバリエーションがあり、思ったより沢山ばく露している現場に小さいスケールの検知管を持ち込んでしまうと、変色が振り切ってミスマッチとなります。

現場サンプリングの段取り的には、(その物質の)検知管が「手で引けば良いもの」「ポンプで引っ張るもの」、さらにはポンプの大きさ等のバリエーションがあります。


 
「農」 2018/08/23   レンガ壁の前でも風の影響強し(台風20号)
風雨に一晩さらされた影響で、ピーマンと獅子唐の株の隣り合う所が、木曜日の朝におじぎをしていました。

(※落ちている赤い実は、台風が来る以前のもの)

 
「創」 2018/08/18   創業時の精神をこめた社是・社訓
創業時および創業後に、創業者・櫻井益雄(現会長)が定めた社是・社訓には、下記のものがあります。

【企業理念】
1.社会に貢献することをもって人間としての幸せを追究する。
2.常に誠意をもって人に接し、信頼と責任ある企業人を追究する。
3.社会の進歩に合わせた技術を磨き、もって創造ある企業の発展を追求する。


【社員心得】
1.生かされている身のありがたさを知ること。
2.二度なき人生を精いっぱい生き、悔いの無いようにすること。
3.他人の痛みがわかる心やさしい人であること。
4.言葉づかい・姿勢を正しく、好感の持てる人になること。
5.ふる里・家族を誇りとし、会社を愛すること。
6.思い定めたことは必ずやり通す、根性を持つこと。
7.他人の為に汗を流す、献身的な心を養うこと。


【社員心得(第二弾)】
1.正確にやる。
2.速くやる。
3.出来る限り、安くやる。(経費のかからないように)
4.顧客の希望にそうようにやる。
5.社員が喜ぶ事をやる。


【我が社の「三方よし」】
1.顧客よし
2.我が社よし
3.社会よし


 
「感」 2018/08/12   お盆休みの読書・『衛生管理者の仕事』
昨年発刊の『衛生管理者の仕事』(中災防)を読み始めました。

筆者の実務経験を振り返った、あとがきを抜粋:

(担当範囲が広く)個々の分野の専門家になることができない中で、(中略)課題を捉えて、対応の方向性を見出して、実行に結び付けるといったところに「専門性」があったかもしれません。


 
「語」 2018/08/04   ブランク、コンタミ、とも洗い
依頼主様の施設から空気なり水なりを検体として持ち帰る際、その容器と採取方法には規定があります。

まず容器そのものには、材質や捕集量・遮光性の有無、運搬中の温度管理などにガイドラインがあります。
また、正しい容器であればいきなり現場で採取OKというわけではなく、その容器が「ブランク」であることが要求されます。

ブランクとは、測定・計量の業界では良いニュアンスの言葉であり、「(今回の)分析対象がゼロ基準(の状態)」を指します。
逆に「ブランクではなかった」とはどんな状態かというと、容器中に不純物が混入していたりして、計量が不正確になるコンディションを指します。このことを試料汚染(コンタミネーション contamination)といい、現場用語でコンタミと言います。

コンタミを防ぐために、よく行われるのが「とも洗い」。これは、容器の内壁を、あらかじめ「これから採取する検体と同じ成分」で洗う、という作業です。水を採るなら、その採りたい水を容器に少し入れ、シャカシャカと振って一度全部捨てる。それから本当のサンプリングを始めます。

 
「感」 2018/07/28   計量証明のライセンスを支える維持審査
先週は、春に日程の決まっていた計量検定所の立入検査があり、会社の主だった人が応対していました。私は途中入社で2年目につき、傍観するのも初めてです。

2時間半ほど審査していただき、判定は3段階中の真ん中に。IS0風に言うと重欠点はなく、軽欠点に相当する「指導事項」が2点ほどあった形です。同日の終礼(社内ミーティング)でも早速、業務プロセスの工夫について技術部が協議を始めていました。

大気・水など環境系の計量証明事業所として、当社が現在の登録証を得たのが平成11年。そしてこの登録証には有効期限がありません。

事業の年数が経つにつれ、会社ごとに環境計量士の顔ぶれの変化・使用機材とその維持状態の変化・計量証明の実務実態の変化などが起き得ます。そのため、登録後も本当に維持できているかどうか、計量法という法規に基づき、当地ですと大阪府計量検定所の方が維持審査に来て下さいます。ISOのサーベイランスとの違いは、定期ではなく不定期であること。

指導事項にもありましたが、自社で定めた仕事の手順の細則が形骸化していたり、整合性の維持がむずかしい。ISOで苦労する点とよく似ているようです。
私どもの業界は、親会社が製造業でもない限りISOを取得している会社はレアです。普段、測定・計量を受託している企業様にも社内整備のノウハウを学びながら、本業を磨いて参りたいと思います。


 
「農」 2018/07/21   ナスビの育ち、すこぶる良し
大雨に続いて晴天が続き、作物(ししとう、ブロッコリー、トウモロコシなど)の元気さにも明暗がついてきたようです。
水やりはできるだけ涼しい時間帯を心がけています。

 
「感」 2018/07/15   熱中症の対策(私どもの事例)
このたびの西日本豪雨に際し、被災地へ災害ボランティアに赴く方々が多数おられることを報道で知りました。
皆さん普段の生活がある中、日程をやりくりして活動されているのには頭が下がります。くれぐれも熱中症に気をつけられるよう願います。

ちなみに、私ども計量証明事業所の夏場の外出業務では、熱中症リスクと隣り合わせの状況で活動しており、日常的に備えをしています。

ボイラーや炉における排ガス測定では、フランジ(測定口)の位置が屋内でも屋外でも、涼しい場所にあることはほとんどありませんし、排水のサンプリングでは広い工場の敷地内の採水ポイントを徒歩で回りますが、日蔭ばかりとも限りません。環境騒音の測定においても同様です。自治体の下水処理施設の臭気測定用の採取においては、脱臭装置のある部屋の窓を開けると臭気が敷地外に出てしまうので、空調・換気の全くない施設内で作業を行います。

そのような作業の際は、水分や塩分補給のできる飴を携行するといった基本的なことに加え、予め休憩スケジュールを申し合わせておくこと、体調に変化があったらお互い遠慮せずに申告してペースを加減すること、睡眠不足でないか等の基礎コンディションを自覚しておくこと、下着の着替えを持参することなど、様々な工夫をしています。

 
「語」 2018/07/08   「検体」「試料」「地点」と員数の関係
現場で採取され、分析対象となる空気なり水なり現物のことを、サンプルもしくは検体、あるいは試料と呼びます。
採取する行為はサンプリングとも言い、採取場所の立ち位置のことを地点、あるいはポイントとも言います。

いずれも業界用語と呼ぶほどでもないものですが、それらの員数的な関係には多少の専門性があります。

まず試料。これはイコール検体の意味合いで使う場合と、検体数と試料数を「1:多」の関係で見る場合とがあります。
関連法規あるいは依頼主の希望により、近い場所同士でサンプルを3つ取って分析した結果の代表的なものを「1検体」として報告する場合。この場合を「n=3」(呼称:えぬさん)と言います。1検体=3試料 というわけです。

また、地点数=5で検体数=7という場合。これは、同じポイントでサンプルを2回取る箇所が2つあるということです。

 
「達」 2018/06/30   碕達之助さんのプロフィール
・大阪の造り酒屋に生まれる。
・中学生の折、英語の先生から水産業の重要性を聞かされ、水産講習所へ入学。日露戦争で前線に食糧を送るため、学校を挙げて缶詰を手作業で供給し続ける。
・東洋水産会社に就職。とくにイワシのオイルサーディン製造に習熟。日露戦争後の国内缶詰業界が振るわない中、同社は事業を整理。
・アメリカの漁業会社に缶詰技術アドバイザーとしての期間職を得て、4年5ヶ月間の渡米。ロワー・カリフォルニアの僻地に丸太小屋のような工場建屋を作るところから体験。
・大正6年、東洋製罐を設立。 ・昭和9年、東洋鋼鈑が発足。
・昭和16年、満州重工業の副総裁として満州に赴任。
・終戦〜満州引き上げ時に現地の財界人として同胞婦女子50万人の帰還に尽力。 嗜眠性脳炎の難病から生還。
・昭和27年、東洋製罐を営みつつ電源開発会社の初代総裁に就任。佐久間ダム(静岡)、御母衣ダム(岐阜)、糠平ダム(北海道)を建設。
・昭和29年、亡き母親ゆかりの土地にある2寺院(大東市野崎:慈眼寺、高槻市柱本:興楽寺)に悲母観音像を建立。
・昭和30年、乞われて政界に進出。鳩山内閣で経済企画庁長官、岸内閣で通産大臣。
・昭和32年、アジア・アフリカ会議に日本代表で出席。
・ソ連・中国との友好親善に尽力。

 
「感」 2018/06/29   全国安全週間準備月間、当社の活動
今年の当社は7月の全国安全週間(7/1〜7/7)に向け、次の準備活動を行いました。

【KYミーティングの導入】
・朝にKYミーティングを始めました。
・本日の仕事にあたり、「道路状況・運転上のリスク」「受託先での作業リスク(ご迷惑をおかけすることも含め)」「機材のコンディション」「社内(ラボ内)作業での注意事項」などをシミュレーションし、共有します。

【安全帯の仕様検討】
・ハーネス型の安全帯を2本調達。試験運用し、社業にあったスペックを見極めます。

【作業服の補充調達】
・毎年一定数を調達する形ではないので、本年を補充年度としました。


 
「創」 2018/06/23   平成28年度の測定・計量受託ジャンル構成
当社では6月が決算期のスタートなので、先月までが「平成29年度」でした。
先期の締めはこれからとして、先々期の内容を振り返ってみます。

下のグラフは、当社「平成28年度」(2016.6〜2017.5)の受託内容の構成を、金額ベースではなく件数ベースで集計したもの。

件数のカウント方法は、作業環境測定については単位作業場所ののべ件数(つまり1つの作業場なら年に2回測るので、通年カウントは2となる)とし、いっぽう環境計量のほうは受託単位で1件(排水検査の採水ポイントが5か所あってもカウントは1)としています。
この平成28年度については、社内伝票である「作業指示書」をもとに、社長みずからパソコン入力作業を行ない集計。

結果は年間総受託件数:955、うち作業環境測定:602(粉じん224、有機291、騒音38、ほか)

創業当初からこのような構成ではありませんし、今年についてはもう既に、変化の兆しが出ています。どのジャンルでもしっかりと、健康障害防止に携われるよう取り組んで参ります。

 
「感」 2018/06/19   昨日の地震による当社の影響(軽度)
昨日は地震の影響により、測定日の一部スケジュール組み直しでご協力いただき、有難うございました。
また、受託先事業所様ならびに地域管内で影響の出た皆様方にお見舞い申し上げます。
関係諸団体よりお見舞いのFAX等を頂戴しましたこと、篤く御礼申し上げます。


当社自身の事業所の状況ですが、

1.人的被害はありませんでした。
2. ユーティリティー(電源・ガス等)の支障はありませんでした。
  水道給水も問題ありません。
3.ラボの機材設備の破損は、ごく軽度で収まりました。
4.事務所部分は、通信・OA機器は問題なく、書類棚の倒壊関係の復元に労力を割いております。
5.事業所周辺の交通状況は、問題なく通行できています。


当社へのご連絡等は、おおむね平常の感じでお受けできますので、よろしくお願い致します。


 
「感」 2018/06/05   トピックス画面を新設
昨年11月から2本立て構成となっている当社のホームページ(営業専用サイトと初代総合サイト)のうち、こちらの初代総合サイトで「トピックス」を始めました。

過去の記事は、5つのカテゴリーごとに累積されます。
投稿者の名前(※)はタイトルの右端に小さく出ます。
(※一般社員 'TimeCard08' のようなコードネーム表記にて)

営業専用サイトのほうも、これから随時整備して参ります。
ご活用(・ご観賞)いただけたら幸いです。

 
「感」 2018/06/05   会社案内とホームページの扱い
当社では昨年、内容が古くなった会社案内(紙のパンフレット)のリニューアルの準備を進めていましたが、途中から会社案内を補充しない方針に改めました。

会社案内という媒体には、顧客サービスと自社紹介という二つの軸足が同居していますが、後者については、取引と直接関係のない部分が多く含まれがちです。
業種によって判断は様々かと思われますが、当社では今後、広報アイテムは次のような構成でやって参ります。

・紙媒体:名刺と会社経歴書のみ(/会社案内パンフレットは持たない)
・ホームページ:2本立て(営業専用サイトと初代総合サイト)


 
「語」 2018/06/05   定性分析・定量分析
ある試料(サンプル)の中に、

目当ての有害物質が「含まれるか、含まれないか」の見極めを定性分析といい、

いざ含有していた際に、次の段階として「どのくらい含まれているか」のボリュームをつかむ分析を定量分析といいます。

これらの用語は石綿(アスベスト)の含有量調査でお馴染みです。


 
「農」 2018/06/05   花壇だけでなく地面にもプランター
これまでは季節の野菜を、小さな花壇の中に花と混ぜて植えていました。

それが今年からは、倉庫の南側の地面にもプランターを置き始めています。


 
「創」 2018/06/05   社章にある新旧の略称
当社のロゴマークは、創業者の櫻井益雄(現会長)が自らデザインしました。

アルファベットの略称が上段・下段に見えますが、
上段は現在の屋号「関西環境リサーチ株式会社」を略したもの。
下段は、創業当初の屋号「エムエス診断技研株式会社」を略したものです。

 
「達」 2018/06/05   昭和40年刊行の非売品
上巻・下巻からなる『碕達之助集』の刊行日は、昭和40年2月1日。東洋製罐株式会社から刊行された非売品です。

碕氏の没後一周忌にちなみ、平塚常次郎氏(元運輸大臣・日魯漁業会長)が刊行委員長を務める「碕達之助集刊行委員会」により編集されたもの。

故人の回顧録・遺稿集に加え、政財界からの弔辞集も含まれたスケールの大きな内容。そのため、標題が碕達之助「集」になったのではないでしょうか。

モノクロ写真も豊富で、年表も付属しています。